先端芸術表現科 2020

清水 陽菜さん

大阪府
府立清水谷高等学校

合格大学:
東京藝術大学 先端芸術表現学科

私は一年の浪人を経て東京藝大の先端芸術表現科に合格することができました。
どばたには高校三年の夏から通信教育生としてお世話になり始め、浪人生となってからも引き続き通信教育と夏季と冬季と入試直前の講習会を通して対策をしました。

私が受講していた通信教育コースでは、定期的に出される課題を自分のライフスタイルに合わせて進めることができるので、東京を訪れることが難しい状況でも対策をすることができます。月一回のビデオ通話はもちろん、メールなどで制作の相談をしながら自分なりに工夫をして課題をこなしていました。メールを送る際、制作した作品のコンセプトを自分で噛み砕き文章化していたことがポートフォリオ編集の場面でとても役立ったと思います。
ですが、通信生は本校生(=すいどーばた美術学院に通学できる学生)と比べて作品制作を行う生の空気感に触れる機会がどうしても少なくなってしまいます。そういった時に、夏季講習や冬季講習などで東京へ赴く機会を積極的に作ることを強くおすすめします。
講習会では、遠方から集まった現役生、浪人生たちとグループワークを通して制作をしたり、他の人の作品や講評を見ることができます。みんな同じ先端受験者でありながら、それぞれが全く異なった視点、思考、表現方法を持っているので、お互いに刺激を与え合う環境でこそ体感できることがあります。講評後に友達とお互いの作品について話し合たり、新作を見せ合ったりして作品制作を楽しみながらできたことが心の支えになりました。

しかし、作品を作る中でいくつもの壁にぶつかり、何がなんだかわからなくなる時も何度もありました。そういった中でも先生方は、私の漠然とした不安に対して1つずつ丁寧に向き合っていただきました。形式ばった指導ではなく、とてもラフな会話を通したものだったので、肩の力を抜いて制作を続けることができました。
一次試験においては、本番2ヶ月前に1年半対策を続けていた素描から小論文に変えるという無茶をしました。周りに比べて圧倒的に経験不足だった為不安と焦りが生じ、試験当日2日前にどばたのアトリエで大号泣してしまったこともあります。しかし、先生方の適切な指導の下で添削、やり直し、添削、やり直しを繰り返すことで不安の中でも力をつけることができました。

そして、どんな時でも常に私の意志を尊重していただけたことが何よりも嬉しかったです。
受験に限らず「自分がどうしたいのか」という1つの軸を持つことが鍵となります。自分は何を表現したいのか、どう表現するのかという問いに何度も向き合うことで自然と浮き上がってくるものがあると思います。どばたは、そういった表現や自身への問いを与えてくれた場でした。これからも学んだことを糧に頑張っていきたいと思います。ありがとうございました。

お母様の清水陽子さん

美大受験を決めた高2の秋、幼少から絵が得意でしたが美術の基礎はなく慌てて地元の画塾へ。藝大に進路を変えた高3の夏。毎年合格者多数の実績から「すいどーばた通信講座」の受講を決めました。初めて親子で上京し面談の中で合格のノウハウを知りました。
初受験は2次で不合格。親として心配が尽きませんでしたが、先生から「責任を持って面倒をみます」と100%信頼させる強い言葉を頂き、全てをお預けしました。
浪人生活は充実していました。通信講座と併用して夏・冬・直前の講習、合間に地元の画塾。沢山の読書・展覧会に惜しみ無く足を運んでいました。作品作りの為に、両親祖母、友人、地域住民までも巻き込み、親が驚くほどの行動力と意欲を発揮していました。
どばたを選んで良かった…娘は勿論ですが、先生方を信頼できたからです。親の役目…必要な事を負担なくスムーズに行える準備をしてあげる事。信じて見守る事が全てではないでしょうか。
最後までご指導頂き本当にありがとうございました。

松村 真咲さん

兵庫
私立愛徳学園高等学校

合格大学:
東京藝術大学 先端芸術表現学科

私は実家が遠方であったため、夏季や冬季などの講習会に参加した以外は、通信教育でどばたにはお世話になりました。
 
現役の時、私は「なんでも出来る科だから」という漠然とした理由で藝大の先端芸術表現科を志望し始めました。なんでも出来るということは、自分が何をしたいのかをしっかり把握し、選択してゆく必要があるということです。しかし当時の私は本当にやりたいことがわかっておらず、ただ「表現方法を縛られたくない」という気持ちがあるだけで手を動かせずに終わってしまうことが何度もありました。学校の授業に加え部活をしていたので、作品制作に割ける時間を多く作れなかったことも手を動かせない要因のひとつであったと思います。作りたいのに作れないジレンマを抱え1人で悶々とする時間の多かった私にとって、的確かつ率直な意見をくださる先生方とのコミュニケーションは、ある種希望でもありました。
 
私のような地元勢は、制作について気軽に相談できる人がまわりにいません。なので、通信でのビデオ通話の時間をいかにして有効に使うかがスムーズな制作に繋がる気がします。制作についての具体的な相談はもちろんのこと、1人で何をしたらいいのかわからなくなった時もひとつひとつ丁寧に話を聞いてもらえたことで、「頑張ろう」と思えた時が何度もありました。講習会に参加した際には、先生方や友達との日々の会話などで感じたことや思ったこと、講評会で言われたことなどを全てメモし、地元で見返して本校の空気感を思い出すようにしていました。

まわりに同じような活動をしている仲間がいないと本当に孤独を感じます。制作に対してのモチベーション維持が大変だし、東京と比べると美術館などで見られる展示会も少ないため、得られる情報量が圧倒的に少ないです。しかし地元勢の強みとして、制作の場が豊かということがあります。頭の中や机の上で完結させるのではなく、実際に外に出て観察したり実験したりすることで得る気づきやアイデアはのちにその作品の核となったりすることもあるので、地元ならではの豊かさを武器にしたサイトスペシフィックな(=場所に即した)作品制作を心がけてみることも手なのかな、と思います。
また、先端は受験と言えども対策自体が特殊なため、それを知らない人達から「受験期なのに遊んでいる」と勘違いされ、心ない言葉をかけられたりすることもありました。ショックでより一層孤独を感じましたが、その逆境に打ち勝つほどの欲望や興味があったからこそ、ここまで来られたのだと思います。
 
対策をする上でつまずいたり悩んだりすることは多々ありますが、どばたにはその問題を確実に解決へと導いてくれる力があります。投げ出したくなるような時もあるけれど、その気持ちも全部受け止めてもらえる環境があります。やり方に正解はありません。落ち着いて、ただ自分のやりたいことだけを真っ直ぐ見据え、丁寧に、妥協せず取り組むことが合格への近道なのだと思います。