油画科 2021

植村 佳乃子さん

埼玉
県立坂戸高校

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

今年は受かる気がすると思ってずっと授業行ってました。根拠の無い話ですが本気で思ってました。もちろん不安はありましたが、友達とか親とかにまあ今年受かるからなと言いまくってました。言霊があると思って今年はもし落ちたら…みたいな話をしなかったです。 現役の時に受けた春期講習の面談の時に藝大行きそうな顔だね 藝顔。って言われたので?と思いながらも私藝大行くんだなという感じでした。
去年は一次で落ちて落ち込みました。でも結果的に浪人してすごく良かったなと思っています。現役の時の私は浅かったです。(今の私も数年後の私から見たら浅いと思いますが。)浪人させてくれた両親にも感謝です。バイトもしてなかったのでずっと絵の事を考えることが出来ました。この1年で自分の作品の基盤を作ることができたと思います。
10月ぐらいにある漫画にハマってその事しか考えられなくなったのですが、その漫画のイラストとかを家で描いてたりするとこの表現、油でも使えたらいいなーとか思ったりして、色々広がりました。
これは人それぞれですが、受験だからといって楽しいこととか制限するのはあんまり良くないかなと思います。自分が楽しいなと思ってやっていたり、見ていたりするものが絵に通ずるということはよくありました。
それは絵に限らず、服とか見に行ったらこのモフモフな感じの絵が描きてぇ…とか思ったり、スーパーで三色ようかんをみてたらこんな感じの絵、描きたい…とか思ったり、他にもいろいろありました。他の人の絵を参考にするのもとてもいい事だけど、現実世界で見つけた自分のお気に入りの質を、どうやってキャンバス上に落とし込むか考える、というアプローチもありかなと思います。これをどうやって絵で表現しようか?と考えて試行錯誤を繰り返していくことで、段々と自分だけの絵が出来ていくんです。絵に対して「こうしたい」という明確な目標があると、そこに近づけるように自然と道具や画材を選別したりできるようになります。

一次の作品はもうどんな作品を作りたいかという基盤が出来ていたので、本番は3時間ほどで描きあがりました。受かったと思いました。二次も色々やりたいことがあったりしてギリギリでしたが、なんとか作品に出来たので私が受からないはずがない。と思いました。文章を書く課題を以前どばたでやっていたので、課題文を聞いた時は嬉しかったです。その時に書いたものをその場で整えて満足いくものが書けました。色んな課題をやらせてくださって感謝しています。

私は基礎科からいたので3年間どばたにお世話になりました。担当の先生はあまりやいのやいの言うタイプではなかったので、勝手に好きなように描くことが出来て助かりました。「こんな絵描いたら先生になんて思われるかな…」とか考える必要は1ミリもないです。
人に配慮して自分を抑えた作品は描いてても見てても面白くないし、それでやりたいことが出来ないのは悲しいです。やり過ぎたらちゃんと先生が止めてくれるので、そういう意見はちゃんと聞きましょう。でもやり過ぎても全然大丈夫ということです。
細かいことが気になったら宇宙の壮大さに思いを馳せるとミジンコのように小さく感じますのでオススメです。好きな絵を描いたらいいと思います。私もこれからも何も気にせず好きな絵を描きたいと思います。

會見 明也さん

埼玉
県立大宮光陵高等学校

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

現役時に二次試験で落ちた後、1年間自分の興味と自分が出来ること/やりたいことについて考えていました。
正直に言って自分は油絵具を筆につけて描くことやペインティング的なことがしっくり来ず、「油画科で本当によかったのだろうか」「絵ってなんだろう」「受験における絵って?」答えの出るはずの無い事で思い悩んでしまうことも多くありました。
悩んだ結果落ち着いたのは自分の心地良い方に流れるだけ流れる事でした。やりたく無いことをやりたかったはずの絵でやる必要は無い、やりたいことをやれば自然とそれは身になっていく筈だし、芸大油画という幅広い入り口のある試験なのだから折角なら好きなことで勝負しても良いだろうという思いから、方向性を決めていきました。
本番では自分の考えていることを描出ができるような問題が出題されたのでこれはチャンスと思い、自分のやれることをやれるだけやり、その結果が合格に結びついたのは本当に嬉しかったです。
1年間指導してくれた先生、すいどーばた油画の先生や助手さん方、1年間ずっと支えてくれた家族や友人、恋人には本当に感謝しています。ありがとうございました。これからも頑張ります。

