こんにちは基礎科ですー!
3日クラスでは全コース共通で私物細密デッサンに取り組みました。各自、自分の描きたいモチーフを持参してもらい8時間かけてじっくり描いてもらいます。絵にしたら格好良いもの、想い入れのあるもの、モチーフは何でもOK。
これまでも「限界まで細かく描いてみよう!!!!」というような課題には取り組んではきたのですが、今回、特に意識して実践してほしい点は物質の正面から側面に向かっていく形状を捉えること。ものすごく簡単に言えば“回り込み”なのですが、、これが理解できて描けるようになるのがなかなか難しいところ。。
筆者(油画コース講師F)も高校生の時に先生から「もっと!回り込むように!描いて!」と口すっぱくアドバイス頂いた思い出があります。その度に「・・・でも紙って平面なのに、どうやって絵の中で回り込むんだ・・」と思った苦い記憶が (笑)
その理屈が分かり、感覚も身についてやっと絵で表現できるようになるまでには暫く時間がかかりました。身体で覚えたというか、立体の描き起こし方が身体に染み込んだというか。う〜ん、抽象的な表現になってしまった。
モチーフが各自で違うので、難易度や注意点もそれぞれ。講師は、そのモチーフごとにアドバイスを積極的にしていきます。
それでは、ここからは優秀だった作品をドバッと22点ご紹介していきますよ。
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靴紐の曲がり方、つま先部分の質感、影の落ち方などに、確かな観察力とこだわりが感じられます。靴という大変なモチーフの中に、描きどころをしっかりと見出せていますね。
質感と立体感の表現が見事です。質感を描き込んでいくうちに立体感がなくなっていくことがよくありますが、この絵はきちんとバランスが高いレベルで取れています。
台上のオブジェクトの描き込みも優れていますが、台座部分の微妙なグラデーション、ハイライトといった部分に非常に丁寧な仕事がなされており、完成度が高いです。
とても難易度の高いモチーフです。近目の描写にこだわりすぎず、遠目での印象を大事にして、完成度高く仕上げられています。柔らかさが伝わってきますね。
描くのが大変な要素しかないようなモチーフですが、妥協なく描き上げられ、そのモチーフを選択した責任をしっかりと取れています。アーチ部分の表現で空間性も出せていますね。
アウトラインの曲がり方や靴紐の捩れ方などに、靴らしさが現れています。角度によって変化する黒色の微妙な表情を追うことで、立体感も見せられています。
布の頼りない質感と、ゲーム機の艶やかな反射の対比が際立って見えており、情報量の多い絵になっています。ファスナーの描写もポイントですね。
全体が白いモチーフではありますが、内側や靴紐の隙間に強い黒を置けており、他の絵と比べても見劣りしない充実度を出せています。質感表現も徹底されていますね。
完成度が高いだけでなく、ぬいぐるみの持つ可愛らしさ、若干の切なさといった、印象の部分まで表現できています。服の模様も一様に描かず、ちゃんとその奥の体が感じられる見え方になってますね。
細部の描写もさることながら、この比較的薄く、角も曖昧な形をしたモチーフの立体感を的確に表現できている点が素晴らしいです。ディティールの前のベースの仕事がやはり大事ですね。
パッと見た第一印象で、中に綿の入っているふんわりと柔らかな素材感が伝わってきます。
縫い目のステッチ感やシワまでが上手く描けていてGOO!フワフワの耳、ツヤのある目や鼻先と質感を大切に丁寧に描かれた遺著まい
微妙な皺の付き方、反射光の入り方によって、毛が短くやや艶のあるこのぬいぐるみの質感が伝わってきますね。モチーフの組み合わせ方にもなんだか愛らしさがあって素敵です。
デッサンは高密度であれば良いというものでもないですが、ここまで濃密に質感表現がなされていると圧巻です。しかし同じくこれも、ディティールの前のベースの仕事が的確であるからこそですね。
全体的に強いコントラストが少ないモチーフの中で、ファスナーの取っ手が絵の印象を引き締めています。表面の模様たちも、面の変化に合わせた表現がちゃんとできており、自然です。
反射光の影響がとても綺麗に捉えられており、背景が単なる余白でなく、奥に続く空間に見えますね。その上で描き込みも非常に充実しており、隙のない仕上がりとなっています。
黒の中にキラリと輝く金具が印象的なデッサンです。意外と描きづらいモチーフですが、無理に質感や立体感を演出しすぎず、自然な佇まいを表現できていますね。
皺による模様の変形、微妙に艶がある質感など、リボンらしい要素を的確に捉えられています。ベルトのメリハリのある明暗の付き方が、絵に空間性を与えていますね。
かなり平面に近いモチーフであるにも関わらず立体感が伝わってくるのは、ファスナーや記事の繋ぎ目部分の描写が徹底されているからです。描きどころを分かって描けていますね。
硬貨の置き方が良いですね。一見寂しくなりそうな右側の余白を、この硬貨たちが上手くコントロールしています。ファスナーの取っての厚みやロゴの立体感など、細部の描写にも観察力が感じられます。
プラスチックの表面の微妙な揺らぎの表情が、透明性に説得力を持たせていますね。丁寧に描かれた商品のロゴが絵のポイントとなり、完成度の高さを引き上げています。
フィギュアは難しいモチーフです。影の描写が丁寧であることや、たてがみの中にも面の変化が捉えられていることで、4本の足の位置関係がとても自然に伝わってきますね。
細長いベルトをあえて巻いて塊とした選択が面白いですね。隙間から差し込む余白に緊張感があります。表面の質感も、面の変化が意識されており見やすいです。
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基礎科では、全コースで初めて実技を取り組む方や初心者に向けて丁寧に画材説明含めた導入を行なっています。
興味はあるのに実技未経験で及び腰になってしまっている方、迷っている方、二学期からのご入学でも安心して始められますので、この秋から新たな一歩を踏み出してみませんか?
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2023年11月2日(木)〔基礎科〕