先端芸術表現 2018

三宅 珠佳 さん

宮城
県立仙台二華高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科

  私は昨年度筑波大学の構成専攻を受験した。仙台で浪人生活を送り、夏ごろに先端芸術表現科に志望を変更した。
すいどーばた美術学院には夏季講習から参加し、その後は仙台の美術予備校に加えて通信講座を受講していた。

   この合格体験記には、私が一年間浪人して良かった事、上京しすいどーばた美術学院に来て良かった事、その他大変だったことを書いていく。

  まず、浪人したことについて。三月まで高校生だった私は四月に急に無職になった。
幼稚園、小、中、高と、今までは何かしらの肩書きを持っていた私は、自らの状態に戸惑った。
もし今私が事件に巻き込まれたら、「三宅珠佳  19才(無職)」というテロップが流れるのだと繰り返し考えては途方にくれた。
しかし、次第に何者でもない自己と向き合い、私は何なのかを考えるようになった。
また、時間に縛られなくなった私は本を多く読み、いくつかのアートプロジェクトにも参加した。
まとまった時間を持てることは今までほとんどなかった為、貴重な体験をすることが出来た。
浪人生の方は、ぜひ部屋を出て外に出向いてほしいと思う。新しい経験が出来る良い機会だ。

   次に、上京したことについて。私は夏季講習に行くにあたり、両親と大いに揉めた。
作品を制作するのは何処にいても同じというのが親の言い分で、資料を用意してプレゼンを繰り返し、やっと講習に参加できた。
結論から言うと、東京に行くのと地元で制作をするのとは全然違った。

 仙台では、先端を受ける人が私しかおらず、自分を計る尺度は自分しかなかった。
東京には、周囲に先端を目指す人がいて、私とは違う考え方をする人がいる。
互いの作品を鑑賞し合うことは、生身の人間と触れ合って自分の輪郭を知るような行為だ。これはすごく刺激的だった。

   この一年で、私は受験の合格以上のものを得ることが出来たと思う。
1つは1年間かけて、自分や、表現することに向き合えたこと。もう1つは尊敬できる先生方や友人に会えたことだ。
すいどーばたに行っていなければこの出会いはなかっただろう。

この1年間、私と関わってくださった全ての人に感謝しています。ありがとうございました。

三明 由依 さん

大阪
府立港南造形高等学校 現役

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科

 冬季講習からすいどーばたで先端芸術表現科の対策を始めました。

私は形にすることに躊躇してしまいがちでした。
イメージはあるけれどとても流動的に次々と溢れてしまうのです。
なので気づけば最初のコンセプトとズレてしまい、つじつまが合わなくなってしまうことがありました。
また遅れて講習を受けたので周りと差ができており、自分に自信を持てませんでした。

ですがボロボロでもモノにできた時はとても楽しかったし、先生からきついコメントを言ってくれる、その反応があることが素直に嬉しかったです。
形があるからこそ得られるものであり、先生方のサポートや学ぶ環境があってできたと思っています。
短期間ではありましたがありがとうございました。

松橋 和也 さん

新潟
県立高田高等学校 現役

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科

 私は高校二年生の夏からすいどーばたの先端ゼミを受講しました。
遠方に住んでいたので普段は通信講座を受け、高校が長期休暇に入ると東京へ出てきて講習会に参加する、という形でした。

 地元の高校では「先端芸術表現科」でどんなことが学べるのか、受験に際してどのような対策が必要なのか、といった情報を得ることが非常に難しかったと感じています。
大学のホームページを読んだだけでは分からないことが、どばたに足を運ぶと分かったりします。
そうして情報を得ることで、少しずつ先端を目指す上でなすべきことをイメージできるようになりました。

