こんにちは、彫刻科です。いよいよ夏季講習会が近づいてきました。
一般大学の受験勉強では「夏は受験の天王山」と言いますね。実技の勉強でも夏はとても重要です。すいどーばた彫刻科では1課題につき12時間前後と時間をたっぷり取り、出だしから完成まで担当コースの講師が指導につきながら制作します。
1学期にいろいろと学んだ物を時間、課題数をこなしながら消化し、自分のものにするそれが夏季講習会です。また、ある程度の実力のある人にとっては自分の課題を乗り越えるチャンスになります。
東京芸大に合格した学生の昨年夏季講習会の実技を見ていたら、それぞれ自分の不得意な課題にチャレンジし、講習会中に成果を上げていました。夏で何かを乗り越えて受かっていったのがわかります。
幾つかの実技作品とともに具体的に見てみましょう。夏に向けてのモチベーションが上がりますよ。
これはF君の実技です。一浪でしたが模刻は常に高いレベルを維持し、コンクールも模刻は常にトップでした。夏季講習会中に制作したジョルジョの模刻を見ても、正確度、密度とも申し分ないレベルだと思います。
塑造安定のF君でしたが、デッサンでは課題を抱えていました。炭が浮きやすく、画面が決まらない、いわゆる仕上がらない状態と長く格闘していました。夏季講習中もなかなか描き上がらなかったのですが、もがき続けた中で出て来たデッサンがこれ↓です。描きどころを捉え、印象よく描き上げたデッサンになりました。
他にも、デッサンが濁りやすく、調子が重くなりがちだったI君は粘り強く課題に取り組み、夏季講習会の最後のコンクールで素直で明快な調子のデッサン↓を描くことができました。
こちらはT君。塑造の造り込み、説得力は非常に強い一方で、客観性、形の正確性には課題を抱えていました。動物塑造の中で一番形態がシビアと言われる鳩で安定感のある作品↓が造れました。
夏にじっくりと自分の課題に取り組み、一つでもいいので完成した実技として形にすること、これができると東京芸大突破がグッと近づくのかもしれませんね。みなさんも充実した良い夏にしてください!
また、初心者や現役生にとっても、夏季講習での取り組みが今後の制作や勉強の大きな指針になります。
レベルの高い作品が制作される場で、同じ空間の中での制作は、多くのことを肌で感じることの出来る最高の場です。
もちろん初心者や経験の浅い方に、基本的な取り組みや技術的なことなど丁寧に指導もしていきます。
それぞれのレベルに合わせて、自分に合った充実した講習会にしていきましょう!