油画科 2020

加藤 星花さん

福島
県立福島西高等学校

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

浪人生活の中で感じたことを挙げるならば、こんなにも一つの物事に対して考え込み悩むという様なことは、紙より薄っぺらな私の人生の中ではなかなか無い事だったので面白かったということです。特に三年目は色んな考え事をして楽しかったので、このモラトリアムが大学分プラス4年増えるのはとても嬉しく思います。

 いつか父は私が受験に失敗した事を"墜落した"と形容したことがありました。大学生になったとしても私という人間はあまり変わらないと思うので、地べたギリギリの、側から見れば墜落している様な位置を水平に這いずり回ろうと思っています。

 最後に、家族、親戚の皆さん、大切な友人方、お世話になった様々な先生方、行きつけのパン屋さんのご夫婦には、今更ここで言及する必要がないと思われる程、とってもとってもお世話になりました。私はどんな瞬間でも色んな人に助けられてここまで生きてこれたんだなぁと改めて感じることができました。本当にありがとうございました。

石塚 麻歩さん

東京
都立上野高等学校

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

昼間部に入って、じぶんがなにも知らないことを知りました。

信じるものとか見えている世界が、ぐるぐる絶え間なく形を変えていきます。

探したり、拾ったり、捨てたり、壊したり。一歩も進んでない気がして苦しかったこともありました。

でも、見たことや聞いたこと、身の回りにある全部から大事なものをかき集めて絵ができてくことが、積み木を積んでいくみたいで心地良くて、時々受験を忘れたりしました。あと、死にかけた絵が生き返ることを知りました。すいどーばたで過ごした日々は、いろんなことを見つけたり考えたりするのに必要な時間だったのだと思います。

支えてくれた先生方、助手さん、友人たち、お世話になりました。どばたに通うのが本当に楽しかったです。応援してくれた家族、そして何より、自由にさせてくれた母には感謝してもしきれません。

本当にありがとうございました。

原 翠さん

埼玉
県立芸術総合高等学校

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

冬、絵が描けなくなりました。

物心つく前から大好きだった描くことに初めて強い苦痛を感じ、逃げることが多くなった。コンクールでは一票すら票が入らない。そんな自分が惨めで情けなくて、けれど焦れば焦るだけ頭は真っ白になり、心の不安から人と目を合わせられず誰とも話せなくなった。

けれど入試1ヶ月前を切ったあの日、とことん描く事を楽しもうと決めた。筆を滑らせる愉快さ、色彩の美しさ、構図を考えることの面白さ。それらを思い出していくうちいくつもの大切な自分を取り戻せた。私にとって合格への道は楽しむ事でした。

先生方、お父さん、お母さん、お兄ちゃんたち、友達、応援してくださった方々、タイガーさん、みなさん本当にありがとうございました。

鈴木 智結さん

福島
県立磐城高等学校 現役

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

私が本格的に藝大を目指し始めたのは高2の夏からでした。

木炭の使い方も油絵具の使い方も知らない私は周りと自分を比較しては自信をなくし、どうしたら評価される絵が描けるだろうということばかり考えていました。

そして今描いている絵は自分が書きたいものではないと気づいた時には1次試験間近で、今年はだめかなと思っていました。

しかし、先生と話していくうちにやっと自分がやりたかった表現に出会うことができ、自分に自信を持つようになりました。

2次試験も落ち着いていて描くことができ、満足いく作品が仕上げられました。

今まで何度も自信をなくし、何度も逃げようと思いましたが、その度に支えてくれた両親、友人、先生方には、感謝しかありません。これからも精一杯努力していきます。ありがとうございました。

