先端芸術表現科 2021

A.Oさん

東京
国立筑波大学附属高等学校 現役

合格大学:
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科

 私は高校2年生まで理系の大学進学を志望しており、志望校を藝大に定めたのは高2の年が明けてからでした。どばたに通い始めたのも高3の春季講習からで、それまで美術の授業では努力賞の分の評定しかもらってきたことのない私にとって新しいことばかりの1年が始まったのもこの時期です。
 どばたに通い始めた当初は先生方のおっしゃっていることがよくわからず、ただがむしゃらに課題に向かうことしかできていませんでした。何が作りたい?と聞かれても自分ですらわからないことも多く、作ったものにも納得できない、いや納得すべきなのかすらわからないことばかりでした。最初の転機は夏季講習だったように思います。小論文も制作も、何かが見えてきた気がしたのは。小論文なり制作なりで求められている型のような、方法論のようなものがわかったと「錯覚」したのです。
 今になって振り返ると夏での私の気づきは通過点でした。受験生の生活をマラソンに例えてみましょう。一般大学への受験はゴールまでの道のりが42.195kmだと明示されており、かつ自分が今どこを走っているのかプラカードが出て、さらにはオリンピック記録との差までも教えてくれます。一方で藝大受験で見えていたゴールは給水所までの僅かな距離だけだったのです。しかもやっと給水所に着いたかと思えば、今きた道を戻って次の地点まで行ってくださいなんて言われることもざらで、いつまでも42.195kmに近づいた実感が湧かないままでした。それまで一般大学を目指して勉強してきた私にとって先の見えない状況は辛いというよりむしろ、頑張り方で迷走してしまう事態を引き起こしました。
 一度見つけたはずの型を失い、駄作を量産し、学校のイベントにのめり込む、そんな秋を過ごしたあとに辿り着いた小さなゴールでついに私は、このまま行ければ合格すると感じるに至りました。私だからできる表現や思考方法を客観視できるようになったのだと今になって思います。当時は、単にどばたでの講評会が感触良かった!程度の話だったような気もしますが、合格を予期していた感覚は正しいものでした。そのあとはひたすら制作を続けました。だいぶ自分で自信を持てていた時期にそれを後押ししてくれたのがどばたの先生方で、あの頃の私は、スポーツ選手でいうところのゾーンに入っていたように思います。制作する上で、主観的に欲を持つ自分と、表現としての適切さを測ることのできるもう1人の自分を召喚させていました。2人の私の存在は、どばたの先生方が入塾当初に仰っていた話と通ずるところがありました。ようやく、先生方の話を本当の意味で理解できるようになったのです。
 藝大への受験勉強をした期間は1年足らずでしたが、合格をいただくことのできた理由は、私が今まで生きてきた18年間の全てを糧として受験に臨んだからだと思います。先の見えないマラソンは辛いこともたくさんありましたが、自分を見つめ直すきっかけとなりました。それはそれは面白い時間でした。受験生の方はどばたの先生方、友人、環境を頼って、最大限に活用させてください。迷走も成長も全て受け止めてくれる場所があります。
 私は、常に選んだ選択肢が最善だったのだと考えるようになりました。過去の合格者と同じことをすれば受かるなんてことはありません。あなたにしかできないことを探して、実際におこなっていくこと。藝大で、制作で、表現で求められていることは多分そこにあると、たったマラソン1回を完走できただけの私はそう思います。


お母様のM.Oさん

 昨年の冬に娘が唐突に藝大に行きたいと進路変更をしたのは、理系進学のため順調に準備を進めていただけに、私にとっては青天の霹靂でした。
 たまに美術館に足を運ぶ程度の私は何をどうすればいいのか皆目検討がつかず、ネットで受験科目を調べるところから始まりました。それでもよくわからないので複数の美術予備校で面談をしていただき同じ質問を繰り返しました。「1年で間に合いますか。親子共に何もわからない状態で入塾しますが、お任せしてよろしいですか」
 すいどーばた美術学院で面談をしてくださったチーフの先生の「ちゃんと塾に来てやれば間に合います。お任せください」というお言葉は大変心強く、そして自信に満ちた真剣な眼差しに信頼してみようと背中を押されました。また「ちゃんとやれば間に合います」とおっしゃったのはすいどーばた美術学院だけでした。
 実際に通い始めた娘は、初めての経験に戸惑いながらもなんとかついて行こうともがいておりました。そんな娘に先生方は叱咤激励をしつつ極め細やかに指導してくださいました。またコロナ禍での制作はなかなか思うようにいかないこともあり、計画の変更をせざるを得ない事も度々おこりました。その度に途方に暮れている娘に的確なアドバイスをくださり、すぐに気持ちを切り替え方向転換し制作を進めることができておりました。
 秋を過ぎる頃だったでしょうか。1つ1つ制作を重ねているうちに、娘の物の見方が変化しそれが自信に繋がっていることが感じられ、成長していく過程を見ることができ大変頼もしく思ったこともございました。

