こんばんは、基礎科です。
今日は年内ラスト課題の講評会でした。
中期Ⅱからは講習会参加者も増え、見応えのあるデッサンが多く並びました。
今回はその中から優秀作品を数点紹介します。
最初はデザインコースのゲタ!
まずはこちらの作品!
逆光の雰囲気がよく出せています。とてもとても上手です!光の描写もさることながら、立体の捉え方もまた上手です。逆光だと真っ黒になりがちですが、鈍い反射光を忠実に捉え暗い世界の中でも豊富に色が使えています。そのおかげで手前の肩と奥の肩の空間感がよく伝わります。
続いてはこちら。
これも上手です…!服の皺を細部まで根気強く描けています。皺の黒い線に惑わることなく、中の体の動きまで伝わってきますね。明暗の観察もよくできていて、光が当たっているところに強く入る黒と、影面の中の黒の差を捉えることができています。
続いてはこちら。
大きな立体を捉えることができています。上手です!石膏デッサンはどうしても個々の細かいパーツに目が行ってしまいますが、石膏の大きな印象を捉えることが大切です。どちらから光が来ているのか、明暗はどこで分かれるのか、どこが1番目立って見えてくるのか等々、石膏デッサンで抑えるべきポイントがちゃんと抑えられています!
最後はこちらの作品。
全光感がよく伝わる作品ですね!上手です…!肩に荒めに鉛筆のタッチを残し、手前感を出していますね。タッチが残っているからといって、雑な仕事に見えないのがうまポイントです。しっかりと形に沿った線が引けているからこそこの魅力に伝わっているんでしょうね。
日本画コースは奴隷半身像!
石膏の白さ、硬さまで伝わってくるような作品ですね。ただ石膏の形を描いていくのではなく、石膏が置かれている空間までしっかりと観察できています。鉛筆のタッチも繊細でとても良いです!
こちらの作品は、奴隷の動きをよく見れていますね!体をぐいーっと後ろに捻っているという特徴的な石膏でしたが、引っ張られた皮膚の流れまで伝わってくるようです。顔や右肩などといった奥の描写も秀逸で、しっかりと全体の観察をしていることがわかります。
こちらの作品は、右肩の手前感が特によく描けています。画面から飛び出してくるようです…!右肩、右胴体、顔、左肩、という手前奥の順番が忠実に描写できています。頭でわかってはいても紙の上ではうまく描けないことがほとんどなのに、基礎科でここまで描けるなんて驚きです!
お次はこちらの作品。
左の脇腹がよく描けています!肋骨の描写って、コピペしたみたいに変化がなくなってしまいがちですが、色も形も手前奥も色々な差を観察できており、とてもリアルに仕上げられています。上手です!背中に向かっていく回り込みの表現も秀逸です。
続いてはこちら。
鉛筆の色がとても綺麗です。石膏ってこんな白さだよね、と見た人全員に思わせられるような作品です。他の作品よりも白さが目立ちますが、その限られた色幅でここまで明暗や立体を捉えられるのはすごいです…!
こちらの作品はお腹の立体感や、ねじれた動きの描写がよくできています!近くで見ると荒々しいタッチですが、遠くから見るとお腹の凹み、臍の下の面の切り替わりなど、階段状の立体がよく捉えられています。
続いてはこちら。
形を一生懸命直した跡がありますね!跡が残っていると好感度が上がるのは私だけではないはず!自分のデッサンを常に疑い、直しながらここまでの描写ができるなんてすごいです。直しすぎて細部の描写をする時間が足りなかった!となりがちなんですが、そんなことは微塵も感じさせず、手前の脇腹の描写等とてもよく描けていますね。
最後はこちら。
荒々しいタッチで、奴隷の動きを描写できています!明暗の観察もできていて、首や顔周りの明るいところの描写がとても繊細で綺麗です。手前奥もしっかり描けています!
最後は構成デッサン!
最初はこちらの作品。
リボンの上下関係がよく描けていますね。リボンが重なったところに落ちる影を忠実に描くことで、全体の空間感も伝えられています。手は両方とも入れる構図で大変だったかと思いますが、どちらも最後まで描き切れており、時間配分も良かったのだとわかります。
続いてこちら。
左上の大きく入れた手と、右下の疎な空間の対比がとても良いです。リボンの入れ方もよく、余白の形を全て違えてあるので画面が窮屈に見えません。親指以外の指にリボンを縛り付けるという設定も面白いです。そのため、ぱっと見の印象も近ついてじっくり見た時の印象も良いです!
最後の最後はこの作品。
手の色味がリアルでとても良いです!特に左手の握った指にできる黒いかげ、またギュッと握ることでできる関節の白さなど、全てがよく描けています。よく見てみるとリボンの曲がり方が若干惜しいですが、遠目の印象はバッチリです。
さて、ここまで優秀作品をご紹介してきました。
2021年最後のどばた、皆さん有意義な制作ができたでしょうか?
来年も講師一同皆さんの受験のサポートを頑張ってまいります!
冬季講習は年明け4日から始まります。
お正月はゆっくり英気を養って、また一緒に頑張りましょうー!
それでは良いお年を!!