基礎科 立体週間「ウサギの塑造」

こんにちは、基礎科です。
「二学期は立体意識を学ぼう!」第二弾!
彫刻、デザイン、工芸、デッサン(+他コースの希望者)の各コースみんなでうさぎの塑造に取り組みました!

そんな今回は基礎科のために7羽のうさぎがやってきてくれました。
可愛すぎるからかスタッフたちが写真をたくさん撮っていたので、まずはみなさんうさぎ画像をお楽しみください・・・

ふう・・・やっぱり生きものが実際に目の前にいるとそれぞれの性格が見えてくるとか、差異が実感できて面白いですね。

先生たちも興奮してクロッキータイム!基礎スタッフたちにとっても貴重な機会でした。

さて今回も彫刻受験科から頼れる講師としてアイザック、小野先生らが来てくれました!
この写真はアイザック先生がうさぎの参考作品を紹介しているところ。
彫刻科はうさぎや鳥など、生きた動物を見ながら作る課題を多くこなす科です。

粘土付けの説明。なんとなく粘土の塊で遊んでいるようにも見えますか?
でも実はこの段階で頭と体のバランスや動き、内側の骨格の意識などうさぎ(いきもの)をそれらしく見えるように
作るための大切な仕事がてんこ盛りに入っています。
視点を大きく持ち、形を捉えて量を扱う。生きている存在感までひとつの形に落とし込むために彫刻科が大切にしている視点です。

こちらは彫刻受験科からお借りしたうさぎの骨格。野うさぎでしょうか、今回モデルできたうさぎと比べて立派な大きさです。
野生にいるうさぎって筋肉もバキバキな感じで逞しいんですよね。高校時代よく帰りが遅くなるとハイスピードで走る野うさぎと
自転車を並走した記憶があります。あの目はホンモノの目をしていた・・・

とはいえもちろん骨格の作りなどは同様なのでしっかり参考になります。

背骨や腰、関節の位置などもふもふした実際のうさぎからは一見読み取りにくい要素を意識します。

そうそう、粘土もこうやってヘラなどを用いて正中線や骨格の位置、目などを描いたりして正確性や印象を
確かめていきます。案外慣れない人は立体=三次元だからとこういった作業をしない人が多いんですが、
デッサン同様使える手はなんだって使います。

彫刻受験科から小野先生も来てくれました!迫る講評の時!

そんなわけで講評です。前回のキャラクター粘土課題より制作時間が短かったですが、
いい集中力で健闘した作品が多く出てましたね!

平日、土日それぞれクラスから出た健闘作品をいくつかご紹介します!

足先を舐めているところ、このポーズをいい感じに作れているというのはなかなかすごいことで、
作りたいポーズを生きているうさぎがしてくれるかは運次第ということでそこがまた難しいところ
なんですが、構造なども気にしつつ自然な佇まいに作れてこれました。

毛の表現など拾える情報をなるべく取り入れようという姿勢がいいですね。
ただ単純に線を刻んでいるわけではなく、毛の流れ、方向なども気にしているのがナイスポイントです。
シャケを咥えた熊の置物に近い彫刻感が出てきています。

見知らぬ場所に来て緊張しているモデルの雰囲気も拾ってこれています。板の上の配置も考えられていますね。
耳や手足、その周りの形など陰影がしっかり出て単調な形に見えないよう工夫されている点も◎!

体の後ろ側を手入れしているところ。コロンとした全体の大きなフォルムが可愛らしさに繋がっています。
上半身や腰のボリュームをよく観察し、耳やおしりも魅力的な形に作れていますね!

ふにょふにょしたお肉の感じがよく拾えていてこれもまたモデルのらしさを形に起こせていますね。
うしろ脚や腰部分を見ると骨格なども参考に構造を見ようという意識も感じられます。

頭部からお尻までの背骨のフォルムをしっかり拾っていることが伝わります、キリッとした顔立ちもいいですね。
手足も含め総合的にバランスよく今回の課題に取り組めています◎

地面にふにゃんと体を預けたリラックスしたポーズですね。より内部構造がおにくで隠れる流体のような愛らしさもありつつ、
頭部や手先なども自然に作れているのでカチッとまとまりがあるのがいい塩梅です。顔も表情に沿った柔らかい形で作れていますね。

膝や背骨、おでこなどの骨が表皮に近いところ、口元や耳、毛先などの柔らかい表情などバランスよく
粘土による幅広い表現で作れていますねお見事!目元や顔まわりの形態も立体的にしっかり追えてきてます。

目元の影の落とし方が鮮やかでお洒落です。これもちょこんとした全体のフォルムの中にいろいろな視点からの
仕事が入っていて見応えがあります。耳の薄さ、影の落とし方や板との設置面や板の上を綺麗にしていること(超大事!)
などの仕事も緊張感に繋がっていますね。


本人がうさぎ好きとのことでスピーディーに制作が進んでいた作品ですね。
顔はもちろん背骨を通した体全体の動き、前脚のポーズや表情付けなど積極的な造形で元気なうさぎの印象が伝わってきます!

にょーん
丸まっていると小さく見えるのに背骨を伸ばすとこれだけの長さに見えるのも面白いですよね。

というわけでうさぎの塑像体験授業でした、
あまり機会のない動物モデルの立体制作ですがなかなかいい経験になったのではないでしょうか!
ではまた次回~!

2021年11月1日(月)〔基礎科