先端芸術表現科 2019

山田 知江美 さん

静岡
県立浜松北高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科
武蔵野美術大学 芸術文化学科

私は昨年度も先端芸術表現科を受験し、1年間の浪人期間を経て合格を得ることができました。現役の時も、高三の秋からどばたの通信生としてお世話になりました。もし先端を目指すなら、早い段階から東京の予備校の講習に参加し、他の生徒と切磋琢磨できる機会を作った方が良いなと痛感したものです。地方は藝大、ましてや先端を志望する人自体が少ないので、東京に来るのと来ないのとでは得られる情報量が格段に違います。

浪人生となってからは、地元の静岡県から日曜日にどばたへ通うことで、様々な実習を通し、自身のメディアに対する理解を深められました。また、定期的に講評会が行われるため、それに向けて制作に対するモチベーションを保てたように思います。他の受験生との対話を通し、得られることもありました。
授業が終わってからは、地元に帰る前に美術館やギャラリーに行くようにしていました。そこで様々な表現方法やコンセプトの構築方法を学ぶことができ、制作もしやすくなった気がします。小論で受験する人にとっては、文章を補強する引き出しを作ることもできると思います。

講習会の時は、学生寮に宿泊して参加していました。夏季は多くのワークショップが設定され、改めて自身の興味を探求したり、得意分野を発見したりするきっかけになりました。冬季はこれまで学んできたことを元にもう一度制作に真っ直ぐ向き合う機会になると思います。

先生方は、制作に行き詰まっても今疑問に感じでいることを作品化するために参考になる例や思考の手段を一緒に考え、与えてくれます。格式ばった指導ではなく、ラフな会話を通して生まれてくる感覚があったので、楽しんで通うことができました。

何を作ったらいいかわからないけれどなんとなく自分がやりたいことと先端が合っている気がするという人がいると思います。私もどばたに通う前はそんな感じでした。しかし、不安になることはなく、ワークショップ、講評会、他の受験生との会話、展示への訪問を通して見えてくるものが必ずあると思います。あるいは、先生方が親身になり的確なヒントを与えてくれます。制作に対する意欲と根気さえあれば、やがて制作との向き合い方がわかるようになると思います。

受験の合否に関わらず、どばたでの生活は貴重な経験となりましたし、美術について以前より深く考えられるようになったことは大きな成長だと思います。そういったことを感じられるどばたで受験期を過ごせて良かったです。ありがとうございました。

熊谷 優里 さん

埼玉
県立川越女子高等学校 現役

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科

高校3年生の春からすいどーばた美術予備校先端芸術表現科クラスに通い始めました。
入りたての頃は、毎週出されるさまざまな課題についていくのに必死で、自分自身に向き合う時間を十分にとることができませんでした。しかし、課題を短いスパンでこなしていくことは、基礎的な知識やメディアの扱い方などの、作品制作の基盤となる美術のリテラシーを短時間で高めることに繋がったと思います。夏から秋にかけては予備校の生活にも慣れ、自分らしくのびのびと制作をすることができました。冬になり受験が近づくと、今までのような制作が途端に難しくなり、悩む事も増えましたが、わたしの個人的な苦悩にも講師の先生方は真剣に向き合ってくださいました。そのおかげで、受験直前まで継続的に作品を作り続けることができました。

どばたに通う以前も細々と独自の制作活動を行なっていましたが、細かな技術を習得する事にあまり興味がなかったため、美術系の学校、美術系の部活、絵画教室などに入ったことはなかったし、大学も普通大学を受験するつもりでいました。しかし、自分のアイデアを頑張って形にしても誰もちゃんと見てくれる人がいないという寂しさが募っていき、藝大の受験とどばた先端への通学を決めました。今まで周りに居なかった、自分の中にある混沌としたアイデアに耳を傾けてくれる人たちの存在が、本当に嬉しかったです。そのような素直な喜びが作品制作において大きなモチベーションとなっていました。

わたしは受験生でありながら、自分が受験生であるということをあまり意識することはありませんでした。自立した一人の作家としての意識を持つために、ひとつひとつの作品がどうしたらよいものになるかを考えることで一生懸命だったのです。受験生活を振り返ると、そのような心構えが大切だったように感じます。先端の受験においては、受験の先に広がるもっと広い世界を相手にするような心意気と、目前にあるひとつの作品に対して誠実に向き合っていく真摯な姿勢、その二つを両立しながら取り組んでいくことが重要かもしれません。どばた先端にはその二つの力を養う環境があるのだと思います。