 通信教育ではメールなどを用いて課題の添削指導や制作相談をしていただいていました。
先端を目指す人が集まり同じ場で制作する本校での授業とは違って、地方での制作は意識して制作のことを考えていかないと、日常生活に飲み込まれて、つくることを続けるのが難しい気がします。
日々行われる高校での授業や部活に平行して作品制作をするのは大変でしたが、通信でどばたとのやりとりがあったことで制作のペースが保てました。
些細なことでも、どばたにメールを送ることで自分の考えたことや作品のプロセスの記録として後々に役立ったりもします。
 また、各講習会も毎回実りのあるものでした。
少しでも多く何かを吸収しようと貪欲な気持ちも持つことができたのは、どばたが新たな発見をできる環境だったからだと思います。
他の受験生や講師の先生といった他者がいることで、自分だけでは気づけなかったことに目を向けることができました。
 大学受験のための予備校として機能するのはもちろんですが、どばたは受験というだけではないより豊かな経験を提供してくれたな、と今は感じています。

湯田 冴 さん

東京
都立桜修館中等教育学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科

私は一年浪人して先端芸術に合格しました。

現役では藝大のデザイン科を志望していて、浪人の夏までまたデザイン科を受験するつもりでした。しかしデザイン科の対策のためにいわゆる受験絵画を描いているうちに、もっといろんなメディアを使って制作がしたいという思いが強くなり、先端芸術表現科に志望を変えることにしました。
もちろん沢山悩んで決めたことで、一年強対策を続けたデザイン科から対策のやり方の右も左もわからないような先端芸術表現科に、ましてや夏から変えることは自分でも無茶をしたなと思います。

夏から本格的に先端の対策を始めたので、私の場合は作品数が周りに比べて圧倒的に足らず、そこでとても苦労をしました。作品の組み立て方やコンセプトも未熟で、追いつくのが大変でした。それでも先生方や予備校の友人たちに支えられ、なんとかポートフォリオをまとめ上げることができました。

これから先端の受験を考えている人はなるべく早く作品を作り始めることを強くおすすめします。私はポートフォリオの提出期限ギリギリまで制作を続けて、極寒の野外で作品の撮影をしたり、ポートフォリオの編集で連日徹夜をするなどかなり無理をしてしまいました。直前になってポートフォリオの構成を大幅に変える決意をして、一ヶ月以上の時間を割いた作品をポートフォリオからなくして落ち込んでしまったこともありました。
なので本当に早くから制作を始めてストックを増やしておくと心にも余裕が出て、落ち着いて一次や二次、センター試験の対策ができます。

最後に思い切って先端芸術表現科に変えて本当に良かったと思います。何よりも視野がものすごく広がりました。あのままデザイン科の受験絵画を続けていたら出会わなかった世界がありました。これは私の人生において大きな収穫になったと思います。先生方も親身になって一から指導してくれるので、私のように全く違う畑から来た人でも大丈夫です。頑張って下さい。応援しています。

福間 靖悟 さん

神奈川
私立三浦学苑高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科

私は私立の音楽大学の作曲学科を卒業してから、さらなる横断性のある作品を作りたいと考えるようになり、先端芸術表現科の受験を志しました。

大学を卒業してから1年後の春にどばたに通うことを決めたので、大分年が離れた子たちに囲まれることを覚悟していたのですが、私が通った時は思いの外年齢にばらつきがあり、特に年齢を気にすることなく通うことができました。

どばたでは夏季講習までの時期は写真集や映像を制作したり、パフォーマンスの実習があったりと、様々なメディアに触れることでそのメディアが持つ特徴を理解していきました。そのメディアと自分が持つ感性との相性を考えながら様々な試みができたことが、その後の制作に役に立ちました。
また、一回でも作る側の視点に立つことで、展示などを観に行った際に作品の見え方が変わってくるのも良かったです。モチベーションの向上にも繋がっていきました。

年齢に幅があったのがよかったのか、どばた生のみんなの作品にもとても個性があり、講評会の時も他の人の作品を見てとても刺激になりましたし、純粋に見ていて楽しかったです。

