こんにちは。基礎科です。
2016年度の基礎科の授業も本日がとうとう最終日でした。
2016年度チームによるブログもこれが最後です。
長かったようで、短かったような。。。。。
4月から新受験生も、引き続き基礎科で頑張るみんなも、
一年の思いを馳せながらの締めくくり。
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次の課題はどうしようか?と考えてきた課題も最後。。。
そして最後は各コース専門課題でした。
日本画コースのモチーフは鳥の剥製。
平日コースはカラス。黒がかっこいい!
よく見ると茶色っぽいところ、緑っぽいところ、緑っぽいところ…等々とても色彩豊かな鳥です。
1年間でほんとに上手くなったね!
今年で基礎科を卒業する高2生には竹内先生から直筆のお手紙が!
夜間部に行っても頑張れ!
土日コースはふくろうに…
つぶらな瞳でじっとポーズをとるすずめちゃん。
土日クラスではいつも齋藤先生が生徒と一緒に描いてくれました!
今年の東京芸大日本画入試では、基礎科出身者から現役合格が出ました!!!
おめでとうございます!
来年もいーけーるーかーー!!!
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油絵コースは何やら自分の世界に没頭しているようです。
「私の部屋」をテーマにした絵画表現ってことは、みんなの部屋はこんな感じなのかな?
一年頑張ってきたみんなの表現力、夜間部に行ってもさらに磨きをかけてくださいね!
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回転台の上に白菜なのは彫刻コース。
塑像に取り組んでいます。
葉っぱ作るの大変そう;
大きな量感と細部の細やかさ。。。意外と作りがいのあるモチーフです。
調べてみると白菜をモチーフにした立体作品って結構多いんですよね◎
中里先生も一緒に粘土の粗付けをしてくれました。塑像やると体幹が鍛えられますな。。。
今回は工芸チームも参戦して一緒に作りました!
いつもの卓上での作業よりもフットワークを沢山使って、とても良い経験になったのではないでしょうか?受験生になってもこの経験を生かしてくださいね。
今年も基礎科出身者から東京芸大工芸科に現役合格が出ました!おめでとうございます!
みんなも続こーーー!!!
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街をテーマに平面構成だったのはデザインチーム
面白い画面になったかな?
いろんな視点のいろんな街が並びました。
普段からのインプットが大事だね!
いろんなことに興味をもって頑張っていきましょう!
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今年度最後の講評会はどうだったでしょうか?
来年度から受験科に行く人、基礎科でさらに頑張る人それぞれいると思いますが、
自分自身の目標に向かって精進していきましょう!!
引き続き私たち基礎科スタッフは見守っていますよ。
受験生になる皆さん、是非来年の今頃には良いお知らせを聞かせてくださいね!
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そして、みんなが帰った後のアトリエには、一年間見つめられてきたモチーフたち。。
「フッ 受験科行っても頑張れよ」
貸し出し用の道具や、ネームタグ。
みんなの痕跡を残しながらよく働いてくれました。
何かを生み出すためには、人だけでなく環境や道具もとっても大切ですよね。
新年度も基礎科に集まる皆さんがさらに制作しやすい環境になるようスタッフ一同取り組んでいきたいと思います!
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そして先週の日曜クラスでは、お昼休みに2016年度最後の先生レクチャーを開催しました。
今回はデザイン・工芸担当の小林先生がやりましたよ!
