映像科 2022

中尾 和空さん

神奈川県立市ヶ尾高校 現役

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科 (進学)
東京造形大学 デザイン学科 映画映像専攻
日本大学 芸術学部 映画学科 監督コース

「自信を持って臨めるために」

兼ねてから映像の世界に進みたいと思っていた私は、高校一年生のオープンキャンパスで武蔵野美術大学の映像学科を受験することを決めました。二年生の間は別の予備校で受験対策を行なっていました。しかし、そこでは映像科特有の感覚テストの対策に入るのが三年の秋以降であることを知り不安な気持ちが生まれていました。三年の進級も迫った春休みに予備校を変える決断をし、インターネットですいどーばた美術学院を知ることになりました。映像科として区分けされている通り、感覚テストなどの重点的な対策を行ってくれる安心感もあって春季講習から通い始めました。

夏休みまでの間は受験対策の傍ら色々な体験をします。それは私自身が持っていた予備校のイメージと大きく異なるもので、驚きました。映像作品の鑑賞や写真集の制作、グループワークでの短編映像制作は大学にも通じる体験でありながら、感覚テストの制作にも大きく役立ちました。特に、よく考える視点を持つことができた点です。今までは幾分、漠然とあれがやりたい、こうしたいといった思いのまま創作の過程に入ることが多くありました。しかし、作品の研究や制作の機会を通じて先生方にその意味や目的を問われることが多く、より考えることの癖がつくようになりました。感覚テストでは、短い課題文を如何に解釈するかという力が必要になります。文を自分なりに解釈し、どうしたら感覚テストの形で表現できるかを考えていく。そうして初めて文章や絵を描く過程に入るという道筋が、先生方の指導のもとに明確に見えるようになったことは受験に向けての大きな前進でした。また、小論文の課題においても配布されたモチーフに対する率直な印象を糸口として、その理由を考えて論じていくことは回数を重ねるたびに少しずつ上達していきました。

夏以降は受験対策が本格化して、科内コンクールでは本番と同じ時間で感覚テストや小論文などの制作を行いました。採点を元に順位をつけられる緊張感や、そこから生まれる悔しさなどが次の創作に繋がるバネとして働いてくれた気がします。また、同じ予備校に通う生徒の作品に触れられることや、目標を同じくしているために好きな映画の話を共有できる環境は良い刺激となりました。

年末から年明けにかけての直前講習は、引き締まった空気の中で毎日通うことになり辛いと思うこともありました。しかし先生方が、一年間を通じて見えてきた弱点や強みを指摘し改善の方向を示してくれたことは受験に向けての総仕上げを有意義なものとしてくれました。試験本番では、すいどーばたで制作した感覚テストなどを応用して比較的冷静に自信をもって臨むことができました。時間配分も普段の講習の中で組み立てていくことができた為、ある程度の余裕をもって制作できました。
そして今振り返って思うことは、一年間の経験が互いに繋がり合って、感覚テストや小論文に昇華できるすいどーばたの映像科は受験生の強い味方になってくれる場所であるということです。

内海 めいさん

聖セシリア女子高等学校

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像科

私は油絵科から映像科への転科をして、一浪で受験をしました。

不安が尽きない春夏と比べると、冬は「本当に私受験中?!」となるくらい快活で制作が楽しかったです。
感覚テストが楽しくなったのは10月頃からでした。それまでは不安が尽きないまま感覚テストを作っていました。何となく、失敗したくないからどうにかして…といった心持ちで課題に取り組んでいました。変な内容にならないように、ありきたりな感じになると点が取れなそう、今作ってるのって恥ずかしいかも…ともんもんとしていました。失敗したくないことばかり考えていたと思います。

6月から9月の伸び悩みが続き、失敗してもしょうがないから何か作ろうと考え方を変えてみました。ダメかなと思いながら講評に出ましたが、良くなったと評価を貰え自信に繋がりました。もっと早く気づいていればと思うほど、流れが変わりました。