 1年弱の準備にもかかわらず合格をいただいたのは、先生方の温かいご指導に他ありません。私は何もアドバイスができませんでしたので先生方を信じ、先生方についていく娘をじっと見守っているだけでした。すいどーばた美術学院で学んだ事は、大学だけでなく娘の人生の糧になることでしょう。チーフの先生をはじめ先生方を信頼して本当に良かったと大変感謝しております。ありがとうございました。

N.Kさん

東京
都立総合芸術高等学校 現役

合格大学:
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科

私は高二の春から先端芸術表現科クラスに通い始めました。
正直に言って、私はまじめに通っているとは言えない生徒であったと自覚しています。
通っている高校が美術高であったこともあって課題の多さについていけなくなりました。
というのは表向きの言い訳で、
実の所、他の生徒の作品のしっかりとしたコンセプトに対して自分の作品のコンセプトの弱さ薄さに打ちのめされて行きたくなくなってしまったからです。
私が美術をする人と関わっていて感じることとして、家の事、精神の事、性の事、何かしらを抱えている人が多いということがあります。そしてそれらが多く作品として制作されます。
私は今まで何か大きな問題と対面したことはなく、はっきり言って、のうのうと幸せに生きてきました。(それは別に悪い事ではないのですが)
だから他の人が他者と問題を共有するような、私からしたら深い作品を作る中で、私には他者と共有するような問題がない。だから深いものが作れない。と、とても不安になりました。それで大泣きしたことだってあります。
そこから半年ほど自分が何をしたかったのか何を作りたかったのかわからなくなりました。
そんな時期、先生と沢山話をしました。
そしてわざわざ不幸を探る必要はない、幸せを作りたいなら幸せを作ればいいんだ。と気づきました。
すごく当たり前の事だけれどひとりじゃ中々気づかない事なんです。
私は、私の望むことを「すればいいじゃん。」と言ってくれた先生にとても感謝しています。
したいことをやっと見つけて、ようやく方法を考える段階になりました。
方法も沢山相談しました。
知識を沢山貰いました。
言葉をあまり知らない私に的確な言葉を教えてくれました。

先端科に入ってすぐ私と同じような形で悩む人は少なくないんじゃないかと思います。
明るい作品作る人ってあんまりいないのでこれでいいのか凄く不安になります。
想像力には自信があったはずなのにいざ作り続けましょうとなると急に何も出来なくなるんです。
しかも周りにいる人すごく頭いいんで、それもまた不安になります。
結果的に私がちゃんとしたい事に向き合うまでに何も出来なかった時間を含めるとほぼ丸々1年かかったんじゃないかと思います。多分高校3年生から通ったら受験に間に合わなかったと思います。
だから入る事を考え始めたら早めに通い始めることをおすすめします。
早めに入って、もし作れなくなっても沢山話をすることを止めないのが1番いいと思います。

1次はデッサンを選択しました。
デッサンに関しては先端科の中では圧倒的な自信がありました。
自信があったのですが、2年生の頃に描いた自画像を見ると下手くそで、ちゃんと成長してるんだなと思いました。
私が個人的にして、これが影響したなと思う事は、
自分がずっといる場所にドレッサーを置いたら、行動してても1日の内18時間くらいずっと自分の顔を見ることになったことと、
1回30時間くらいかけて写真に撮って白黒にした自分の顔を硬い鉛筆でひたすらカリカリ細かく描いたこと(これやったら急に顔とれるようになりました。)です。
正直他の人がどんな対策をしていたのかわからないのでこれと言って的確な事は言えないのです。
直前1週間は授業後の3時間は必ず残って自分の思うその日の失敗を重点的に練習、描き出しの練習をしました。
本番結局顔は描かなかったけれど、授業で毎回違う課題を出してくれるのでとても発想の参考になりました。
皆で同じ課題に取り組むと、誰ともおなじことをしたくないという感情が生まれるので短時間でありきたりでない面白い構図が思いつくようになった気がします。