川村 照乃さん

愛媛
私立済美高校

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

絵を描いていく中で大切なのは、分野を問わず幅広い知識を身につけることだと考える。そして、それは多ければ多いほど私たちの血肉となり武器となる。

私は、某美術大学の短期大学部に通いながら、芸大を受験を志した。油画専攻を志望しているにも関わらず、短大ではそれとは無縁の学問に没頭した。

特に興味を持ったのは、教育学だ。心理学や日本国憲法、教育方法論など様々な方向性から学校教育について考え、専門性を高めれば高めるほど、楽しくてたまらなくなった。

常に頭の片隅には芸大受験に対する焦りや不安があったものの、勉強をする楽しさや喜びがそれに勝っていた。

その他にも、工芸、彫塑、映像、版画、コラージュなど様々なことを学んだ。「芸大受験と関係ない、こんなことしても無駄だ」と不安で涙を流すこともあったけれど、結局1つも無駄なことはなかった。この一年で身につけた全ての知識と経験が私の芸大合格への糧となった。

レオナルドダヴィンチ は建築・音楽・天文学・解剖学・地質学その他諸々、様々な分野での知識や興味があるからこそ、歴史に残る素晴らしい作品を作る事が出来た。手塚治虫は医学博士でアニメーター、幅広い興味を持っているからこそ、素晴らしい漫画を描く事ができた。

自分の好きなことなら、何だっていい。天文学でも、文学でも、アニメーションでも、漫画でも、仏像でも、何でもいい。とにかく、好きなことをとことん突き詰めて、追い求める。すると、その高めた専門性が自分の武器となり、美大受験という戦いの場で必ず役に立つものになると信じている。

最後に、すいどーばた美術学院の先生方、関係者の方々、私を支えてくださった全ての方々に感謝致します。本当にありがとうございました。

重村 侑奈さん

東京
私立成蹊高等学校 現役

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

悔しくて、辛くて、それでも笑って泣いて真面目に不真面目に受験に挑んだ1年間でした。

私は小さい頃から漫画や映画やゲームやアニメが好きで、高校2年生の終わりまでずっと、勉強も何もしないでノートの隅に下手くそな漫画のキャラばかり描いてる日々でした。

絵が描けるだけでも凄いと言われる学校だったので、私は簡単に自分を天才だと思い込み堕落してました。

そんな調子で将来の事を考えた時、勉強も何も出来ないのでとりあえず美大にでも行こうかなと思い、かなり軽い気持ちでどばたに足を踏み入れました。

藝大を目指そうと思ったのも、なんとなく藝大が美大の中でトップの大学らしいからというもので、私の意気込みはその程度のものでした。

まあ、自分は天才だから。私大だろうが国立だろうがどこへでもいけるっしょ。という人生舐めた気持ちで夜間部に5月から通い始め、無事に美大受験の厳しい現実を知り、心が折れました。別に私なんて天才じゃない、パンピーじゃん。絵、全然上手くないし。

とにかく悔しかったです、でもその分藝大に行きたい!という気持ちが膨らんできました。

みんな技術や発想が凄いし、私が思いつかないような絵の世界を見せつけられ圧倒されると同時に、私の中の乏しい絵の価値観がアップデートされてました。

夏期講習は地獄でした。浪人生とか周りの現役生がどんどん上手くなっているのに取り残されて、自分が情けなくて仕方がありませんでした。

とにかく逃げて、泣いて、失敗だらけでした。真っ白な紙に木炭の墨を置くのが本当に怖くなって、アトリエから抜け出してトイレや屋上、近所の公園で泣くことはしょっちゅうでした。私ってなんで絵描いてるんだっけ、もう嫌だ、消えたい、そんな気持ちでした。

でも、そんな泣きべそかいて何も出来なくなってる私と真剣に向き合ってくれた先生のお陰で、頑張らなくてもいいから、辛かったら逃げてもいいから、それでも楽しく描こうと思えるようになってきました。

夏期講習の最後、先生が仰っていた言葉で「絵を描くのに必要なのは技術、情報、描き抜く根性」という言葉が印象的でした。技術は少しずつついてるはず、だから重要なのはメンタル修行と資料集めだ!!と意気込んで、色んな資料を漁ったり、日常のふとしたところにヒントを見出すようにしました。

今思うとやり過ぎかと思いますが参考作品研究ノートを作って、良い構図とか受かる!と思わせる理由をとにかく書いたりしてました。

辛かった時も自分のことを漫画の主人公だと思い込むことにして、「こんな試練が襲いかかるのは当然だよね、私が主人公だから」と根拠の無い自信で乗り越えるようにしました。

