こんにちは、基礎科デザインコース、工芸コースです。
2学期最後の色彩構成課題に取り組みました。
花札から抽出した要素と、与えられたモチーフ(ススキ・和紙・鈴・試験管・マッチ・小袋アラレ菓子から任意に2種類以上を選択)にて平面構成をする課題でした。
今回も沢山の優秀作品が出来上がりました!早速紹介していきましょう〜
最初はお魚が印象的なこの作品。
全てイラスト表現で統一させていますが、情報量が多く、描写を用いた作品に負けないくらい見栄えがあります。線画と塗りのズレもそれっぽくて可愛いですよね。花札特有の鮮やかな色味なども良く活かせているのではないでしょうか。イラスト表現は描写と比べて描くのが簡単な分情報量が増やせるので、こういったストーリー性のある作品は作りやすいのかなと思います。
続いてはこの作品。
描写が沢山あって大変そうでしたが、しっかり時間内に完成させることができました。和紙の透けた色味は特によく表現できています。他の人よりも早いペースで画面を仕上げ、余った時間で色味や粗密の調整をするという模範的な制作プロセスだったと思います。基礎科からこのようなペースが作れていると、受験科に行った時に強いかもしれません…。
続いてはこちら。
モチーフが置かれている場所の設定が他の作品にはないので、目を引く作品に仕上げられています。箱に立てかけてあるマッチの床に落ちる影が、より一層状況を面白くさせていると思います。基礎科だとモチーフの影を描き忘れる人が一定数いますが、ここまでしっかり描けるといいと思います。もう少し時間があったら、煮干しや雲の後ろの情景まで描きたいですね!
続いてはこちらの作品。
背景のイラストの完成度が高いです。花札特有の手書き感がよく観察できていると思います。藤の花、おかき、点描、鈴といった丸いモチーフでリンクさせて、統一感を出しているのも良いですね。
続いてはこちら。
本人曰くまだ途中とのことですが、魚の描写がよく描けているため未完成感なく仕上がっています。イラストの魚とリアルな描写の魚の対比をきかせ、面白い画面にできていますよね。左上のイラストの下にマッチ棒を潜り込ませているところなど、遊び心があっていいと思います。
続いてはこちら。
マッチの赤い部分が重なって面白いシルエットになることを発見することができました。それを画面に大きく配置することで、シュールで目を引く作品に仕上げられています。目立つ作品って、描写が上手だったり色が綺麗だったり色々な要因があると思いますが、この作品のように着眼点が要因になっているのは珍しいと思います。今後もオリジナリティーのある観察に磨きをかけて行って欲しいですね。
続いてはこちら。
月の中にモチーフたちを覗かせることで、明度計画的にもよく目立つ作品になっています。イラストのシャープな線と、描写の柔らかな筆のタッチにギャプがあって面白いですね。平面構成では、ただ背景の上にモチーフを置くのではなく、何重にもレイヤーを作ると面白くなります。この作品は、その面白さに気づくきっかけになったのではないでしょうか。
続いてはこちらの作品。
モチーフが床に落とす影がリアルに描けているため、画面の設定がよく伝わります。影色のチョイスも良いですね。ただのグレーを使う人が多いですが、少し寒色系の絵具を混ぜているため、雰囲気のある描写に仕上がっています。
続いてはこちらの作品。
なんといっても描写の上手さが目立ちます。特に鈴は、その重みまで伝わってくるようです。桐の花の下に隠れた鈴が2個ありますが、メインよりもヘルシーに描くことで、うまく時間短縮しながらも画面を寂しくさせない工夫をしてあります。
続いてはこちら。
画面の構成や、描写など、色々な部分がよく考えられていると思います。和紙や、背景の白、イラストの部分の面積が全て違っているため自然な画面になっています。差を意識しながら画面を作っていくのはなかなか難易度が高いと思いますが、基礎科でここまでできるなんてすごいですね!
最後はこの作品。
試験管は背景を歪ませるのによく利用するモチーフですが、それが活かせています。ガラスの中央に比べサイドは歪みがキツくなりますが、その表情もよく観察できていると思います。背景の青もチューブから出したままの色ではなく、しっかりと混色して作っているのも良いですね。
色彩構成では、丁寧な観察から発見したモチーフの魅力を伝えたい、魅せたい気持ちが大事ですね!
技術的にはまだまだ未熟なところはありますが、このまま今後も経験を重ねていけばより作品のクオリティも上がっていきますので、冬季講習会も頑張っていきましょう!
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基礎科の冬季講習会
2021年12月1日(水)〔基礎科〕