しかし、もちろんこの1年間楽しかったことだけではありませんでした。入試の際に提出するポートフォリオの制作時期に入ると、「自分が作品を通してやりたいこと」について真正面から向き合わなければいけないので、悩むことが多くなります。
自分探しと就職活動を一緒にやっているような感覚で、日々自己追究をしていました。
ポートフォリオを作り始めた頃に、「まだ自分の持ち味や作品の一貫性が見えてこなくても、作品を並べてみたら見えてくるよ」と講師の方にアドバイスをいただきました。本当にその通りで、ポートフォリオの制作を続けていくうちに作っていた時には気付かなかった部分や、作品同士の共通する自分が大事にしている部分が浮かんで見えてきました。
私はギリギリまで迷いながら制作していましたが、ポートフォリオがいざ完成した時は自分の作品の中の”軸”がはっきりと見えてきたように思えて、「合否がどうであろうと、このポートフォリオを作り上げることができてよかった!」と晴れ晴れした気分でした。
そのおかげか、1次、2次の実技試験では変に緊張することなく、堂々としていられたのがいい結果に繋がったのだと思います。

そこまで自己追究ができる環境とサポートがあって本当によかったです。1年間お世話になりました。

堀 蓮太郎 さん

奈良
私立東大寺学園高等学校 現役

合格大学:
東京芸術大学 美術学部先端芸術表現科

 私が先端科を志望したのは高2の秋頃に藝大の展示を観に行ったのがきっかけでした。
 芸術自体には中学の時から興味があって、漠然と地元の芸大に進もうと考えて対策していました。
しかし、通常の美大対策におけるデッサンや色彩、立体などと限られた表現を永遠と作り続けていく日々の中で、私が今後目指したいのはもっと広がりのある作品制作であると感じるようになりました。
そんな中で、幅広い活動を行い制作をしている先端芸術表現科の学生の作品を直接観れたのは非常に刺激的でした。
そこで私は、高3になるのを機に地元の画塾をやめ、どばた通信生に移ることにしました。

 通信生としての受験生生活はとても楽しいものです。
自分のペースに合わせながら課題をこなし、また作品制作に関しても展示場所や規模など自由に決められます。
決められた日に塾に通うのではなく、自分で律しながら対策や制作を行えるので周りの人に影響されないオリジナリティーを育めたと感じています。
また、ハングアウトによるネット上での面談もあるので遠方にいる通信生としてデメリットは全く無いようにも感じました。
休暇中の上京は大変でしたが、講習期間はとても刺激的で日に日に作品が良くなっていく印象を受けました。

 私が後輩に伝えたいことは、とにかく展示に行きまくれ!!!ということです。
私は京都に住んでいたので東京ほどギャラリーや美術館は多くありませんでしたが、京都以外の遠くにある美術館にも足繁く通い、自分の気になった作品や作家を徹底的に調べて記憶しました。
時にそうした作家の作風に似てしまうこともありましたが、自分の作品と他人の作品との比較というのは良い制作ができるようになるために必要不可欠であるように感じます。
私の場合は、夏期講習まではあまり制作の経験値も作品鑑賞の量も少なかったので、まともな作品が作れていませんでした。
しかし、夏期講習中は唯一の休みである日曜日も朝から関東各地のギャラリー、美術館に行きまくりました。
その甲斐もあってか夏以降の作品は、制作のスピードとクオリティがどんどん上がっていったように感じています。

 先端芸術表現科を目指すということは、未知との出会いの連続です。
独特な入試方法、受験生生活。
決められた科目の勉強を進める通常の受験生とは全く異なり、何を制作すれば良いのかは全て自分次第です。
初めは分からないことばかりだと思いますが、ギャラリーや美術館に通うなり自分の興味のある本を読むなり、生活のあらゆるものが制作のヒントになり、それが自ずと受験に繋がってくるのです。
どばたは何もわからなかった私にそうしたことを教えてくれました。どばたで対策できたことを本当に嬉しく思います。