夏から冬にかけて、メンタルがヤバくて描けない時はすぐに逃げたりして映画見たり漫画読んだりしてました。でも、絶対描き抜かなければいけない時は、よし!やるぞ!と気合を入れて描きました。先生も私の不安定な作品に対して的確なアドバイスをくれるお陰で、ほんの少しずつ自分の絵の世界観が固まってきた気がします。

それでも良い絵は全然描けませんでしたが、コンクールなど描いた作品が駄目だったからといって、それで自分自身を否定しないで自分を大切に抱きしめながら変われるように心掛けました。

冬、私大受験もあって忙しくて、本当に辛かったです。芸大受験とか何も考えたくないので、もうとにかくカッコよくて面白くて凄い作品を作ってやろう!という意識だけで挑みました。

一次試験の時もそんな気分で、受かるとか落ちるとか何も考えずに楽しく描きました。

二次試験、大変だったけどそれ以上に楽しかったです。実は私は油絵が苦手で、油のコンクールでは今まで1度も票が入ったことがないどころか、そもそも描き方が定まっていませんでした。

先生と色んな描き方を模索して、試験の2日前に描き方を決めたり、絵を描きなさいというお題でどんな絵を描くか考えている時、先生と一緒に地図にない島を探すような感じで、ワクワクしました。

答えは自分で決めなきゃいけないこの試験で、自分が納得出来るまで夜中まで付き合ってくれた先生には感謝してもしきれないです。

それでも3日目が終わった後、電車に乗りながら落ちたなと確信しました。試験時間が終了した時、自分の目の前に映る作品に全然納得出来なかったからです。

面接、失敗した…スケッチブック、もうすこし面白く出来たよね?というかもっと面白い構図たった今思いついたんだけど!と、後悔ばかりでした。

でも、アトリエで勢いのまま描けたあの激しい動きや流れは誰にも真似出来ない!合否とか気にしないで楽しくカッコよく描けたはず!そう信じました。

合格発表の日、自分の番号を見つけて嬉しくて涙が出ました。

正直予備校に来てから苦労の連続で、コンクールとか全然ダメだし、油絵に至ってはロクに納得出来る域まで至った作品がないし、1年間で満足して描けた絵なんて数えるにも満たない程度でした。

でも、人生でここまで何かに熱中して努力出来たのは初めてで、泣いたり笑ったり悔しかったり色々な事したり、予備校の中で勝手にライバルを見つけたりして、まるで漫画の主人公のように頑張って輝けた気がしてなりません。

芸大に受かったからといってここがゴールでは無いと思っています。

きっとここまでが物語の第一部で、大学から新しい第二部が始まる、そう思うとこれからもワクワクと挑戦が止まりません。

こんなダメダメな私がここまでこれたのは1年間ずっと向き合ってくれたどばたの先生、高い費用を惜しまず出してくれた家族、辛い時に冗談を言い合った友人達のお陰です!!ありがとうございました!!すいどーばたの先生方、いつも答え辛い質問ばっかしてごめんなさい!本当にありがとうございました!!!ずいぶん文が長くなりましたが、これからも夢に向かって走り続けられるように頑張ります!!

北村 舜さん

東京
都立総合芸術高等学校

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

自分は1浪目、3浪目ともに9月からどばたに通い、3浪目にして受かることが出来ました。2浪目は宅浪です。

 浪人中はどばたで絵を描く時間よりも自発的に動く時間を大事にしていました。坊主にしてヒッチハイクしたり公募展に出展したり貯めたバイト代で一人地球一周など自分が実際に体験することを心掛けていました。好きなことをするのも、そこで体験して感じた気持ちも、どばたをサボるのも、絵を描く上で自分の気持ちを否定しないで向き合うのにとても重要な事だと思うからです。そもそも絵を描くこと自体、正解が無い自己満足的な自己対話だと思っています。個人的にはどれだけ自分が自身のことを知ってるかが絵の良し悪しになるのだと感じました。