作ってみたいと思ったことを優先すれば、やはり失敗してしまうこともありました。しかし、この方が講評の時間も楽しかったです。どばたの授業で印象に残っている事は、課題点を短くハッキリ伝えてくれるところです。作ってみたけど上手くいかなかったモヤモヤが解決でき、真っ暗な足元の階段が1段づつ認識できる感じがしました。失敗した時に貰ったアドバイスがチリツモで実力になっていく感覚がありました。

コツがわかって実力がついてくると、自分の好きなものが何かを考える余裕が出てきました。写真集をひたすら見る授業や映画鑑賞が夏頃に頻繁に開かれ、それを見返す時間は充実していました。先生にもオススメの映画を紹介してもらい、新しいジャンルや価値観を知る機会になりました。

予備校で制作していると、失敗が怖くなってしまう事があるかもしれません。しかし、本番以外は失敗しても平気です!先生のアドバイスが沢山あった方が勝ちです!

込尾 帆風さん

埼玉県立川口高校  現役

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科

「自分を創る通過点」

私はあまり映像に詳しくないにも関わらず、映像学科を希望しました。CGに少し興味があって他にやりたいこともないので、という受動的な理由でした。その分不安も多かったです。しかし、すいどーばたに通うに連れて映像への理解と興味がさらに深まっていきました。これからも作品を作っていく中で、通過点として最良の環境でした。実技対策だけでなく、映像を通して自分が何をしたいかについて考える機会も多くありました。

まず、作品を作り終えた後の講評時には、毎回発見がありました。例えば最初の頃は、感覚テストは物語を書くものだと思い込んでいました。しかし、講評で先生方に物語性よりも「自分の思う魅力的な動きを捉える」ことが重要だと教えて頂きました。それから日常で魅力的な動きを探す習慣が身につき、感覚テストが楽しくなっていきました。こうして講評で印象に残ったアドバイスを次に生かすことで、より自分の感性が明確になっていきました。デッサンや小論文も映像学科の特色があります。制作と講評を繰り返すことで段々とその特色が掴めてきました。

また、生徒同士で刺激を与え合えることも、自分自身の作品についてさらに考えるきっかけになります。授業中、複数の先生方が沢山アドバイスをしてくださる為、自分の中で矛盾が生じてどうするべきか困惑する時がありました。そんな時は休み時間や帰り道で友人に相談したり、作品について客観的なアドバイスをして貰い頭の中を整理していました。前期の授業ではグループに分かれ映像実習をしたり、写真実習では科の垣根を越え建築科、先端芸術表現科と制作・鑑賞をしました。個性的な仲間に影響されて、私ももっと自分の持つマニアックな部分を出しても良いんだと思うようになりました。

他にも作品研究や定期的に行われるコンクールなど、映像について知る機会が多くあります。大学に入って感覚テストをやることはないと思いますが、準備段階として自分の感性を創り上げることができる良い一年間でした。

米山 侑貴奈さん

都立飛鳥高等学校  現役

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科

「成長」

私は高校2年生の終わりの春季講習から1年間すいどーばたの映像科に通い、武蔵美の映像科に合格しました。絵を描くことは趣味でしたが、特別映像や美術に詳しいわけでもなく、最初は右も左も分からない状態でした。最初の頃は、映像の基本的なカットやカメラの回し方などから教わったり、代表的な作品のどこが魅力的なのか、作品の意図する事は何かなど、具体的に教えて貰いました。特に金土日のコースに加えての、水曜講座が楽しかったです。現役生だと勉強や部活で忙しく、日常的に映画を観る暇があまり無い中で、映画や写真集を鑑賞する事ができ、また普段の授業ではあまりない、それぞれの意見を発言し合う時間があったのが楽しかったです。自分とはまた違う視点に気づく事ができ、とても良い刺激になりました。

