先端芸術表現科とは?
先端芸術表現科(以下:藝大先端科)は1999年に東京芸術大学に設置された比較的新しい学科です。
英語名で「inter media art」とも名乗っており、これは作品を作るための技法や素材=メディアを横断する、繋ぐ、といった意味を持ちます。メディアを自由に捉え、ジャンルを飛び越えるような表現を探求する学科です。近年では、芸術表現を社会に対して開いていくことや、芸術を通して社会のさまざまな問題に関わっていくことに重点を置いています。
▶︎こんな人におすすめ/こんな生徒が多い
・考えることが好き!
・表現活動を通して社会と関わりたい!
・探求したいテーマはあるけど、メディアは選びきれない!
▶︎よくある質問
・自分のやりたいことを探したい。
藝大先端科の入試では、二次試験で個人資料ファイルを選考材料にしています。
必然的に、入試時点である程度、自分なりのテーマや得意なメディアを決めていくことになるでしょう。どちらかといえば、入学してからやりたいことを探すというよりも、藝大先端科を目指す一年間で、予備校での制作を通してやりたいことを探していくと考えると実態に合っていると思われます。
・CGについて/映像について学べますか?
藝大先端科では、一年次のワークショップでさまざまな技術を学ぶことができます。そのほか集中講義などで、さまざまな素材の扱い方などに触れることができます。
しかし、それ以降は基本的に、作品制作に使う造形技術は自力で学びながら進めていくことになります。専門的な造形技術を高めるための講座を期待する人は、メディアやジャンルを絞っている学科や、専門学校への進学をおすすめします。
ただ、先端科には多様な専門性を持った教授が在籍しています。在籍する教授の専門分野であれば、直接相談に乗ってもらうことができるでしょう。
入試形態
一次試験
素描
素描選択の試験では、6時間程度の試験時間で鉛筆デッサンを行います。例年、自画像とモチーフの構成を中心に出題されています。基本的な描写力、完成度のほかに、課題の意図をしっかりと汲み取り、画面上の構成で応答していく力が求められます。
▶︎求められる力
・構図
・発想力、適切な課題解釈
・仕上げる力
小論文
小論文選択の試験では、3時間程度の試験時間で合計1200字前後の小論文を提出します。例年、評論やアーティストインタビューの抜粋など、課題文を読んだ上で問いに答える形式で出題されています。基本的な文章力・読解力のほかに、自分の意見を客観的に説明する力や、社会のできごとや芸術の役割に対して、具体的な意見を持っていることが求められます。
▶︎求められる力
・基本的な文章力
・自分の意見を客観的に説明する能力
・社会との接続にモチベーションを持っているか
共通テスト
近年、かなり比重が上がってきています。目指すラインは7割です。
特に最近では、共通テストの得点率が6割を切るとかなり合格率は下がっています。
合格への近道と考えて、しっかり対策しましょう!
▶︎よくある質問
・学科対策はどうしたらいいですか?
すいどーばたには学科対策の授業は今のところありません。
しかし、春季講習での合格者座談会や、現役藝大生の講師に直接質問できます!
勉強法や、おすすめの参考書、時間の使い方について具体的なアドバイスがもらえます。
どばた先端科はクラスの人数も多いので、クラスメート同士での情報交換も有用ですよ。
▶︎よくある質問
・素描か小論文で迷っています。
・素描未経験です。1年間で間に合いますか?