髙野 詩音さん

福島
県立福島西高等学校

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

 現役のときは学校の長期休暇時にどばたの講習会に参加していました。 確か高2まで基礎科のデッサンコースをとっていて、基礎科油画→受験科と変えたのですがその過程でかなりギャップがあって戸惑ったのでもう藝大油画を受験すると決めている人は最初から受験科で良いんじゃないでしょうか。
 1浪目(今年?)は9月から昼間部に通いました。
 毎日白いアトリエで考えていると「もう何も分からない…宇宙とは…?」みたいに考えているようで思考停止しちゃってるタイムに入るのでたまに近くの公園で一旦リセットしていました。おすすめです。あと、あーるに売っているキングドーナツ、彼はまさしくキングです。心を救われました。おすすめです。
 二次試験は2日目の時点でもう絶対落ちたと思って冷静になれなかったけど3日目で冷静さを取り戻してとりあえず完成させました。
 受験前は周りに翻弄されずに今本当に自分に必要なことを冷静に考えることが大事だと思います、浪人中は上手くいかなくて悔しいことも多かったけど考える時間をたくさんもらって成長したことも確かだし、必要な時間だったと思います。
 現役のときから先生方には本当にお世話になりました。メソメソしてかなり面倒くさい生徒だったと思います。 ありがとうございました。

葛西 吾子さん

青森
八戸工業大学第二高校 現役

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

学校の先生の勧めで、すいどーばたには高二の春からたびたび講習を受けに通っていました。初めて申し込んだときには芸大に挑戦しようという強い意志や緊張感はあまり持っていませんでした。講習ではたくさんの作品を見ることで、木炭や油絵具などの自分の手元にもある画材がどれほど豊かな表現の幅を持っているかを知ることができました。嬉しくもありましたが、経験が浅くちっぽけな自分はどこから手をつければいいのかと焦る気持ちが生まれました。

高三の夏頃から放課後や休日を使い大学の過去問に取り組み始めました。高校の先生はとても協力的でしたが、1人で描き、1人で講評をもらい、1人で反省をする流れを繰り返すうちに、自分のレベルや持ち味がどんなものなのか分からなくなりました。道具も少なく、集中力も切れやすくて完成度の低い絵ばかりを描き、油絵に対して苦手意識を感じるようになりました。

入直のコンクールでも調子が出ず、もはや何から先生に相談していいのか分かりませんでした。しかしあとでその絵から応用できそうな要素を指摘してもらったことで、失望していないでもっと今の状況をよく見なくては、と気持ちを立て直すことができました。

二次の対策中、焦ってアイデアを外からばかり取り入れようとしていた私に先生は、自分の過去の作品からヒントを得ることを教えてくれました。おかげであっけなく問題が解決し、この手応えが結果に繋がればいいなという前向きな緊張を感じられました。説明が苦手な私にもいつも耳を傾け、思いもよらないところから解決の糸口を見つけてくれた先生にはとても感謝しています。

憧れのある環境で、試験対策中は描く余裕のなかったもの、こと、場所を描いたり、見えていなかったものを発見したりするのが今からとても楽しみです。

渡邊 詩音さん

宮城
県立宮城野高校

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

自分にとってかっこいい絵、納得のできる絵を描けるように、1年間ひたすら描き続けました。
どばたは生徒のレベルが高く、様々なタイプの絵に囲まれて、刺激を受けながら制作を行うことが出来ました。その中で自分は、夏期講習辺りで自分の絵のスタイルを確立することができて、そこから最後までそのスタイルを磨き上げて駆け抜けました。もちろん、順調ではなかったし、何度も浮き沈みはありましたが、最終的に、入直の最後の油絵で自分が納得できる油絵が完成して、一次試験の4日前くらいに納得のいくデッサンを描くことができました。休まずに最後の最後まで諦めずにやってきて良かったなと思いました。
入直の間や、一次試験の合格発表待ちの時とかは、どうしても精神が安定しなかったので、好きな絵を小さいキャンバスにひたすら描きまくりました。その小さいキャンバスに描いてきた絵は、そのまま二次のスケッチブックに自分の作品として残してきました。
自分の今まで描いてきた作品を見返して見ると、描かなくて良かった絵なんてほとんどなくて、すべて繋がっているように感じます。スケッチブックのドローイングから、F0号の小さな作品、どばたのゼミで描いた作品などが自分の頭の中でひとつにまとまって、最終的に自分の絵のスタイルが完成したんだと思います。

