映像科 2020

内田果恋 さん

東京
大妻嵐山高等学校 現役

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科
東京造形大学 造形学部 デザイン学科 アニメーション専攻
東京工芸大学 芸術学部 アニメーション学科

個性を深め、感性を培う場所

すいどーばた美術学院映像科に通おうと決めたのは、高校2年の春でした。先生の薦めで高校1年生の頃から基礎科に通っており、どの大学のどの学科を進路にするのかは決まっておらず、その時は、漠然とこれから先も絵を描き続けていたいと考えていました。そんな中、基礎科の昼休みに、先端科、建築科、そして映像科の講師からの説明会がありました。プロジェクターに映し出される卒業生の作品を観て、美術の世界には映像という表現もあるのだなと、映像という表現の強さを感じ、高校2年生の夏期講習、初めて映像科の講習に参加してみました。通う前は、時間の流れを持つ映像というジャンルを、どう学んでいくのか、どう向き合うのかもよく分かっておらず、物は試しという気持ちでいました。

講習を受けまず驚いたのは、映像科はデッサンで重要なモチーフを上手く描写する力よりも、自分の感性や世界の見方に沿って制作する力が重要だということです。自分の感性や感じ方というのは、目の前のモチーフを描写するデッサンにはあまり必要な力ではありません。イメージ表現や感覚テストを作ることで、今まで描写だけをしてきた自分に、何を作りたいのか?どんな事をどんな視点で見て、そして何を感じているのか?という、私自身の個性について深めていくようなカリキュラムでした。この時は、まだ自分の物の見方や感性に向き合いきれず、依然漠然としたまま講習を終えました。

高校三年生になり、春から受験生として映像科に通い始めました。武蔵野美術大学の映像学科の受験科目は感覚テストが挙げられますが、一学期は感覚テストを殆ど制作しませんでした。一学期の主な授業は、イメージ表現、作品研究、そして実際に映像を制作する映像実習です。当時は感覚テストの授業が無いのを不思議に思いましたが、今思えば、一学期は映像における基礎的な考え方や自分の感性を育て、個性を見つける為の軸になるカリキュラムになっていたのだと感じています。イメージ表現では、後々感覚テストで必要になってくる映像的な想像力、時間と空間を持つ文章や絵の表現力を培い、作品研究では、実際に多くの映像に触れてみる事で視野を広げ、自分の作品に繋げていく力を培いました。実際、作品研究では日々目にする商業的で大衆向けの映像とは違った、あまり触れる事のない現代芸術の映像などを知り、それを見て学び作品の幅を広げる良い機会となりました。そして映像実習では自分達の力で映像を作り、その過程のカメラや絵コンテを通してより一層自分なりの画角や見方、映像という形になる為のカット割り等と向き合いました。実際に作ることで、より具体的な映像的な視点、感性を培っていく為の授業だったと思います。

その後、夏期講習、二学期を通して上記の3つの授業の他に、感覚テスト、小論文、デッサンの授業が加わりました。二学期における感覚テストは、自分の感性と向き合ってとにかく色々作ってみるという時期です。私がここで良いなと思ったのは、とにかく課題の幅が広いということでした。画面となる画用紙を破いたり、ルービックキューブ等のモチーフが出る課題が出て、そこから感じ取る事を感覚テストにするなど、意表を突いた角度から問う課題もあり、この幅の広さは自身の視野を広げることに繋がりました。

二学期も終盤に近づくと、そのまま冬期講習、入試直前講座までとにかく感覚テスト、小論文、デッサンの3つを主に制作する事になります。ここで助けられたのは、一学期に培ってきた基礎的な考え方でした。一学期に習った事のエスキースを見直したり、その頃の作品研究で観た作品を見直して初めて観た時の感性を思い出したり、自分の原点に戻って課題に取り組みました。受験の近い時期になると、自分の個性や感性に沿うより課題に沿った答え方をしてしまう事が多くなってしまいます。そんな時、一学期の基礎的なカリキュラムのおかげで、見失いかけていた個性や感性の糸口を掴み、作品を手がけていく事に繋がりました。

