こんにちは基礎科です。
今年度初の専門課題週間、今回はデザインコース、工芸コースの授業の様子のご紹介です。
デザイン系や工芸系の美大入試の実技では、デッサン以外に平面構成が出題されることが多いです。
今回の専門課題期間では平面構成に取り組みました。
平面構成では、主にアクリルガッシュを絵具として使用します。
「ガッシュ」は不透明絵具なので、元々はベタ塗り(平塗り・色面の中を均一に塗る技法)に向いている絵具ですが、平面構成では混合する水の量を調整しながら、滲みやボカシなどの水彩表現をしたりもします。
初めて取り組む生徒もいますので、最初は水彩表現とベタ塗りの練習兼ねてグレープフルーツを描いてみました。
まずは現役藝大学生講師がデモストによる導入レクチャーを行いました。基礎科ではお馴染みの光景になっていますね!
デッサンと同じく「観察」が大事です。
デザインや工芸では「観察」が全ての基本となります。
表現力も当然大事ですが、先ずは最も大事なのが、「見る(観る・視る)力」「観察力」なのです。
デモストは少ない手数ですが見事に柑橘系果物グレープフルーツのしずる感(瑞々しさ)が表現されていますね!
ハイライト の入れ方なども参考になります。
絵具に慣れてきたところで平面構成、複数のモチーフで画面構成に取り組みました。
制作途中で、今年から基礎科に加わった藝大デザイン科在学中 I 先生が、モチーフの一つ「折り紙」の描写表現をデモストしてくれました!
デモストでは、描く姿勢や選択する絵具や筆、混色の仕方など見所が沢山です!
光の設定による明暗なども参考になります。平面構成では光の設定は不可欠で重要な要素です。
こちらは今年から基礎科に加わった新人講師、東京藝大工芸科在学中 M先生のデモストのためのエスキースです。
画面内の「光の向き」が描かれていますね。
そのエスキースをもとに出来上がったデモスト作品です。
お見事! なんと4時間の制作です。
折り紙の中でも金紙と他色紙との光沢感の差や、それぞれのモチーフ同士の関係、アルミ線の空間的扱いやその為の表現の差など参考になりますね!
こちらは土日クラスの生徒作品です!
力強い画面ですね、補色や明度対比を有効に使っています。グレープフルーツを薄く輪切りにしたことで果肉が透けている表現も良いと思います。
平塗りと水彩表現の対比や色の選択が柑橘系の爽やかさにも繋がり綺麗ですね。
平塗りは基本的な技法ですが、ムラが出ないよう丁寧に塗るだけでも良い対比が生まれます。
来月の専門課題週間は立体構成に取り組みますのでお楽しみに〜
2021年5月18日(火)〔基礎科〕