 これから受験される方に伝えたいのは、先生や周りの意見評価よりも自分がどう感じて何の為に絵を描くのか、それを知って主体的に動くことが1番だということです。今受験生だろうと大学生になろうとやることは何も変わらないので、今やりたいことを好き勝手にやり抜いて欲しいです。

網野 凪沙さん

千葉
県立千葉大宮高等学校

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

高校二年生から地元の美術予備校に通い、一浪で落ちたのが昨年度です。それでも東京藝術大学を諦めきれず、二浪することを決意いたしました。金銭的に余裕がなく、地元の画塾で絵を描かせてもらいながら、夏季講習会、冬季講習会、入試直前講座、この3つはすいどーばたで受講しました。昨年度は夏季講習を受講し、とても手応えを感じた講習会でしたので、今年はすいどーばたで受験を迎えようと思っていました。

 ずっと色々な絵を描いていて、あれもこれも違うと悩み続け、ようやく描きたいことを見つけたのが今年の一月に入ってからでした。

自分のテーマが定まってからは、どうしたら絵が良く見えるか、ということに絞って研究できたので、絵のクオリティが短期間でメキメキと上がっていくのを実感することができました。

 そうして迎えた一次試験。自分としては大失敗の絵を描いてしまい、落ちたと思い込み泣き暮れました。しかし、それでも拾い上げてくださり、なんとか合格まで辿り着くことができました。自分の評価などアテにならないと痛感し、最後まで諦めてはいけないと、身をもって学ぶことができました。そして自分の中にテーマや軸を持って制作することの大切さも実感しました。

 すいどーばたの先生には感謝してもしきれません。悩んでいる私の手を引いて導いてくださり、本当にありがとうございました。ここがゴールでなく、また忙しい日々になると思いますが、なんとか4年間全力で駆け抜けて行きたいと思います。本当にお世話になりました。

若林 岬さん

千葉
県立千城台高等学校

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

軽く広くとだけ考えていました。
1人で食事、バイト、寝て、起きて、少し描いて、人と食事して、それのどこに辛いことがあるのかわかりません。
たまに起きるトラブルにはその時々時々時々時々に悩めばいい。
僕の過ごした浪人生活は楽しかったし、これからもきっと楽しいんだろうと思います。

川上 真紀子さん

埼玉
県立芸術総合高等学校

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

私は絵を描くことが好きです。朝から夕方まで学校で絵を描く生活はとても気に入っていました。池袋駅から学校までの道のりに大きい木が立っている公園があるので、立地も良いです。あと美味しい唐揚げ弁当屋さんが坂の下にあります。昨年の秋口に、コンクールで上位に入ったら唐揚げ弁当を食べられるルールを作りましたが、全く上位にならなかったので、いつでも食べれるルールを作りました。そのおかげで幸せホルモンと絵パワーが手に入りました。
唐揚げ弁当では乗り越えられないつらいことがたくさんありましたが、合格したら全部忘れました。奇跡です。楽しい思い出は鮮明に覚えているので、奇跡です。
お世話になった先生が2人います。熱心に指導をしてくれて、とにかく優しかったです。2人の先生がいたから、私は合格できたと思います。本当に本当です。
家に帰ると夜ご飯を作って待っている母としっぽを振ってるチワワがいて、心の支えになりました。母はずっと私を信じてくれて、最後まで支えてくれました。
先生方、友人達、家族、ありがとうございました。大好きです。

