基礎科 デザインコース講師のFです!
10月にフランス・パリで展示会に出品したため、旅行も兼ねて行ってきました🇫🇷
今回は初フランスということで、街歩きと美術館巡りへ。
旅の中で、作品の「見え方」について考えさせられる出来事もありました。
まずは、ざっくりパリの空気から!
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パリ市内は歴史的建造物がぎゅっと詰まった石造りの街並み。
どこを切り取っても絵になる景色ばかり。

凱旋門
上部までびっしり施された装飾に圧倒!
双眼鏡でしっかり隅々まで観察しました👀
あ、旅行の際には双眼鏡、めっちゃおすすめです!
建物見るのにも高台から景色を眺めるのも出来ちゃう!
高台から双眼鏡使うのにお金取られたりするしね・・・。
私はバードウォッチング用の双眼鏡を持ち歩いています🐤

エッフェル塔
こちらはなぜか双眼鏡なしで眺めました(笑)

上から見るオペラ座。奥にはエッフェル塔も🗼




ノートルダム大聖堂
2019年の火災を経て、2024年12月から一般公開が再開しています。
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少し郊外にも足を伸ばしてみました。
市外に出るとのどかな風景が広がり、牛や羊の姿も。



早朝の無料バスから見えたモン・サン・ミシェル。
朝靄に包まれた姿はとても幻想的でした。

向かう途中、朝日が登る瞬間。

朝日を浴びるモン・サン・ミシェル。
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さて、ここからが今回のメイン。
ちょっと長くなりますが、ぜひ読んでほしい
美術館のお話です。
今回のお目当ては、マルモッタン・モネ美術館。
クロード・モネの作品を世界最大級に収蔵する美術館です。
中でも有名なのが
『印象・日の出』
印象派という名前の由来になった、モネの代表作ですね。
10年前、東京都美術館でこの作品を見た時の衝撃と感動が忘れられず、
「もう一度、本物をしっかり観たい」と思い、今回訪れました。

美術館は落ち着いた16地区の住宅街にあります。

こんな住宅街に美術館があるのか・・・?と思いつつ地図に沿って歩く。
美術館の近くには大きな公園があり、子どもたちが遊んでいたりとのどかな雰囲気。

美術館到着!入場待ちは少なめ。
今回は”The empire of sleep”という企画展も開催されていました。(※企画展は撮影不可)


邸宅を改装した館内は、部屋ごとに居心地の良い空間。
人も少なく、じっくり鑑賞できます。
モネの展示は後半、地下へ・・・。

こちらが『印象・日の出』。
東京で見た時は人が多く、なかなか落ち着いて観られませんでしたが、
今回は距離を変えながら、ゆっくり鑑賞できました。
個人的にこの作品で特に好きなのは
見る距離によって、まったく表情が変わることです。

離れて見ると、
朝日が本当に光っているように感じられ、
水面はキラキラ揺れ、港全体が朝霧に包まれている空気まで伝わってきます。
まるで窓の外に風景が広がっているような感覚。

一方で、近づいて見ると、
形は決して正確ではなく、
輪郭も曖昧で、筆のタッチや絵の具の質感が前に出てきます。
これは
本物の絵の具の発色
筆のタッチ
そして「距離」が合わさって生まれる体験です。
モネはこの絵を、
朝日が登るほんの短い時間に描いたと言われています。
そのため、建物や船の形を丁寧に描くよりも、
一瞬の光や色の印象を優先しました。
目の前の風景をそのまま正確に書こうとしたわけではありません。
自分が見て、感じた一瞬の印象を
色や筆の動きに変換して画面に残しています。
ここで大切なのは、
「何をどこまで描くか」を選びとっていること。
すべてを描かなくても、
必要な情報だけで、
風景や空気は完成する。
これは制作でも同じです。
画面の中に、
・本当に必要な情報は何か
・削ってもいい部分はどこか
・離れて見たとき、何が一番伝わってくるか
普段みなさんに伝えている
「画面から離れて見る」という言葉は、
ただの確認作業ではなく、
作品の印象を設計するための視点でもあります。
モネの『印象・日の出』は、
そのことをとてもわかりやすく教えてくれる一枚だと思います。
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10年前、初めて『印象・日の出』を見たときは、
作品の知識も無いまま、ふらっと鑑賞しました。
その時に、自然と距離を取って見た瞬間に、
作品の中に輝く風景が立ち上がってきたことを今でもよく覚えています。
今回は、先にモン・サン・ミシェルで
朝靄や朝日の風景を体験してからこの絵をみました。
すると、自分が感動した「朝の空気」そのものが、
絵の中で表現されていることに気づき、改めて驚かされました。
実際の風景で感じた光や空気が、絵画として成立している。
そのことを、体験を通して理解できたのは、
とても大きな収穫でした。

お土産コーナーで、グッズも少し購入。
紙袋まで可愛くて、思わずテンションが上がりました🤩
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最終日はルーブル美術館へ・・・のはずが。
入り口が警察車両で封鎖。他の入り口へ回ってみると・・・


なんと閉館の看板が。
数時間前に強盗事件が起きた当日でした😨
残念ながら中には入れず。
「また来てね」ということですかね・・・。
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フランスは、街そのものが美術館のような場所でした。
基礎科の皆さんも、
これから色々な場所へ行き、
たくさんの風景や作品を見ると思います。
ぜひ、ただ「見る」だけで終わらせず、
そこで何を感じたのか、
どんな印象が残ったのかを
自分の制作につなげてみてください。
体験は、必ず表現の力になります。
追加の申し込みも随時受け付けています!(受付終了のコースもあります。)
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2025年12月19日(金)〔基礎科〕