基礎科担当の指導スタッフは、各個人でも制作や作家活動を行っています。そんなスタッフの自己紹介・制作紹介を兼ねたミニレクチャーを時折開催し、今回で今年度7人目となりました。
小林先生は、東京藝術大学大学院工芸科鍛金専攻出身です。工芸技法を用いつつも現代美術の世界で活動をされています。
レクチャーは、昨年参加された美術展に出展された最近作品の紹介から始まりました。
静岡の宿場町の町家建築の中でのインスタレーション。「その間」
「障子に裏から投影している映像は駿河湾を撮影したものです。
この宿場町はかつて今よりも海の近くにありました。
今は海との間に鉄道やバイパス、高い防潮堤があり海を見ることはできません。」
「アルミ制作による作品で民具は昭和前期支那事変の頃のものです。
牡丹は中国からやってきました。現代では中国は勿論、日本でもとっても愛されている花です。
会場となっている町は2014年まで唯一残ったアルミ製錬事業を行っていました。
その土地との関係性もあり小林は普段ほとんど使わないアルミで制作をしました。」
作品の背景にはいろんなストーリーがあることを知ると、より深く知ることができて、より面白いですよね。
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そして話は、東京芸大の学生時代の頃に飛びます。
芸大の古美術研究旅行は、奈良公園のすぐ近くにある芸大付属古美術研究施設に宿泊しながら毎日、国宝や重文を見まくる大変大変贅沢な修学旅行です。
話に出てきたのが、誰でも知っている東大寺の大仏さんのこと。
奈良時代に創建された大仏さんも、地震や2度にわたる兵火で今のお顔やお手は江戸時代修復のもの、創建当時のものが残っているは蓮華座の一部だったりします。
その蓮華座の蓮弁には、創建当時(奈良時代)の線刻の仏画が残されています。
当時の大仏さんはこの線刻のようなお顔をしていたのかもしれません。
そして東大寺と同じ時代、シルクロードを伝って、しかも同じ華厳経が伝わった南方の島、ジャワ島(インドネシア)では、ボロブドゥール寺院が建設されました。その後歴史上から姿を消したボロブドゥール寺院は、200年前頃にオランダ人とイギリス人によってジャングルの下から再発見されました。
東大寺に伝わる華厳経と同じ物語が壁面の石彫レリーフに残されていることを知った小林青年は、古美術研究旅行のあとインドネシアに向かったのでした。
回廊を回りながら下から上に進むにつれて色欲から無色の世界へ。
遺跡はレリーフの物語世界から、円と直線による幾何学的な世界へと変わります。
そして頂上は、悟りの世界を表現していると言われています。
当時の小林青年。シュッとしてる!
幾何学的世界にも意味があるのですね。
作品に幾何学図形を用いることの多い小林先生は、作品を沢山紹介する合間に幾何学的世界の考察についての小話をしたのでした。
いろんなものを見たり勉強することは大事ですね。
そして学生の頃に遡って作品の紹介をしてくれました。
大学院1年の時の草月美術館主催のコンペに出品した作品。
銅板を叩いて溶接で繋ぎながら制作し3点で自立しています。金属ならではの表現ですね。
在学中から画廊での個展を始めます。
厚さが1ミリ以下の真鍮板を叩いて制作した作品です。軽いのでエアコンの風でも揺れるほど。
学生最後に制作した作品の話もしました。
真鍮板に波紋のような起伏が与えられています。
中の写り込みがいろんな表情をしていて面白い!頭を入れて覗いたらどんな風に見えるのか。。。
当時、芸大美術館はできたばかり。初の学生による展示でした。
卒業後も制作を続けていきます。
景色を作品を通して撮影した写真も制作しています。
黄金の宮殿?
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京都の木津川市で展示した作品。
かつて木津川町は興福寺や東大寺など奈良の仏塔・寺院建立のための木材運搬の港で栄えた町だそうです。
群馬県の里山で開催されている美術展での展示。
展示した会場は100年以上前に建てられ48年前に廃校になった小学校。窓からの光によって時間とともに作品の見え方が変化していくそうです。四角い真鍮板には波紋のような起伏の形状が与えられています。
制作の拠点であるスタジオ(工房)の様子も紹介してくれました。
道具が沢山!金槌も沢山!
平面の金属板を叩いて立体にしていく技術を「鍛金」といいます。
本来は器や壺、鍋や薬缶などの実用品製作で発展してきた伝統技法です。
生徒さんと同じ基礎科の頃に描いた木炭デッサンやスケッチブックに描いた自画像を見せてレクチャーを締めくくりました。
普段の実技指導や講評会だけではなかなか聞けない貴重なお話ありがとうございました!
新年度も基礎科先生ゼミ企画していますのでお楽しみに!
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基礎科の春期講習会が、以下の日程で始まります!
3/26(日曜)〜4/4(火曜)
詳しくはこちらでも。
経験者はもちろん、初心者の方やこれから始めてみようと考えている皆様、是非この機会に春季講習会へ参加してみませんか?
基礎科スタッフ一同、お待ちしております!
2017年3月18日(土)〔基礎科〕