最初は自分がどんなものが好きなのかわからず、作品を作るのが苦しい時もありましたが、逃げずに自分の”好き”を探究し続ければ、やりたい事が徐々に見つかり、作品を作るのが楽しくなりました。制作の途中で躓いても、どこが引っかかっていて、何を修正すべきなのか、先生方が適切に教えてくれました。初めて納得のいく作品を作れた時の達成感は今でも忘れられません。「やりたい事を発見し、魅力的な映像に落とし込む」という作業は今後の制作のとても大切な基盤となるため、これをこの1年で学べた事はとても大きな成長だと思います。

また、今注目している作品の公開や展示など、先生方から直接聞けるのも良かったです。関心のアンテナを張り巡らせ、素敵だと感じた物の写真を撮ったり、鑑賞したり、それを共有したり、日常の中から非日常を探すという今まで全くして来なかった行為を全力で楽しいと思えるようになりました。

大野 基さん

関東国際高校  現役

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科

「持つ可能性」

美術の学校への受験対策は難しいです。学科の様に明確な答えという物が存在しません。しかし根本の考え方の土台ははっきりと存在します。その土台が出来た上で自分の個性を活かした広がりを作品に持たせるのです。一人で模索するよりも専門の先生、仲間たちと一緒に過ごすことは遥かに合格への可能性を広げられます。専門の先生にはその分野の傾向であったり考え方に基づいた作品の作り方、対策を的確に指導してもらえます。仲間がいると自分が現状どれくらい出来ているのかといった現在地が明確に分かります。

実は私は美術の学校への受験を二度体験しています。初めて美術の学校を目指そうと思ったのは中学3年生の時でした。当時地方に住んでいた自分の周りに美術を教えてくれる予備校はその時は一切無く受験はうまくいきませんでした。

その後、東京で一般的な高校に通う様になりました。私の通う高校には美術の科目や部活は存在しません。そのため中3の受験以降高校の3年生に上がるまで美術に触れることはありませんでした。しかし高校3年になってやはり美術を学びたいと思い、色々な美術予備校で体験授業を受けるようになりました。体験を重ねるうちに映像を目指すことを決意し、高3の夏からどばたの映像に通い始める様になると3年前とは違い自分がどの方向に作品を改善していくべきかといった方向性や、周りでどの様な作品が評価されているかといった参考例が沢山分かり、自分のするべき対策が常に明確に目視化出来ていました。自分の合格への可能性が0から少しずつ着実に広がってる感触が確かにしました。(もちろん停滞する時期や不安になる時期も何度もありましたが)

これらの私の経験から今美大を目指している方に一つアドバイスがあります。それは美術の予備校に間違いなく一度は通う経験をした方が良いということです。地方から目指す方や塾費用がきつい方も当然いるでしょう、ですがオンラインでも期間の講習だけでもいいです。自分の可能性を広げられる環境がここにはあります。先輩方の合格への軌跡もここには残っています。既に開かれた道がここにはあるんです。轍を歩むことが必ずしも悪いことではありません。

古賀 春花さん

千葉県立我孫子高等学校  現役

合格大学:
武蔵野美術大学映像学科 (進学)
東京造形大学デザイン学科アニメーション専攻
東京工芸大学アニメーション学科
大阪芸術大学キャラクター造形学科

「遅れていても間に合える自信を持って取り組む」

高三の夏季講習辺りから参加し始めた私は、基礎も固まっておらず鑑賞した作品の数、読んだ本が圧倒的に少なく、以前から在籍していた人と比べて実力に大きな差ができてしまっていたと感じました。やはり、早期に自身のやりたいことについては考えておくべきだと感じます。

授業の中で私は己を表現し話すのが苦手でしたが、先生方はそんな私でも見放すことなく教えてくださいました。必ず良き助言をくださるので、断片的でも言葉にして言ってみることが大切だなと授業を受ける度に思いました。冬休み辺りになり、圧倒的に見てきた作品が少ないと思った私は休みを利用して有名な作品を見始めました。遅れているとは思いましたが、それがなかったら合格はできていなかったと思います。遅れていたとしても遅いことは絶対にないと思います。