すいどーばた美術学院の映像科の授業は、1年を通して作り手の個性、感性を伸ばしていく為のカリキュラムになっていると思います。映像において基本となる映像的感性、時間や空間を持った考え方に加え、そこに自分の個性、物の見方を伝えるものとして撮影していく、アニメーションだとしたら描いていく、その原点となる思想を培う場所です。その上、突然自分の個性や感性を問う訳ではなく、主に一学期を通して基礎的な考え方から入る事で、より広い視野から自分の開拓を進められます。この1年で制作した作品、エスキース帳、培ってきた感性は必ずこの先も自分の原点となると思います。もし映像科に入ってみたい!と思っている方がいれば、一学期から通い始める事を勧めます。映像に対して漠然としたイメージであっても、2年生の時の私のように、物は試しです!是非映像科に入ってみて、自分の感性を開拓してみて下さい!

抜井 翔太さん

東京
私立淑徳高校 現役

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科
東京工芸大学芸術学部映像学科

濃い一年

私は高校一年から、すいどーばた美術学院の基礎科に通っていました。基礎科でデッサンなどを学ぶうち、あっという間に高校二年の冬。正直、「美大に行きたい」といった漠然とした計画しかなく、どの科に行きたいかは全然考えていませんでした。絵具で絵を描くのも好きだし、建築や陶器を見るのも好き、色々なデザインをするのも好き。なぜそんな私が最終的に映像科で学ぼうとしたかと言うと、自分を取り囲む環境が理由でした。父が家にシアターを作るほどの映画好きで、母がテレビのドラマ好き、兄がアニメ好き。色々な映像に囲まれて、色々な映像に影響されて、自分がいる事に気づきました。テレビや携帯電話、街中の電子掲示板など、映像を見たことがない人はほぼいません。映像は、この時代を生きる私達に一番密接な芸術だと私は思い、映像科に進むことを決めました。

映像科に進んで、一番良かったと思うのは、先生方の指導の仕方でした。生徒と先生という立場は保ちつつも、学校とは違う、フレンドリーな接し方が、私のやりたい事をうまく広げていたと思います。あくまで生徒のしたい事をより良いものにする為に、色々な案を出したり、時に頭を抱えて一緒に考えてくれます。そうして出来上がった作品は、自分の子供のようで、その日の頑張った証として残ります。もちろん講評されるのでいい時もあれば悪い時もありました。それで何度も落ち込んで帰った日もあります。でも、その日一生懸命頑張ればきっといい作品が作れると信じて、毎回毎回を100%で挑んでいました。私は文章や絵が秀でて描ける訳ではなかったので、自己分析が毎日の日々でした。本を読んでみたり、色々な写真を撮ってみたり、できることを自力でしていました。隣で一緒に学ぶ人達もきっと自分と同じで、不安やいろんな感情に苛まれながら作業していたと思います。でも時折作品を見返すと、毎度100%で作っていたはずの作品が不思議と今より下手に見えて、自分が着々と成長していることがわかります。

映像科が他の科と違うのは、自分自身が感じた、思った事を、文字などの情報によって相手に伝えられることが強みだと思います。絵や文章で、自分の魅力を最大限に出すことができるかもしれません。私が生きてきた中では、そんな映像科の受験の年が一番濃い一年でした。不安なのはみんな同じです。私は、どれだけいい作品が作れるようになってもやはり最後の最後まで不安でした。でも、映像科で自分が成長するのは確かです。映像科に来て良かったと思います。映像を学ぶのが楽しいと思えました。だからこそ、自分を信じて、カッコいい先生達を信じて、映像への道を進んでもいいのではないかと思います。

小林 優さん

東京
私立郁文館グローバル高等学校

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科
東京造形大学 デザイン学科 映画・映像専攻
東京造形大学 デザイン学科 写真専攻

私にとってのどばた

私にとってのどばたは入試で抑えるべき点を学ぶだけでなく、自分自身を知る機会を沢山与えてくれる場所でした。自分の得意な事や興味分野、どういう映像が好きなのか。これらを知る事ができたのは個人的に大きな収穫だと思っています。なぜならこれは、これからの自分の作りたい作品の指標、そんな存在であると思うからです。

どばたの先生方はどのように自分の得意な方向へ課題を寄せていくのか、を一緒に考えてくれます。つまり、受験の型に無理やり自分を嵌めるのではなく、自分の好きなものをゆっくりと受験用に寄せていく。そのおかげで、自分の好きな物を伸び伸びと作れ、かつそれが他の人にもにも認められる。そんな経験ができました。この経験は私に自信をつけてくれました。

