油画科 2018

尾形 楓 さん

秋田
県立秋田中央高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「合格体験記」

 私がすいどーばたに来たのは浪人が決まった時で、そこから2浪しました。
1浪目では基礎を学び、 2浪目ではその基礎を崩すことを学びました。
すいどーばたは、様々な先生方が居て、多くの参考作品や資料が有るため、自分に合った描き方を学ぶことができました。
家族や先生方、どばたの仲間、私を支えくださった方々に本当に感謝しています。ありがとうございました。

高見 空良 さん

宮崎
私立日向学院高等学校 現役

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「イケイケ池袋」

 地元で通っている画塾の先生から薦められ、高校2年生の夏季講習からすいどーばた美術学院に通うことになった。
信頼する画塾の先生の薦めだということもあって、安心できたし、東京での一人暮らしという初めての経験も楽しみだった。
高3からは夏季講習、秋~冬季の通信教育、入試直前講座と参加した。
結論から言うと、すいどーばた美術学院に来ていたから東京芸大に合格できた。
それには二つの理由がある。
 一つ目は、すいどーばたの先生方が僕の作品の方向性を導き、固まる転機を与えてくれたからだ。
高3の夏季講習の終盤、「ある日の出来事という課題でコンセプチュアルでミニマルな絵画を描くことにたどり着いた。
通信教育では、時に締め切りに間に合わなくても担当の先生が優しい言葉で常に励まし続けてくださった。
著名画家の作品や着想を得るための勉強法を根気強く教えてもくださり、入試直前講座につながった。
受験中には深夜まで一緒にキャンヴァスに向かい、「自分を信じて力を出しきれ」という言葉で試験に送りだしてくださった。
事務の方にも同じ宮崎県出身の方がいらっしゃって、陰となり日向となり支えてくださった。
先生方との学びの1日1日がありがたかった。
 二つ目は、同じ道を志す友人たちに出会えたからだ。
家族などは遠く離れた一人暮らしを心配していたようだが、友人がいたのでとてもとても楽しく生活が送れた。
タイトルの「イケイケ池袋」はその友人の一人がいつも口にしていた言葉だ。この言葉とともに、すいどーばたでの最高の思い出がある。
 すいどーばたでお世話になった先生方、友達、本当にありがとうございました。
大学ではいろんなことに興味を持ちながら、自分の表現を深めて行こうと思う。

山本 佳奈 さん

高校卒業程度認定試験 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「楽しい三年間でした」

三浪したけど楽しかったです。
友達とどこかへ遊びに行ったりすることはほとんど無くて、すいどーばたで週六日、一人で絵を描き続ける生活でしたがそれが本当に楽しかったです。
毎日一人だから、無意識に色々なことを考えていました。
すいどーばたの三年間で考えたことは、三年間で作った作品と同じくらいかそれ以上に私にとって価値のあるものになったと感じます。
すいどーばたの生活の、特に最後の一年間は、東京藝大の入試に向けより具体的に考察し、意識を持って時間を過しました。それが大学合格に繋がったと思います。
大学の四年間も意味深いものにできるように自分の思う最大限の努力をし続けたいです。
最後にすいどーばた美術学院、先生方、関係者の皆様、そして私に影響を与えた過去の偉人たちに感謝をして終わりたいと思います。
ありがとうございました。

本多 周 さん

埼玉
県立川越高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「すいどーばたで得たもの」

 基礎科時代を含めると、すいどーばたには四年間通った。
思い返すとこの四年間、先生方は僕に自由に好きなように描かせてくれたと思う。
たまにそれが不安になって、「自分の絵はこれで本当に大丈夫なのか?」と考え込むこともあったが、面談で一言「面白い!」と言われるとその不安も吹き飛んだ。
純粋に絵を楽しみにしてくれているように感じて、次はもっと面白い絵を描いてやろうとやる気にもなった。
思えばその悩んでいた時間は、自分の絵と向き合い、本当に描きたいものについて考える貴重な時間だったのだと思う。

 先生はいつも「本多の絵は面白い。本多の好きにやって。」と言ってくれた。
絵を描く上で自分を信じることは大事だと分かっていても、それが本当に難しい。
だから、本番までそう言い続けてくれたことは、僕の中で拠り所となって試験を乗り切る自信になった。何より、嬉しかった。

 すいどーばたでは、白いキャンバスに有を生み出す苦しみを味わい、信頼できる友人と互いの絵について話す楽しさを味わい、とても濃い時間を過ごさせてもらった。
一人悶々と考えた時間も、先生に見つけてもらった僕の強みも、ここで得たもの全てが芸大合格に向けてプラスに働いたと心から思う。
 今まで応援してくれた方々、信じて見守り続けてくれた先生方、本当にありがとうございました。

杉山 日向子 さん

東京
私立女子美術大学附属高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「三度目の正直」

わたしは小学生の頃図工が好きという理由でなんとなく美術系の学校に入り、高校生になってから家から徒歩で通えるし、周りより上手くなりたいという理由でなんとなくすいどーばたに通い、気づいたら二浪してました。

現役生の頃は右も左もわからず、こんなもんでいいのかという気持ちでかいていました。
そのまま一浪してどっちも二次試験で落ちました。
油画科なのに油絵で2回落とされたことは苦痛でした。
自分は油絵を描くのが向いてないんじゃないか、そんなことを何回考えたかわかりません。
コンクールでダメだなって思った絵はださなかったり、描かなかったりしてひどい浪人生でした。
そんなことをしてるうちに、年が明けてからは、まわりがどんどん力をつけてきて、他人の絵を見ると息ができなくなるくらいに追いつめられてました。