1年間での合格を目指す場合、素描受験は経験がある人におすすめしています。近年は絵画系出身の浪人生も増えて、素描試験のボーダーラインも年々上がってきています。
未経験から初める場合、1年間の対策では小論文のほうが伸びやすいと言われています。
二次試験
個人資料ファイル
A4サイズ20ページ程度の、自分の活動をまとめたファイルを提出します。これまでに考えてきたこと、作ってきた作品、行ってきた活動を掲載します。藝大先端科の試験でもっとも重要と考えられています
▶︎求められる力
・自分の力で活動分野を切り拓き、続けていく力
・独自のテーマや世界観を持っていること
・自分なりのメディアや素材への向き合い方を持っていること
・自分の表現を、社会に向けて開いていくモチベーションを持っていること
総合実技
5時間半程度の試験時間で、基本的には、卓上での造形を行う課題が多く出題されています。基本的な造形力や、課題に応答する力、素材を使って表現する力が求められています。課題文を読んだり、特殊な課題形式に対して、しっかりと自分なりの応答をできることが重要です。
▶︎求められる力
・課題をしっかりと受け止め、応える力
・試験時間の中で、集中して作品を作り上げる力
・素材やテーマに柔軟に対応して、自分の考えを表現する力
面接
5分程度の面接で、総合実技の作品プレゼンテーションと質疑応答を行います。
近年の藝大先端科では、社会との関わりが重要視されています。そのため、面接でのしっかりとした受け答えも、選考の大きな判断材料になってきていると考えられています。
▶︎求められる力
・自信を持って自分の意見を説明できる力
・コミュニケーションを楽しみ、柔軟に応答する力
どばた先端科の授業
すいどーばた美術学院・先端芸術表現科(以下:どばた先端科)は、藝大先端科を目指すための学科です。平常授業から入試直前講座までの1年間で、作品制作の授業をはじめ、素描、小論文、総合実技、個人資料ファイル制作、面接対策の授業を行っています。藝大先端科以外の入試対策は基本的に行っていません。
どばた先端科では、作品を作ったことのない初心者から1年間で合格を目指せる、「興味を引き出し、膨らませ、自走できる」カリキュラムを組んでいます。試験で必要とされるデッサン、小論文、総合実技対策のほかに、コンセプト作りやリサーチといった作品制作の基礎から学びながら、様々な考え方に触れ、自分自身の表現を見つけていきます。
コースについて
「通学」と「オンライン」ふたつのコースがあります。
通学コース
個人資料ファイル対策 月・火・金曜日(18:00-21:00)
一次試験対策 水・木曜日(18:00-21:00)
要町駅徒歩1分のアトリエに通学するコースです。講評会では、教室に作品を実際に展示して鑑賞します。クラウドサービスを活用することで、授業の振り返りや、クラスメート同士での意見交換もしやすい授業スタイルを取っています。さらにオンラインコースとの合同授業で、全国の受験生とお互いに作品を鑑賞しあったり、どばた先端科に在籍する多くの先生から、多角的な視点で率直な意見をもらうことができます。
※クラウドサービスの活用、合同講評会はオンラインコースでも行っています。
オンラインコース
個人資料ファイル対策 火曜日(18:00-21:00)、日曜日(10:00-17:00)
一次試験対策 水・木曜日(18:00-21:00)
バーチャル教室(Metalife)を使用したオンライン授業を行なっています。教室に通学するのと同じように、講評会に参加したり、講師に質問したり、クラスメートと放課後を過ごすことができます。通学コースとの合同授業も行なっています。自分自身の住んでいる場所の特徴を活かした作品を制作したり、制作しやすい環境に滞在しながらの受講が可能です。過去3年間、通学コースと同等の合格者実績があり、東京からの距離が不利にならない対策を実現しています。
▶︎よくある質問
・ファイル対策は通学、一次対策はオンラインで参加することは可能ですか?
毎学期の初めにのみ、講師と相談の上で、通学/オンラインの組み合わせの変更が可能です。頻繁な変更には対応できませんのでご了承ください。
授業内容
基本的には、通学コースとオンラインコースで同じ内容の授業を行っています。
※「ファイル対策」「一次対策」のふたつに分かれており、さらに「一次対策」の中で「デッサン選択」「小論文選択」に授業内容が分かれています。
※送付する教材やアトリエ環境により、使用するモチーフなど、多少の違いがあります。基本的な課題内容は同じです。
個人資料ファイル対策
どばた先端科の大きな特徴となっている授業です。初心者からでも、1年間で個人資料ファイル完成を目指して作品制作を学ぶことができます。
公開での制作相談(ゼミ形式)や、講評会でのフィードバックを通して、クラスメートの作品も同時に見ながら、さまざまな考えに触れていくことができます。
一学期
作品制作の基礎として、テーマの見つけ方から作品の完成まで順番に学んでいきます。
いくつか課題を紹介します。
・作品制作以前、表現以前の興味を掘り起こす課題。自分にとって面白いと思えることを見つけて、それについて分析する練習をしていきます。
・自分の気になるものごとについて、複数の視点を持ってリサーチする課題。自分が興味を持っているものごとが、表現の世界でどのような意味を持つのか考えます。
・理想の作品プランと、実際に制作するサイズについて考えていく課題。自分の表現したいことを実現するために必要なことを考え、作品を完成させる力をつけていきます。
二学期
二学期からは二週間に一回ほどの講評会に合わせて、自由に作品を制作します。
作品のテーマや制作方法を指定することはありません。作品のクオリティを上げるためのトピック(「メディア」「素材」など)を課題ごとに紹介しています。
▶︎よくある質問
・相談会(ゼミ)とはどんな形式ですか?