二次試験は芸大から帰ってきてどばたに戻って、構図のミリ単位調整の大切さを先生と話し合いました。試験現場では更に勢いに乗って作業できて、今年最高の1枚に辿り着くことができたと思っています。
自分自身が描きたい絵、目指したい絵を見つけて、そこに向かって日々描いていくこと、思考していくことが大切だと思います。これからも自分の描きたい絵を見つけ続けていきたい。
指導してくださった先生方、1年間本当にありがとうございました。

木々津 鏡さん

東京
私立香蘭女学校

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

 一次試験前日は、家で炭パンチ!と叫んでいました。木炭でパンチをする様に描けば、いい絵がかけると思ったからです。二次試験前日には、絵の具パンチ!と叫びました。絵の具でパンチをする様に描けば、また、いい絵が描けると思ったからです。一浪目では絶対に出てこなかった言葉です。
 この描き方でないと良くない、うまくいかないと思い込み、自分のルールを作って同じような絵しか描かない時期がありました。しかし映像作品を作ったり、ゼミで凧を作って飛ばしたりするなど、絵画から少し離れた表現をするカリキュラムのお陰で新しい刺激や視点を得ることができました。それに加えて一緒に戦う友人達と話したり、個性豊かな先生方から様々な指導をいただいていくうちに、自分を縛っていた「いい絵を描くルール」から解放されていきました。何度も失敗しましたが色々な技法を試すうちに、だんだん自由に、納得のいく絵の具を置けるようになりました。それが絵の具パンチです。二次試験の最中も、(あ、こう描けばいいのか)と何度も思いました。絵が止まらず動き続けていくことを実感した1年でした。
 付け加えになりますが、A先生がいつかの講評で言った「絵を許すんです。」という言葉、それとN先生がモチーフのネギを散歩させていた講評が印象に残っています。
 優しくて面白い先生方、助手さん方、友人達、Kさん、支えてくれた両親に感謝を伝えたいです。本当にありがとうございました。大好きです!

戸髙 光稀さん

宮崎
宮崎日本大学高校

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

僕は絵の他にギターも好きです。バンドで一発やってやろうという気持ちもある中僕の中で絵とはどういう存在なんだろうとモヤモヤでスタートした一年。春からどばたに通い始めて、ほぼ一年絵と距離を置いていたので絵のリハビリという感覚でスタートしました。どうしても周りの目を気にしてしまう質で自分のやってることは正しいのだろうかと不安は常にありました。(やはり今でも何かと不安です)
個人講評で先生とマンツーマンで話す時間が僕はすごく好きでした。絵のことというより
人と人が話す、繋がり合うことが僕にとって幸せなことなんだなと気づいた、正しい正しくないより、好きなものや気づいたことについて先生と話し合った個人講評の時間が印象深いというか、すごく楽しかったです。そして好きなことということで絵とギターが一致しました。(正確にいうとちょっとニュアンスが違うけど)
先生が言ってくれたダメなところよりいいところを伸ばしていこうよという言葉がすごく好きです。不安症な自分をできる限り信じられた時期と受験のタイミングが被ったのも運が良かったなと思います。
浪人時代は僕にとって素敵なものになりました。親や先生、友達、支えてくれた人、ささやかな縁にとても感謝です。ありがとうございました!

村山 心南さん

東京
東洋英和女学院高等部

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

私は、高校の美術の授業で油絵を初めて描いた時、本気で絵を描きたいと思いました。「それなら藝大だ!」と思い、藝大を目指してやってきましたが、最終的には合格のためというより、絵を通して自分の「好き」がみつかり、追及していきたくなりました。

少し遠回りをしましたが、その分、浪人という中でやりたいことを存分に集中して取り組むことができました。また私は何が好きで何が嫌いか、今の私に足りないものは何なのかと自分自身をより深く見つめることができました。それら全てが自分の土台となっていることを感じます。そして何よりも妥協せずに追い求め続けたということが、慣れた表現方法や今まで積んだ知識よりも強く自分の支えになりました。正直、今でもこれが私のやりたいことなんです!と自信を持って言えるような作品はまだありません。藝大に合格をした今も、やり続けていくことは変わりないのかもしれないと感じています。