本番が近くなると良い作品が出来ないと焦りが出てくると思います。小論文に関して私は大の苦手で、本も読まずに生きてきた私は文章を書くことすら苦手でした。周りの人達は発見も着眼点も素晴らしく筋が通っていました。一方、私は着眼点も大したことなく脱線を繰り返し漢字も書けずといったようで、自分の作品に自信はありませんでした。最後に伸びるという先生方の言葉も今の文を見ているとどうにも信じることは出来ませんでした。ですが前日、先生方に難しいことは考えなくてもいいと言われ、私は私のやり方でやっていこうと少し自信を持てました。本番は一か八かで私は難しいことは一切書かず嫌な漢字は避け、自分の目に入った書きたいことをひたすらに書きました。それもあり、本番の作品には普段の作品よりもはるかに自信を持って書くことが出来ました。

今までやってきた自分や、先生方を信じてとにかく落ち込むことなく塞ぎ込むことなく自信を持って取り組んでいってもらいたいです。受験が終わって自分の作品に自信をなくしてしまったらそれこそ終わりだったなと思いました。

永井 伸采さん

駒澤大学高校  現役

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像科

「すいどーばた美術学院の学院生活」

私は二学期からすいどーばた美術学院に通い始めました。それまでは感覚テストも小論文も書いたことがなく、元々絵も文章も得意ではありませんでした。制作に慣れるまでは完成させることが精一杯で、視野が狭くなりがちでした。しかし、制作中は先生方が一人一人に声をかけてアドバイスをくれるので、改善と同時に新たな気づきを沢山得ることができました。作品が増えていくにつれ私は視野を広げられるようになり、先生方のアドバイスは私の作品の傾向を踏まえたものに変わっていきました。とてもやりやすかったです。また、講評の時に生徒全員の作品を見れたことも私の成長に繋がりました。感覚テストはイーゼルに並べ、小論文は全員分がコピーされた冊子を読んで講評します。友達の作品と並べて見ることで、様々な発見ができました。自分の作品のインパクトの弱さや文のレイアウトの読みづらさ、自分では思い付けなかった着眼点など、改善点を次々と見つけました。上手い人の作品から学べることは非常に多く、すいどーばたの生徒数、講評の方法だからこそ、それらを学ぶことができたと思います。

普段の授業とは別に、公開コンクールというものがあります。公開コンクールは実技試験の模試のようなもので、本館にて入試と同じ制作時間で感覚テスト・小論文またはデッサンを行います。画用紙や作文用紙は入試で使用されるものと似ていて、とても気合が入りました。公開コンクールの講評も普段の授業と同じように行われます。外部生も受験できるので、初めて見る作風の作品も見れて楽しかったです。

すいどーばたでは学科の模擬試験もあります。年間を通して5回あるので、学力の成長が可視化される良い機会です。国語(現代文、古文、漢文)と英語を受験することができ、正答率や得点帯もわかるので、学科対策の目安になりました。

映像科は目白駅から近く、先生方がみんな親しみやすいのでアットホームな雰囲気でとても通いやすかったです!第一志望に合格できて本当に嬉しいです。半年間お世話になりました。

山本 遥翔さん

高知学芸高校  現役

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科

「作品から繋がる自信」

私は高校二年の夏から映像科の夏季講習に参加しました。地元の高校にも美大を目指す人は数人いました。しかし、地方ということもあって美大を受験する事自体ハードルが高く、そんな少ない人の中でも映像科を志望する人は私だけだったので東京に行って受講するまでとても緊張しました。ですが、実際に授業を受け始めると先生方の講評での説明はとても分かりやすく、作品をどんな風に作っていきたいか等も丁寧に聞いて下さいました。

夏の講習が終わって地元に帰ってからはオンラインで秋季・冬季講習に参加しました。直に面と向かって受けた夏期講習と遜色ない程の密度の授業を受けられたと感じています。映像科の小論文は一般的な小論文とは大きく違っていた為に地元では手探りで進めていました。先生に見せるまでは「これで本当に大丈夫なんだろうか」、と不安でした。けれど、その不安もオンラインを受けることで解消されて、少しずつ自信に繋がりました。