小久保 拓実さん

埼玉
県立川越高等学校

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

高2の冬に進学先を藝大に決めた。ただ一番入るのが難しい美大というそれだけの理由だった。
高3で夜間部に入り、経験も技術も無い僕は、周りの人の上手さや藝大がどれほど難しいのかを痛感し、ガムシャラに描くことしか出来なかった。その年は一次落ち。本番の緊張感からまともに描くことが出来なかった。悔しくてそこで何としても藝大に入ろうと決意した。それからの昼間部では徐々に知識や技術を身につけていき、そこそこ描けるようになっていった。2浪のときには二次まで行けたが結果は不合格。その年に、今まで一緒にやってきた友人達が藝大を含め大学に進学していき、更に焦りを感じるようになった。
来年こそはと心に決め、3浪では確実に合格できるよう準備をしていった。しかし、その年は一次で落ちてしまった。藝大の傾向が変わったのだ。ショックというか、その一年が全て無駄になったように思えてきて、藝大が一気に遠のいた気がした。正直、美術そのものを諦めようとも思い、環境を変えるためにどばたを離れて自らの力でやれることにチャレンジした。4浪の冬にどばたに戻ってきて、チャレンジして得た技術を生かしながら意識を受験にシフトさせていった。その中でコンクールで評価されなかったりすると、自分が正しいと信じて先生の意見に耳を貸さなかったこともあった。でもやはり受験ということで言えば先生の意見は正しかったし、取り入れることで作品の質は良くなっていった。
夜間部を含めた5年間で得た経験は自分の美術というものの大部分を占めていて、5年という月日が長いかどうかは置いておいて、この時間をここで過ごしたことに感謝しているし、変な話、過ごせて良かったとも思っている。
最後に、受験を最後まで諦めずに支えてくれた家族、色々なことを教えてくれて合格に導いてくれた先生方、切磋琢磨してきた友人達、みんな本当にありがとうございました!

原口 智照さん

東京
高等学校卒業程度認定試験 現役

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

僕が絵を描こうと思ったのはちょうど一年前でした。自分の兄が絵を描いてる姿を見て自分も描いてみようかなと思い、家から一番近く実績もあったすいどーばたに通おうと決めました。

初めは木炭や油絵具の使い方すらわかりませんでした。自分なりに色々な方法で描いてみたり、考えたりしました。すいどーばたにはすごい絵を描く人がたくさんいて、コンクールも結果が良くなく、途中で絵を描く自信がなくなったこともありました。

いざ一次試験の時、与えられた出題に対してどう自分の絵と合わせていいのか分からず、諦めそうになりました。でも他の人たちに負けたくなく、必死に必死に考えてるうちにそんな必死になっていても描き始められない自分を描いてやろうと思いました。描き始めた後は死ぬ気で描きました。

二次試験は自分を信じて、持てる最大限の力を出しました。

ここまで引っ張ってくれたすいどーばたの先生にはとても感謝しています。ありがとうございました。

杉山 愛姫さん

静岡
静岡県立沼津西高等学校 現役

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

とにかく有言実行。ただそれだけでした。

自分の絵を描く原動力は、怒気でした。

絵が上手い人達に勝手に腹を立て、描けない自分にも腹を立て、イライラしながら制作していた気がします。決して絵が上手いわけではなかったけれど、自分に合ったスタイルを一緒に模索してくれたすいどーばたの先生方には感謝しています。

そして何より、母の言った「きっとうまくいくよ」が本当に力になりました。一緒に駆け抜けてくれてありがとう。

短い間ですが、めちゃくちゃお世話になりました!どばた最高!ありがとうございました!

廣川 虎之介さん

静岡
私立常葉大学付属菊川高等学校

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

現役生の頃から、美術予備校に通い、一次試験に2回落ちた僕は、藝大とは受からないもので、大学に行かず自分で絵を描いて画家になってやろうと思っていました。

 しかし、その理想とは裏腹に、ただバイトをして疲れて眠るだけの絵を描かない日々が続きました。一日十時間の仕事を続けている中、久しぶりに親がかけてきた電話で、これは自分が思い描いていた生活とは違うことに気付きました。そこでまた藝大を目指して受験することを決めました。

 新しい環境を求めて、すいどーばた美術学院に夏期講習から通うことにしました。

 実際来てみると、どばた特有の雰囲気や自分にとっては新鮮な指導方法が多くありました。どばたは朝からアトリエに来る生徒が多く、コンクールが頻繁にあり、他のクラスの先生の指導や生徒の作品を見る機会が多いところが印象的でした。それと、夏期講習会では現役藝大生の若い先生たちの指導も受けることができました。この環境は僕に新しい刺激や、藝大に受かるためにどういう考え方で絵を描くべきかといういろんな視点をくれました。