私にとことん付き合ってくださった先生方、様々な面でサポートしてくださった助手の方々、集中して取り組める環境を提供してくださったすいどーばた、こんな私でも離れずむしろ助けてくれた友人達、そして何よりも浪人をさせてくれて、本当に支えてくれた両親、家族には感謝しかありません。本当に、本当にありがとうございました。

大川内 乃々香さん

東京
都立豊多摩高校

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

私が・何を・どう表現するの?
そしてそれを全力でやる為にすることは何?
浪人生活模索し続けていたことはこの二つです。最後は自力でどれだけ頑張れるか。できていないことがたくさんありました。焦ってめちゃくちゃにならないよう、少しずつ全部はできなくてもいいし頑張らなくていい。とにかく落ち着いて丁寧に取り組むことを心がけました。

私は 基礎科・現役・1浪 と2年半のどばた生活でした。
基礎科はいろいろな経験をさせてくれる場所であり、地道に絵が描ける場所です。私は最後にやっと少しコツを掴みました。

現役は芸大一本。デッサンは自由に描くことができました。描きたくないような絵が出来上がることももちろんあった、それでも自分の気が済むまで描き続けることは重要でした。残り10枚ほどになって、方向転換し、一気に油に寄せました。前日は試験が楽しみでした。できることはやったしもう本番頑張るだけだと思えたからです。その勢いのまま一次は通過することができました。
一方、油はふわふわした状態で試験に臨み、気がつくと二次試験に落ちていました。
絵の感じが固まって来た頃から油はよく自分の絵がわからなくて不安になっていました。それでも描き続ければ答えが見つかると思い、数をこなすことで自分を安心させていました。しかし結局自分の絵がわかっていなかった、その上向き合う余裕がなかったのが敗因でした。二次試験はとにかく体力勝負で、その上ピンチを脱する体力を残しておくことが本当に大切です。
二次試験に落ちて一気に現実に引き戻され、悔しかった「次は絶対納得できる絵を描く。」それだけはその時に決心しました。

浪人生、再びどばたに通い始めたのは9月。
それまではもう関係ないことを色々しました。日常生活を見直して、心に余裕を持ちました。現役の頃は、余裕がなくて封印していたことや好きなことを沢山しました。家族には何やってるんだと本気で心配されました。説明するのは大変だけど、自分を客観視するには、本当に良い機会になりました。絵から離れる時間が私には必要だったし、そういう時間に生活の中に美しいものをたくさん見ました。
将来のことを考えた時私には、私大受験が必要でした。だからまずは私大に受かるのが目標でした。ちゃんと芸大対策をしていたら私大に行けると思って私大対策が始まるまでは本気で芸大対策をしていました。私大、私大、藝大一次、二次とひとつずつクリアしていくイメージで進んで行きました。
それでも今年もたくさん悩みました。特に油は試したいことが多く、全然完成した作品がなかったのは怖かったです。でも現役の時にたくさん完成させて来た作品たちに支えられました。
二次当日1日目、下地だけ。考えた構図はダメダメで先生と協議してなんとか描くものを決め帰宅。ヘトヘトでほとんど食べれませんでした。
2日目、行きの車で冷静に考えてどうしてもこれじゃだめだと気付きました。考えろ私。まだ間に合う。というかいつものペースじゃん。落ち着いて考え考えいいものを思いつきました。スケッチブックと背景は描いて帰宅。疲れすぎてどばたには行けないと思いました。でも30分だけ行くことになり、エスキースと意思を固めてどばたに行きました。先生とも話し不安は無くなりました。その日はしっかり食べ、休み、眠ることができました。
3日目は絶対悔いのないように、突っ走りました。頭の中が整理できるまでずっとスケッチブックと格闘して時間ギリギリまで描きました。完成した作品を見ると変な絵ができていました。それでも譲れないところは頑固にやってきたし、落ちても悔いはないと思える絵が描けたことが本当に嬉しかったです。

マイペースがすぎる私は家族や先生を心配をさせてばかりだったと思います。忍耐強く見守っていてくれて本当に感謝しています。ありがとうございます。
基礎科夜間部昼間部と本当にたくさんの人に助けられました。的確なアドバイスをくれたり、話を聞いてくださった先生方や支えてくださった助手さん、自由にやらせてくれた家族や友人、、色んな方に出会い成長できた数年間でした。本当にほんとーにありがとうございました!これからも楽しむことを忘れずがんばります!