私は絵が得意ではなかったため、入った当初は自信がありませんでした。けれど先生方からアドバイスを頂き、自分の出来ることを模索し、他の受験生と張り合える作品を作れるように最後はなりました。現役時代は志望校に落ちてしまい精神的にもひどく落ち込んでしまいましたが、どばたでの友人や先生方に支えられて今年は合格する事ができました。

どばたは「自分らしい作品」を助けてくれる場所です。私もここでの経験を活かしこれから制作をしていきたいと思います。

平岡 紗樹さん

東京
都立文京高等学校 現役

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科
東京造形大学 デザイン学科 映画・映像専攻
東京造形大学 デザイン学科 写真専攻

一生物の経験

私が美大を目指すことを決めたのは、高校三年の夏でした。以前から写真や創作物への興味はありましたが、それはあくまで趣味の範疇にありました。きっかけは、写真友達にどばたの見学に行かないかと誘われたことです。行く前は一般では普通の大学を受験するつもりで、推薦だけ受けてみようと考えていました。しかし先生方の話を聞きどうしても武蔵美に行きたいという気持ちが強くなり、一般受験を見据え金土日コースにも通い始めました。

高校は普通科で、ほぼデッサンも未経験でした。そんな私が現役で合格できた理由の一つは、どばたの持つ情報量の多さにあると思います。教室には大量の参作が置かれており、好きな時に見ることができます。
武蔵美の試験では何を求められており、どのようなものの評価がいいのか、効率よくインプットをできたので、数少ない実践で合格作品を作ることが出来たのだと思います。また、通っている人数が多いので、授業で皆の講評を聞いていく内にもその感覚を身につけていくことができました。

どばたの授業は、とても楽しいです。感覚テストや小論文、講評を通じて皆がこんなことを考えているのか、と知る機会になります。ただ思考力、表現力が問われるので扱うのが難しく、何が正解か分からなくなることもありました。しかしその度、「どんな映像が撮りたいの?」と問いかけて下さったことが印象に残っています。

実際に映像を撮る試験ではないですが、自分の興味のある分野、雰囲気の作品を紙面上で表現する方法を共に探して下さり、やりたいことから離れず感テを作り続けていくことが出来ました。先生方が本当に真摯に指導して下さり、評価だけでなく必ず改善する方法を見つけてくれます。なので、毎回の制作で必ず得られるものがあり、確実に感覚テストや小論文を良くしていくことができます。

どばたで過ごした時間は、必ずこの先自分の糧になるものだと実感しています。
入学を迷っている方や、時期が遅いからと諦めている方には、どばたを強くオススメします。

岡田 涼花さん

東京
都立小山台高校 現役

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科
多摩美術大学 美術学部 情報メディア芸術学科

今からどばたに通って、本当に合格できるのか?悩んでいらっしゃる方もいると思います。私は高校3年生、9月の時点で別の科を目指していました。映像科に入ったのは3年生の10月からです。当時は転科の決断するのに物凄く勇気がいりました。後4ヶ月半で本当に第一志望の武蔵美に合格できるのか?間に合うのか?と、不安でたまりませんでした。

結論から言うと間に合いました。私は現役で、武蔵野美術大学の映像科の一般とセンター利用の両方に合格しました。

映像科の先生方は気さくで親しみやすいです。親身になって相談にも乗ってくれます。アットホームな教室の雰囲気ですぐに授業にもなじめました。途中から入った私ですが、一緒に戦う仲間もたくさんできました。冬の講習中、思うように作品を作れず泣いた日もありました。でも先生方はずっと背中を押してくださいました。入試当日も、先生の言っていた言葉を思い出しながら今まで通りに作品を作り、無事に合格を勝ち取ることができました。私の知る限り、どばた映像科が、大学で映像を学ぶための1番の近道です。
どばたには先輩方の残してくださった沢山の参考作品がありますし、先生方も大学の傾向を毎年研究して、合格を掴むコツを把握してくださっているのでとても頼りになります。ここどばたにはかなり素晴らしい環境が整えられていると思います。

今もし間に合うのか不安で迷っている方がいらっしゃるのなら、ぜひ一度体験に行ってみて下さい。