 自分の絵の内容はどれくらい人に伝わるのか、沢山の受験生の中で自分の絵は戦えるのか。コンクールの時に、肯定してくれる先生とそうでない先生の意見にどう対応すべきか、などの様々な視点から自分の表現を見直していくうちに、自信を身につけていきました。僕の担当の先生は、いつも熱心に質問に答えてくださり、特に2次試験の間には遅くまでアドバイスをくれて、そのおかげで絵がどんどん進化していきました。

 どばたでは、先生からの直接的な助言はもちろん大事ですが、自分自身の判断でここで得られる沢山の情報の中から必要なものを見極めることがとても重要だと思います。合格を目指す上で、藝大の油画が発信するメッセージや募集要項などを手がかりに自分で考えてみることもとても大事だと思います。

 藝大受験において、貴重な意見や新たな視点をくれたすいどーばたの先生方や支えてくれた身の周りの人にとても感謝しています。ありがとう王ちゃん。

坂本 那々莉さん

茨城
私立鹿島学園高等学校 現役

合格大学:
東京藝術大学 絵画科 油画専攻

私は3年間講習会や入直以外は基礎科の日曜コースにいました。通っていた高校も一年生までしか美術の授業がなく、気が向かなかったので美術部にも所属していませんでした。

印象的だったのは「受かると思ってりゃ受かる」という先生の言葉。私はこの言葉を信じて3年間絵を描きました。

基礎科では特に難しいことを気にせずのびのびと自分の好きな絵を描きました。先生が毎週 服を褒めてくれるので、お洒落して予備校に行くのが楽しかったです。週一の授業だけで油絵を描く機会があまりにも少なかった事やなかなか技術が向上しないことで何度も不安になりましたが、そのたびに先生は「マァ受かるっしょ」と言いました。だから私も「ふーん。受かるんだ」と思っておきました。

それでも講習会などで夜間部生や中間部生のすごい技術に圧倒されて、そんな呑気なことを言ってられない!とものすごく焦りました。ひたすらもがいて内容の無いそれっぽい受かる絵を描きました。夢中になってこねくり回した胡散臭い言葉をスケッチ用紙に書きました。今思えばバカだなあと笑えるけれどその時はとにかく必死だったのです。

結果 受験前の最終コンクールはボロボロでした。流石にああ私は今年落ちるんだと思いました。コンクール後の講評会で先生に「こんな絵を描くな。もっと趣味の絵でいい」と言われました。受験には向いていないと思っていた私の絵を「描いていい、これで十分勝負できる」と言われたのが嬉しくてその日の帰りにはもう「マァ受かるっしょ」状態でした。

最終コンクールが終わってからはひたすら好きな絵を描きました。先生の「藝大に入って描きたい絵を描きな」という言葉に勇気づけられました。今考えれば受験直前が人生で一番ポジティブでした。

そしていざ二次試験。初日にいつもできていた作業が全く上手く運ばず、、通常の5倍ぐらいの時間がかかってしまいました。あれだけポジティブだった私も不合格を覚悟しました。それでもどばたに帰ると、先生が遅くまで私の絵に付き合ってくれました。こんなどん底にいる私を見捨てないでくれたのが泣くほど嬉しくて先生のためにも受からなきゃという気持ちになりました。先生には私の力を最大限引き出していただきました。

そして終わってからはひたすらポジティブに過ごしました。藝祭で自分が法被を着ている姿を想像したし、藝大のアトリエでどういう展示をしたいか考えたし、受かったら誰に報告しようとか、合格体験記に何書こうとか、ひたすら「受かったら」のことを考えていました。

合格発表の日、自分の番号があって本当にびっくり!!発表後先生と握手をしてどばたで絵を描いてきて本当によかったなと思いました。高い交通費を出して茨城から通わせてくれた両親、基礎科で教えていただいた先生方、この数ヶ月でわたしを勝負できるレベルまで鍛えてくれた担当の先生、本当にありがとうございました!藝大生の名に恥じぬよう精一杯努力します!