海老原 イェニさん

東京
学芸大学附属国際中等教育学校 現役

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

どばたで絵を描く中で一番の発見は自分の性格や習慣が絵に影響を与えることでした。例えば私は物事を先延ばしにする癖があるので絵を描くときにも「この部分は後でやろう」と考えてしまうことがあります。また、考えすぎてしまう性格なので、絵は逆に考えすぎないようにシンプルにしました。絵を描くとは自分自身を画面に映し出し、見る人に絵だけではなく自分のこともどう思うのかと問いかけるのと同じであると気づきました。

私が本格的に油絵を始めたのは高2になってからでした。絵は昔から描くのが好きだったのでいつでもどこでも描いていました。そして中学校の時に日本に来て、藝大のことを初めて知り、藝大を目指すことを目標としました。しかし、私は人と競い合うことが嫌いです。特に絵で。なので私はなぜ藝大なんか狙おうとしたんだろう、受かるわけないじゃんと思うことは毎日のようにありました。

去年の夏季講習のコンクールは全滅でした。票は一個入るか入らないくらいでそれも担当の先生の票だけでした。その時に先生から「今の絵は浅い。もっとダサい絵を描いて」と言われたのです。その時はさっぱり理解できなかったが、今になると当時の絵は私の絵ではなかったと思います。その時は他の人の凄い参考作品をただ真似していただけで、ある意味変に格好をつけようとしていたのかもしれません。

それから自分の描き方を模索していきました。最初は消去法で様々な画風を試せばいつか自分に合うものにたどり着くだろうと無茶な考え方をしていました。しかし時間は限られているので、気付くと私は焦っていたのです。入直に入り、私はパズルのように自分が絵の中で見たい現象や出来事を組み合わせて徐々にスタイルを確立しようとしました。しかしこの頃はもう一次試験の一週間前だったので、理想の絵が描けていないことに焦ってました。でも先生は「まだまだ時間はある」と言ってくれたので、私はその言葉に救われたと思います。

ついに一次試験の当日。私は落ち着いて描くことができず、4時間の間ずっと落ちると思って描いていました。二次試験は前に描いた絵などを参考にして絵を作り上げていきました。授業では資料を使うことがたまにあったが、今回の試験は資料持ち込み不可でした。最初はどうしようかと思ったが、先生には想像で描けばいいと言われました。「草になって草を描いて、雲になって雲を描け」と、描いているものになりきれと言われたのです。不安であったがそのおかげでより自分らしい絵に最終的には近づけることができた気がします。

今では夏季講習の時に比べると、私らしいダサい絵が描けるようになってきた気がします(まだまだですが)。たくさん挫折を繰り返し、色々なことを試した結果だと思います。しかし、これは一人ではできなかったことです。一緒に画風を模索して、最高なアドバイスをくれた先生や絵について一緒に熱く語った友達のおかげだと思います。また、私を信じ何も言わずにサポートてくれた両親にも感謝したいです。これからもさらに自分らしい絵を探求し、もっともっとダサい絵を描いていきたいと思います。

菅野 史葉さん

千葉
市原中央高校

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

現役の時は地元の予備校に通い、受けた大学全部不合格だったので浪人することにしました。今年は普段はアルバイトをしながら地元の絵画教室に通い、すいどーばたは知り合いのすすめで夏季講習をちょっとと冬季講習と入試直前講座を受けました。
冬季講習になって三月までほぼ毎日どばたに通うようになる前は、ちょっとバイトするか絵描くかして帰ってきたら家でダラダラする生活をしていたのですが、今日も何もできてないと焦ってしまい、学校や予備校に通って一日過ごすよりも辛かったので、その時は予備校に一年通ったほうが良かったかなと思いました。
でも去年は毎日予備校に通っているせいで、全然自分の時間が取れていないような気がして辛かったです。今年は冬まで充分ダラダラしたからか、去年より楽しんで予備校に通えたので、結果的に一年通わなくてよかったかなと今は思います。
去年も今年もろくな絵は描けてなかったんですが、どばたに通うようになってからも全然ろくな絵が描けず、コンクールでも票が全く入らないことにすごく困りましたが、最後のコンクール終わったあたりから楽しくなってきてそれからは頑張れました。
入学してから不安なのが、話すことと文章が苦手で、先生と話すときにもちゃんと話せず迷惑をかけたので、これからはちゃんと喋ったり文章を書いたりすることを頑張りたいです。