講師1人に対して生徒8~12人ほどが集まって座り、1人15~20分ほどの持ち時間で発表と質問、講師からのフィードバックなどを話します。
一次対策
素描
藝大先端科の試験に必要な力を身につけるためのさまざまな課題を出題します。講師によるデモンストレーションや、通学/オンライン合同の講評会も行っています。一人一人に合わせた具体的な上達方法を見つけていける授業です。
小論文
まずは基礎的な文章読解の考え方、自分の意見の組み立て方など、基礎力を身に付けていきます。そのあとは、本番を模した課題や、必要な力を身につけるための特別な課題を解いていきます。自分の実力のレベルや癖を知って、作品制作にもつながるように考えを深めていける授業です。
総合実技
「一次対策」の授業日で、一学期に一度ほど対策の授業があります。
本番を模した課題に挑戦して、講評会でフィードバックを聞くことができます。
また、初心者のための基本的な工作講座を授業内で行うこともあります。
▶︎よくある質問
・1年間で(◯月からで)間に合いますか?
どばた先端科では、初心者から1年間で合格できるカリキュラムを目指しています。もちろん最後は頑張り次第ですが、課題にしっかり参加していれば、二学期ごろには1人で作品制作できるようになる人がほとんどです。
・好きなタイミングで作品を制作したいのですが。
基本的には、課題に合わせて講評会が開催されています。作品の自主制作自体は歓迎しています。課題外で制作した作品を、講評会で追加発表してもらうことも可能です。
・5月から(◯月から)入学するのですが、基礎の授業は受けられますか?
自分の進度に合わせて、講師と相談して課題への合流方法を選ぶことができます。
※今後、クラス人数の都合で個別の対応を停止したり、対応形態を変更する可能性があります。25年度現在は可能です。
道具について
デッサンや総合実技に使用する画材は、おすすめのものをすいどーばた公式画材通販「あ〜る」で販売しています。池袋のすいどーばた本館にも実店舗があります。
▶︎よくある質問
・デッサン用の紙はどこで買えばよいですか?
先端科ではデッサンに使用する用紙は課題ごとに配布しています。
課題のために購入する必要はありませんが、自主練のために自分用の用紙も購入することをおすすめします。
アトリエについて
どばた先端科のアトリエは、すいどーばた美術学院から離れた別の建物にあります。
見学希望の問い合わせをいただいた方に直接お知らせしています。
進路相談・見学について
どばた先端科では、先端科受験を検討している方、すいどーばた先端科への入学を検討している方を対象に、「オンライン進路相談」「講評会見学」の2種類を受け付けています。ご希望の方は、こちらからお問い合わせください。
オンライン進路相談
先端科受験が決まっている方で、予備校選びを迷っている方、受講方法を相談したい方におすすめです。
ビデオ通話で、講師に直接相談することができます。
Google meetを使用します。30分ほどの枠で、作品を拝見してコメントしたり、試験に向けた1年間の過ごし方をアドバイスしたり、おすすめの併願校についてお話できます。
※時期によって、個別の相談を受け付けられないタイミングもございます。入学案内や、当ページの案内、すいどーばた主催の説明会などをご活用ください。
授業見学
先端科受験を迷っている方、教室の雰囲気を知りたい方におすすめです。
アトリエまたはバーチャル教室にお越しいただき、授業を見学いただくことができます。
授業の雰囲気や他の受験生がどんなものを作っているか、直接見て検討いただくことを強くおすすめします!
※時期によって、作品講評会、相談会、プチレクチャーなど、見学できる授業の種類は異なります。希望も合わせてお問い合わせください。