最も大きく力が躍進したのは入試直前講習でした。同じ大学の同じ学部を志望する人が何人もいる空間で作品を作っていくのは作品にもメンタルにも刺激的に作用しました。出される課題も入試に合わせた本格的なものだったので、それを仕上げて枚数を重ねていくことも自信に繋がりました。それでも、自分より前から予備校に通って作品の枚数を重ねている東京の人達を見ると、正直不安は消えませんでした。ただ、最後はそれまで頑張った自分を信じてやりきって、志望校に現役で合格する事が出来ました。

自分に自信を持てたのも、沢山のアドバイスに加えて最後まで応援して下さった先生方の存在のおかげです。とても感謝しています。ありがとうございました。

船橋 慶悟さん

私立正則学園  

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科

「小さな積み重ね」

CGを独学で学び始めたのは、2021年の4月からでした。ネットにあるサイトやチュートリアル動画を漁るように調べ、技術の向上に励みました。趣味の一つである街歩きで得たアイディアを元に作品の制作を始め、次第に武蔵美映像学科の推薦入試であるクリエイション資質重視方式を受験することを決めました。

まず最初に絵コンテを描き上げ、講師の先生に見せたところ「作中のどこを見せたいのか、よく考えてもう一度描いてきて」とアドバイスを頂きました。作中のどこを見せたいのかというのを意識しながら制作する。それは感覚テストに取り組む時と類似した意識だということに気がつきました。

感覚テストに取り組む上での意識。それは場所や時間の設定や、その出来事の何を見せたいのか、魅力的に表現するにはどのような描写を与えるかなど、映像を設計する上で重要な意識のことです。私は現役の頃、感覚テストに取り組む重要性がよく分かりませんでした。映像科なのに絵って必要なのか?セリフではなく何故多くの文章で表現するのか?今後の映像制作で役立つものなのか、ずっと疑問に思っていました。皆さんが初めて感覚テストに取り組む上で、少なからず疑問を持つと思います。しかし私はCG作品を制作する過程で、感覚テストで培ってきたことが映像制作に活かせているのだと実感することができました。

8月末に行われたクリエイション資質重視方式の対策講習に参加し、出来上がった映像作品を先生方に講評して頂きました。その結果「空間の質感が伝わって来ない」という酷評。その空間がどこにあるのか、空間に質感を与えて欲しいと指導を受けました。もう一度この作品の原点であるアイディアを見直し、空間に質感を与えるように再び作品を制作しました。
 
作品制作に取り組んだこの五ヶ月間で、自分が空間設計を行う上で追求する様々な意識に出会うことができました。その結果、映像科の教授にCGの技術や世界観を評価していただき、無事にクリエイション資質重視方式に合格することができました。CGを独学で学んだこの五ヶ月間と、すいどーばたで培った学びは今後の映像制作にかけがえのない経験になったと感じました。

Y.S.さん

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科

「自分では取り出せない知識」

浪人一年目で入ったすいどーばたでは「作品を作っていくこと」を多く学びました。

作品を作るということは「見ること」と「考え出すこと」です。
クリエイション資質重視対策のために写真をいくつか撮ってみて、先生に見せると何人かの写真家を教えてもらいました。それが、自分の中でさらに考えを深めることができた一つのきっかけです。その写真家から他の写真家を知ったり、評論集を読むことで「自分で思考する」土台を作ることができたと思っています。先生に教えていただけなかったら、自分では見つけることができなかった知識があると思います。幅広く作品を知っている先生だからこそのアドバイスです。

それは、普段の講評でもありました。生徒の感覚テストから、映画監督や写真家、アニメーターを連想して教えてもらうことが普段からよく行われていました。自分の作品から、自分の好きな分野以外の作品を知ることができる。これはどばたでしか学べないものだと思います。新しい自分を見つけて、思考を重ねていくこと。それは、受験後にも必ず役立ちます。

