基礎科です。
工芸体験[金工ワークショップ]「スプーンを作ろう!」 を開催しました。
モノを作ったり、手を動かすのが好きな人は沢山いると思うのですが、藝大・美大の工芸の科や専攻はあまり知られていません。
よく大学に入ってから工芸科の存在や内容を知り、もっと早く知っていれば選んでいたのに、、、という声を聞いたりします。
そのため基礎科では、進路の可能性として工芸を知ってもらえる機会を作りたいと考えていました。
今回は、藝大工芸科鍛金専攻出身者を中心に基礎科工芸コース担当スタッフで、実際に実材を扱う金工ワークショップと工芸紹介レクチャーを企画開催しました。
いつもはデッサンや着彩をしているアトリエが、金工工房になりましたよ。
金鎚や木槌も金工本職の人が使うプロ用です!
ホームセンターで売っている釘を打つためのものとは違います。
普段、デッサンのモチーフになっている万力達も、今日は本来の仕事に復帰です。
プロの金工の仕事場でも万力は必需道具なんですよ。
万力に挟んである鉄の道具は「当て金」です。
これに材料を当てて、スプーンのツボの形を成形したりします。
まずは各自、作るスプーンの計画を練ります。
作りたい形が決まったら、材料の真鍮(しんちゅう)板にそのスケッチを貼って切り出しです。
真鍮は黄色い金属ですね、身近なものだと5円玉でしょうか。黄銅とも言います。
銅と亜鉛の合金です。その両者の配合の比率で硬さや性質が変化します。用意した材料は、今回の作業に向いている配合のものです。
切り出しは糸ノコを使います。
金属もノコで切れるのです!
一般的に金属は硬いイメージですが、実は種類によって色々あるのです。
スタッフの心配をよそに、ノコ刃をあんまり折ることもなく順調に切り進めていく皆さん。すごい!
初めてでも何とかなってしまうものですね!
切り出したら、ヤスリがけをしてバリを削ったり形を整えたりします。
スプーンの先のツボ部分を木槌(撞木槌)で木の窪みに当てて丸みをつけた後に、金鎚で当て金に当てて形を整えます。
柄の部分に槌目を付けてみたり。
金ヤスリでシルエットを整えたり。。
耐水サンドペーパーで、更に綺麗にして。。。
研磨剤で磨いたりして。。。。
夢中で作業をしている皆さん。
あっという間に時間が過ぎていきました。
そして、完成!!!!!
皆さんの作品を並べて、鑑賞会!
どんなコンセプトで作ったのかを、全員に話してもらいました。
色々なことを考えているのを聞けて、更に、なるほど!と作品を見るのが楽しくなりましたよ。
オリジナルのスプーン制作。
短い時間でしたが、いろんなバリエーション、面白い作品が揃いました!
同じ材料なのに叩き方や磨き具合によって色もいろいろに見えたり!
鑑賞会のあとは、工芸の様々な世界を紹介するレクチャーを行いました。
皆さん、お疲れ様でした。
充実した一日になったかと思います!
今日の経験をぜひ進路の参考にして頂けたらと基礎科工芸コース担当スタッフ一同思っております。
2学期も工芸ワークショップを企画していますよ。
今回参加できなかった方は次回をお楽しみに〜!
次の基礎科特別体験授業は6月30日[着彩体験]「花を描こう!」です。
色彩を使って花を上手く描きたい人集合!
詳しくはこちらにて
2019年6月9日(日)〔基礎科〕