基礎科 夏季講習会_講師導入デモスト特集

こんにちは、基礎科です。

基礎科の夏季講習会は、初めて美大受験実技に取り組む高校生が沢山参加します。
5期のタームに分かれていますが、全てのタームで初参加者がいます。
そのため課題初日には、各コースで講師による導入のレクチャーやデモストが行われています。

全ターム、最初の課題は全コースでデッサンに取り組みます。
初日は鉛筆や木炭の削り方、デッサンスケールなど用具の使い方、実際の画面に入る段階では構図や描き出しのポイントをデモスト交えて導入をしています。

毎課題で、解説していますので初めての人でも安心して実技に取り組むことができます。

デッサンでは、最初の段階から構図の収まりが見えてくるよう画面全体にアタリを入れていきます。

石膏デッサンでも同じです。

真っ白い画面に何から描き始めればよいの?
モチーフの大きさはどれくらいで?構図は?
形を取るにはどうすればよいの?
鉛筆の種類は何を選択すればよいの?

初心者にとっては、分からないことだらけだと思います。

そんな時は取り敢えず先生のデモストを見様見真似で描いてみるとよいと思います。
そして経験を重ね試行錯誤していくうちに自分のやり方が徐々に確立されていきます。

 

入門コースであるビギナーデッサンでは、講習会中、毎課題でデモストを行っています。
他の専攻コースの約半分のサイズ、B3画面での制作になります。

パプリカとビール瓶のデッサンは、東京藝大日本画専攻在学中のN先生によるデモストです!

初心者は描くのが後回しにしがちな台上に落ちるモチーフの影。
モチーフと一緒に捉えることで、描き出しからモチーフの位置関係・空間が見えてきています!

描き出し〜中盤の作業で、光・陰影のイメージや各モチーフの描きどころのポイントなど見えてきていますね。とても参考になります!

トウモロコシと発泡スチロール球のデモストは、藝大デザイン科在学中のI先生。

卓上デッサンでは、各自でモチーフを卓上に任意に配置し、それをデッサンします。

デモストのようにモチーフ同士を積極的に関わらせて関係を作るとよいですね。

出題されるモチーフには、さまざまな質感が含まれています。また明部と暗部での見え方も変わりますね。
それを表現する為の鉛筆の使い方(濃さや硬さの選択、調子(トーン)の幅)、画用紙の目の活かし方や押さえ方などが工夫されています。
デモストを見る時はその辺りもポイントです!

 

ここからは、専門課題の様子をご紹介しましょう!

(専門課題とは各科の専門実技(藝大入試の二次試験科目)のことです。油画科は油彩、日本画科は静物着彩、彫刻科は粘土塑造、デザイン科・工芸科は色彩構成や立体構成など)

 

◯彫刻コース

水粘土による塑造課題に取り組んでいます。
彫刻科の塑造は、まず塑造板の上に心棒を組みます。

心棒は、鉄製のアングルを塑造板にビス留めし、そこに各自ノコギリで必要寸法に切った木材をシュロ縄で縛って固定します。

そして、そこに粘土を付けていきます。
グデア頭像の模刻粗付けデモストは東京藝大彫刻科在学中のS先生。

角材で叩いたりして大きな面や量を合わせていっています。

アバタのビーナスの模刻デモストは東京藝大彫刻科在学中のN先生

粗付けの段階でもう像が見えてきていますね!流石です!

 

 

彫刻家では、「 足で作る! 模刻はスポーツ!」とよく言うそうです!

制作するときのフットワーク、見比べ方・視点など参考になります

 

動物の塑造もします!

彫刻科では、生きた動物を見て制作します。骨格標本は見ますが剥製を使うことはありません。
動いているところを観察することで、分かることが沢山あります。
毛で覆われていると表面的には一見構造が分からなくても、生きていて動き回ってくれることで骨格や関節の位置など構造を読み取ることができます。
それを基に塑造しているのです。

 

 

◯デザインコース・工芸コース

平面構成課題や立体構成課題では、特に未経験者が多いので、導入レクチャーを行い技法解説などデモスト交えて行っています。

平面構成は、B3サイズの木製パネルに画用紙を水張りして制作します。
本番の試験はボードですが、高価なので予備校での普段の訓練では水張りした画用紙に彩色しています。
そのため最初に水張り方法の解説から始まります。

水張りも慣れると短時間でできるようになりますよ!

 

レクチャーでは色彩についての基本的な事項や構成をする上での大事なポイントについて話をします。
基礎科の夏季講習では(平常授業でも)色彩構成の毎課題で初めて取り組む人がいますので、なんとこれを毎回やっているのです!

 

色彩構成では、主にアクリルガッシュ絵具で彩色します。
ガッシュ(不透明水彩絵具)なので、色面の中を均一に塗る(ベタ塗り・平塗り)ことに向いている絵具ですが、水分量をコントロールして水彩表現をすることもできます。

前期の色彩課題では、東京藝大デザイン科在学中のS先生がデモストしてくれました!

画面全体に手を入れて進めていくところや、表現を決めていくスピード、作業のリズムなど、直接見ないと伝わらないことが沢山あったかと思います。
参加できた皆さんは、ぜひ今後の制作に活かしてくださいね!

 

 

色の響きあいが綺麗で爽やかな作品ですね! モチーフそれぞれの特徴も活かされています。

 

中期1の色彩構成では同じく東京藝大デザイン科在学中のI先生がデモストしてくれました!

モチーフはモンステラ、バナナ、いいちこの瓶です。

大型モニターで同時中継していますので、生徒は遠い席からでも進捗具合を見ることができます。

 

大胆な構図の力強い作品ですね。任意に設定する画面枠の形もキレがあります。
バナナから抽出されたシルエットの陰影がバナナに落ちて、そこにも空間があるかのよう。

夏といえば向日葵ですね。
「向日葵、うちわ、アクリルアイス」をモチーフとした平面構成課題も行いました!

デモストでは、エスキース(計画を練ること)の段階から見せてくれました!

平面構成では、アクリルガッシュを使用しますので、進め方の手順も大事になってきます。
最初に水彩表現をしていますね。

 

 

 

デザインコース・工芸コースでは、立体構成課題にも取り組みます。

初めて体験する人にとっては、立体構成は全く未知の世界だと思います。
そんな人達にイメージを持ってもらえるようようレクチャーを行なっています。

水粘土の扱い方、粘土へらなど用具の使い方や基本的な技術をデモスト交えて説明します。

東京藝大工芸在籍中のH先生が、生徒と一緒に同じ課題をデモストしてくれました。
トマトと水のイメージの形体の立体構成です。

塑造板上の水のイメージ形体のダイナミックなフォルムとトマトの説得力のある塑造の対比が効いていますね!
作品の精度も高いです!

 

 

今回のブログは大サービス!
特別にデモストの様子を沢山ご紹介しました!

すいどーばた基礎科では、ハイレベルな実技を間近でみることができます。

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基礎科の2学期・平常授業スタート

平日3日、5日クラス 9月7日(水)〜
土日クラス 9月10日(土)〜
日曜クラス 9月11日(日)〜
土曜クラス 9月10日(土)〜

基礎科 -高校1・2年生対象-

2022年8月19日(金)〔基礎科