先生たちは絶対に作品の方向性を生徒のやりたい方向に向けてくれます。その上で、ちょっとした手助けをしてくださるのです。是非一度どばたに行って、自分のやりたいことを先生たちに話してみてください。

坪山 昂輝さん

私立自由ケ丘高等学校

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科 現役

「自分と向き合う」

すいどーばた美術学院に入学したのは3年生の春からでした。遠方に住んでいたので、オンライン授業を中心に指導していただきました。Google classroomを活用して様々な課題を出していただき、自分の地力を伸ばしつつ、クリエイション資質重視方式の対策のために制作を進めていきました。

6月末の初夏講習では、自分の作品の持つコンセプトの詰めが甘く、また自分のやりたいこととも食い違っていることに気づきました。初夏講習の3日間の講習では、エスキースの進め方や作品のコンセプトの設定について細かいレクチャーを受けます。その際、作品のコンセプトの設定は自分の価値観の根幹を探る作業だと教えていただきました。

私は、私自身の価値観を掘り下げていくために、自分の性格やものづくりを始めたきっかけ、好きな作品、自分に出来ることを書き出していきました。その結果、自らの根本にある価値観の基準に気づくことができました。このことは、自分の作品をより良いものにするだけでなく、自己推薦調書、ポートフォリオを制作するとき、面接の際にも私を助けてくれました。自分の中にあるものを認識することによって、淀みなく自分の中にあるものを表出させることができるようになったのです。不合格であったとしても、この経験は一般入試の感覚テストや小論文に生きていたと思います。現在とりかかっている武蔵野美術大学の課題や趣味の映像制作にも大変役立っています。

屋鋪 柚人さん

埼玉県立春日部東高等学校

合格大学:
武蔵野美術大学 造形構想学部 映像学科 

「気づかせてくれた」

高校三年生の時、私は美術の教室で武蔵美の合格作品集を見ていました。私はその中でも感覚テストと呼ばれる、絵の上に文章が綴られたものに魅力を感じました。自分で自由に状況を設定し、それを文章に書き出し、絵を描く。
(あ、やってみたいな)

私はすぐにパンフレットの中で1番綺麗な感覚テストがあった、すいどーばたの体験授業を受けました。初めて作った感覚テストは酷いものだったのを覚えてます。それでも、先生方は「面白い設定だね」「絵心あるね」と褒めてくれました。それが作ることの楽しさに触れた瞬間だったと思います。

しかし、入試本番では苦手科目が足を引っ張り不合格でした。すぐに浪人生活が始まり、午前中は学習塾、午後と日曜日はすいどーばたで実技の授業。それは予想していたよりも楽しく、新しい知識や体験がありました。その中でも特に印象に残っているのは、写真ワークショップと映像実習です。自分で写真集を作ったり、仲間と短編映像を作る授業は将来自分のやりたい事がハッキリ決まるきっかけでした。

(フィクションの企画を実現してみたい!)

その後の感覚テストにもその傾向が強く出てきて、先生方から褒められることが多くなりました。そんな時、先生からディレクション資質重視方式の試験を受けてはどうかとアドバイスを貰いました。ディレクション資質重視方式とは武蔵美の映像学科の試験の1つで、一次試験では企画構想、プレゼン、ディスカッションの順で行われるグループワーク。二次試験では、映像学科の教授陣との面接が行われます。私はこの一次試験の企画構想が大好きでした。フィクションの企画を作り、プレゼンすることが自分に合っていたんだと思います。試験本番も楽しく企画を作り、私はディレクション試験に合格することが出来ました。

すいどーばたの先生方は、生徒の向き不向きを理解してくれます。生徒一人一人にアドバイスをしてくれたり、良い所を伸ばすきっかけを与えてくれます。すいどーばたで過ごした経験を私は忘れません。
先生方、本当にありがとうございました!!!