最終的にポートフォリオにまとめるのは自分の性格を考え判断した上で、ほとんど自力でまとめる選択をしたのですが、作品を作る際に先生と話して出たピンとくる言葉がとても重要なものになりました。
話すこと、めっちゃ大事です。
デッサンは自力であげるつもりでプライドを持って描くの大事です。

最後に
私は、合格したのに自分の努力量の足りなさに後悔しました。勿論嬉しかったです。でもはっきり言って、やり切った!私がんばった!という気持ちが出なかったのです。
ポートフォリオを見返して、もっとこうすれば良かった、こんな風に作り込めたはずだ、もっと理想的なものがあったはずだ、やる時間はあったはずなんだと色々湧いてきてまた大泣きしました。

悔いのない受験になりますように。作るものにちゃんと愛を持てるように。

R.Kさん

東京
都立総合芸術高等学校

合格大学:
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科

 私は元々は芸術系の高校で演劇を専攻していたのですが、名付けられた枠の中で表現を行うことに対して抵抗を感じていました。一度は表現することから距離を置こう思い、一般大学に進学したものの、やはり自分は表現することが好きで、自分にとっての表現とは何かということをもっと探求したいと思い、先端芸術表現科を受験することを決意しました。
 
 私は一般大学に在学しながら、受験勉強を行いました。コロナの影響で外出することができなかったため、前期は大学の授業もどばたの授業もオンラインで受講していました。後期からは通学できるようになった為、大学を休学し、受験勉強に専念することにしました。また、学科対策のために8月頃から個別指導塾に通いました。
 どばたを選んだのは、元々名前を知っていたことと、入塾前の面接の時に、受験生としての私というよりも、私という人間がどういう存在なのかということを見ようとしてくれているように感じ、とても嬉しかったからです。そして実際に授業においても、どばたの先生方は一対一で真摯に向き合って下さいました。受験という枠を超えて、今、自分は何を求めているのか、どうしてそれを求めるのか・・・。考えること自体が怖くなることもありましたが、先生方のサポートのお陰でちょっとずつ前に進んでいることを実感できる時間でした。

 どばたで私は、作品とは決してそれ一つでは立ち上がることのできないものだということを学びました。作品は人や時間、様々な関係性の中で立ち上がるものであり、そういった関係性の中で泳ぐことに私はいつの間にか夢中になりました。気付けば私は自分という存在が良い意味で曖昧になっていくように感じました。
 どばたで過ごした一年間は、私にとって、自分が自分であることを知る時間だったように思えます。どうしてそれが必要なのか、まだはっきりと分かったとは思えません。ですが、知りたいという気持ちを素直に表現することで、生きている瞬間を作ることができるのかもしれないと感じています。私はこれからも、表現することを通して、自分を存在させていきたいです。

 こうして目標達成することができたこと、そして、好きなことと一緒に過ごすことができているのは、どばたの先生方や両親など、偏に支えてくださる方々のお陰様だと実感しています。いつも本当にありがとうございます。

Mさん

合格大学:
東京藝術大学美術学部先端芸術表現科

私はオンラインコースの小論文対策ですいどーばた先端科にお世話になりました。
先端の受験において、まず、小論文を通過しなければ行けないのですが、私は文章力にかなり自信がなく、悩んでいたところでした。
一般大学の小論文もろくにわからないし、書けないのに、先端の小論文なんて、何を求められているのか明確にわからず、余計に困っていました。
迷いに困ったものの、どうすればいいかという手段もわからずにいました。
そんな中、オンラインで小論文の授業を受け始めました。
まず、初めての授業の時に、小論文とは何か?何が大事かということを包み隠さず全て教えてくれたのを覚えています。
その大事なポイントは、受験する上でとても大切なものになりました。
軸みたいなものを教えてもらったおかげで、何回も思い出し、立ち戻れたように感じます。
そして、オンラインにも関わらず、先生方がとても話しやすかったのを覚えています。
授業は一対一の個別指導が基本で、小論文を書くにおいて、自分の制作のことも重要になってくるのですが、制作についての言語化や、制作についてではないことも、いろんなことを話しをさせてもらい、向き合ってもらえたと感じます。教えてもらってるというより、「一緒に考えてくれてるな」という印象を受けました。

すいどーばたの小論文は、面倒見がよく、「できない」自分に合わせてくれます。
そして、できなくても、よいところを見つけて褒めてくれます!
自信がつきますし、やる気も出ました!
自分の向上心ももちろんですが、先生も一緒に引っ張り上げてくれる感じがしました。
丁寧さ、明確さ、面倒見の良さ、優しさ、ダントツです!!
ありがとうございました。
大変お世話になりました。