藝大建築科の一次試験=大学入学共通テストでは、どのくらいの得点が必要ですか?

東京藝術大学美術学部建築科は、一次試験と二次試験のすべてについて、配点比率を公表していません。基準点(いわゆる「足切り点」)があるのかどうかも公表していません。同大学の2020年度入試の『学生募集要項』には、「入学者の選抜は,実技試験(中略),出身学校長作成の調査書,大学入学共通テストを総合して判定します」と記されているのみです。したがって「何点以下だと絶対に落ちる」といったことは言えませんし、同様に「何点以上取れば安心」ということもありません。

同大学の発行する『個人成績開示』に記載された情報をみると、大学入試センター試験(2020年度入試まで)の「成績」欄には合計点のみが記されており、「判定基準等」には何も記載されていません。ですので、単科基準点は設定されておらず、5教科6科目の合計点だけを見ている、と捉えるのが妥当でしょう。

当学院の調査では、同科の合格者の得点分布をみたときにもっとも多い(密集している)得点率は7割前後であろうと分析しています(註1)。この「7割」という数字は、ボーダーラインや安全圏という意味ではありません。5割台の得点で合格した人がいる一方、9割以上得点して不合格となった人もいるようです(註2)。

当科では、「浪人生は勉強する時間があるんだから8割超えを目指そう」「現役生は、総合点を稼ぐための勉強方法に専念しよう」「得意科目の得点をさらに伸ばそうとするより、苦手科目をなくすほうが総合点は上がる」といった話をすることがあります。藝大建築科が配点比率を公表していない以上、こんな話をしても目安のひとつにしかなりませんが、そうだったとしても、受験生は、個々に具体的な目標値を設定するべきだと思います。

なお、当学院は、学科の授業も設けています。詳しくはこちらをご覧ください。

註1)2022年度入試の共通テストは非常に低かった。おそらく、例年より1割ほど低かったのではないかと思われる。
註2)他の予備校の生徒からの伝聞による。

2021年5月13日(木)〔建築FAQ