菅沼 杏 さん

東京
都立日比谷高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科

私は1浪した後、夏季講習からの半年間、どばたの先端科にお世話になりました。
先端科を目指したのは、様々な媒体を使った表現方法を学べる先端がまだ将来やりたいことを絞りきれていなかった私にとって魅力的であったからです。
今振り返ってみると、人より大分遅くの芸大先端志望だったので、ぎりぎりまで粘ることになりました。9月まではどうやって自分の作品を作っていけば良いかわからず、課題だけをひたすらこなしていました。このままでは合格できないと漠然とした不安を抱きつつ、誰でも課題をしっかりこなしていければ、自分がやりたいことを見つけられるようになるという先生の言葉を信じて作品制作に励みました。試行錯誤のうちにだんだん自分の作品の傾向がわかってきて、「完成させた」と言える作品が増えていきました。その中で自分の問題意識や作品にできそうな素材を見つけたりしたら必ずメモを取っておきました。
 12月の冬季講習から1月の入試直前講座にかけて、そのメモを作品として形にしていく作業をしました。追い込みでいくつも作っていく中で何度か壁にぶつかりましたが、先生方と話すことで解決方法が見つかり助けていただきました。
 1次試験はデッサンを選択したのですが、私はもともと上手い方ではなく5時間半画面に向き合い続けることだけで疲れてしまう人間でした。何枚も練習する中でなによりも本番に向けてデッサンに集中し続ける体力がついたと思います。私は席から離れて遠くから画面を見るということを何度も行い、気分転換と共に冷静に自分のデッサンを見ることができました。本番は今まで使っていたガーゼや擦筆などの画面をこする道具の使用禁止、さらに石膏と虫眼鏡と自画像いうモチーフの多さなど予定外の出題に驚きました。しかしどばたで何枚も描いてきたことが自信につながり、冷静に対応できたと思います。
 芸大先端はポートフォリオやセンター試験、デッサン/小論文、立体、面接と試験科目が多く受験も長期にわたり、精神面をカバーするためにもどばたに通っていて良かったです。大事なことは、自分にとって最良の予備校の利用の仕方をすることだと思います。予備校では合格することが目標なので、精神面や体力面などと相談しながら受験を乗り切ることが大事だと感じました。

古池 安由実 さん

東京
私立女子美術大学付属高等学校 現役

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科

私は高校2年生の秋にどばた先端の体験授業に行き、その年の冬季講習から受講を始めました。
美術大学付属の高校に通っていた為、外部受験をする人はクラスに数人いるかいないか程度でした。周りの子達が進路が決まり遊ぶ中、国立受験は最後の最後まで走り続けなければなりません。頭では分かっていても実際に体験すると本当に長く感じます。
予備校が楽しい場所だった事が受験期において、非常に救いだったなと思います。他の科との合同授業があったり、ゲストの作家さんを招いてのワークショップがあったり、毎回の授業に新しい発見があったので常に明るい気持ちで通うことができました。
先生方の1人1人に合わせた講評・アドバイスが自分が生徒である前提は変わらないのですが、先生方も制作者なので他人事で講評しているわけではなくて、同じ土俵から「舐めんなよ!」と愛のある牽制といった感じで厳しく講評してもらえた気がします。個人的にはその感じがとても良かったです。また、近すぎず遠すぎない良い距離感だったのもあり、自分にとっては気軽に制作相談が出来たなと思います。
自分では言語化出来ていなかったものが受験生同士の会話や、先生方とのやり取りの中で鮮明になっていく空間だったように思います。これから大学に入っても、どばたでの経験を生かしてより一層頑張っていきたいです。

中川 琉那 さん

東京
私立桐朋女子高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科
武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科

私は現役の頃はデザイン科を志望していましたが、浪人が決まり新年度が始まる3日前に転科を決意し、4月から先端芸術表現科志望としてどばたで対策を始めました。

すいどーばた美術学院での先端芸術表現科のカリキュラムはとても充実していました。
初めは右も左もわからず不安なことだらけでしたが、制作を通して様々なメディアの特性を学ぶことができました。
講師陣も現役の作家として活動している方々なので、講評ではそれぞれ違った視点や価値観で作品に対して客観的に指導してくださり、自発的な発見や改善を促してもらえました。
毎回の授業が新鮮で新しい学びや気づきがあり今まで見えていなかった世界が広がりました。友達の作品を見る事も刺激になり常に自分を高めようと思える場でした。

どばたで過ごした時間は受験という垣根を超えて人生においてもとても実りのあるものになったと思います。
私を支えてくれた家族と友人、ならびにたくさん学ばさせていただいたすいどーばた美術学院の先生方、本当に感謝しております。お世話になりました。

これから受験なさる皆さんも自分なりの学びが沢山得られると思います。自分を信じて負けずに頑張ってください。どばたにはそれを手助けしてくださる先生方がいると思いますよ。応援しています。