自分ができることはなにか考えました。
私は色感があったり、描写できるタイプではないので自分のプロセスを必死に探しました。
二浪で最後と決めていました。
二次試験の2日目いざ絵の具をのせるってなったときに全てこの一枚で決まってしまう恐怖と不安と緊張に襲われ手が震えました。
トイレに行き三度目の正直と自分に言い聞かせて自分をなんとか奮い立たせました。
二次試験中、気づいたらもうこの絵で落ちたら私にこれ以上できることはないなぁと悟りながら描いていました。
そう考えるとどばたは私の人生でとても糧になった場所だと思います。今までありがとうございました。

木村 美和 さん

愛媛
県立今治北高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「結果良ければ全て良し」

今思い返せば、本当に楽しく、ひとりの人間として貴重な体験が沢山できた濃い2年間でした。
私は高校3年生の時に、初めてすいどーばた美術学院の夏季講習に参加しました。
ずっと地元の絵画教室で必死にデッサンを描いてきましたが、初めて見る都会の学生のテクニックや浪人生の画力に圧倒されたことを強烈に覚えています。
浪人生になっても、ただただ完成に向けて、必死に食らいつきながら描くことしか知らなかった私は、周りの学生のしっかりと考えられた賢くてカッコいい絵の前に打ちひしがれ、コンクールでも大した成績が上げられない辛く厳しい日々が続きました。
遠くからいつも静かに励ましてくれる優しい両親や親戚、親身になってくださる先生の期待に答えられない悔しさ、何より自分の絵にだんだん自信が持てなくなる恐怖に何度も挫けそうになりました。
でも、そんな私を先生は諦めることなく、いつも真剣に私と私の絵に向き合ってくださいました。
そして2浪目の冬には、自分の純粋に絵を描くことが好き!という気持ちを再認識し、2年でいつのまにか成長していた画力にもだんだん自信が持てるようになってきました。
試験本番では絵を描くことを純粋に楽しめ、心から幸せな気持ちでいっぱいでした。
この合格は、決して私ひとりの力ではなく本当にたくさんの人の力で成せたことだと、今つくづく思っています。最後まで私を諦めずに付き合ってくださった皆様に心から感謝しています。これからも精進することを怠りません。ありがとうございました!

橋本 大河 さん

福島
県立福島西高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「絵のモチベーションについて」

まず、この体験記は「こいつはたまたまそう考えていた」程度に捉えてください。
この場では絵を描く際のモチベーションについて話をします。
絵のモチベーションは自分が絵の何に興味を持っているかに深く関わっていると思っています。
当たり前のようなことですが、これを見失うと即席で作った「個性のようなもの」に引っ張られて白いキャンバスが嫌になったり怖くなったりと、どうしても絵を描くきっかけや衝動、つまるところモチベーションが保てなくなるような気がします。
それに、興味を持ったものは価値になり得て、それが時に共感を生み、絵に色々な解釈が生じて様々な副産物がこぼれ落ちてくれるような気がしています。
僕は絵の具や豊かさや優しい生命力に興味がありましたが、人によってその興味は様々です。
それらの興味や自分が感じている感動を、価値として提示できれば作者の内面的なものも含まれて、表層だけではない良い絵になるような気がします。

服部 紗弥香 さん

埼玉
県立芸術総合高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「悔しかった1年間」

本番で焦ってしまい、思うような力が発揮できず一次落ちから始まった浪人生活。
最初こそ良かったものの、学期が進むにつれ模索し、いくら頑張っても評価されなくなっていきました。
入直に入ってからは少し安定してきたものの、最後のコンクールでも一票も入りませんでした。
この結果が全てではないことはわかっていながらも、引きずっている部分は本番の間もずっとあり、二次の1日目に「この絵をコンクールに出しても、また評価されなさそう。」なんて思ったりもしました。
ただ、担当の先生と、構図や、悩みの多かった色彩の部分をしっかり進められるように明確なビジョンを立て、2日目に臨んだことで迷わず手が進みました。
とにかく、少しずつでも、目の前の絵が終わることだけを意識しました。
自信はなかった。でも頑張った。それが感想です。
この1年、華やかしいものではありませんでした。
辛くて、絵を描きたくないことの方が多かったです。しかし、その逆境が自分の心を強くしたのも事実です。
お世話になった先生方、友人、家族、たくさんの人たちに感謝しています。ありがとうございました。

酒々井 千里 さん

岐阜
県立加納高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「浪人生活」

現役の頃は1次で落ちました。その頃はいろんな人に対して申し訳なさを感じていました。
「浪人」という言葉が重かったです。
それから1年の浪人生活を経て芸大に受かりました。
浪人生活は世間体という面では苦しかったけれど、総じて見れば楽しかったです。
阿呆な友達が多かったのです。阿呆な友達が阿呆なことをしているのを見て阿呆だなぁと思ったりしたのもいい思い出です。
そんな阿呆な友達と一緒にいたら、気楽な絵が描けるようになりました。
自分と絵との距離感が少し離れて、いい感じになったと思います。

自分の場合は、芸大生になると言っても、だめだめ浪人生からだめだめ芸大生に昇格した程度だと思います。
これからの人生が劇的に変わっていくような期待はしていません。
いい絵が描けなくても阿呆な友達がいれば、それでいいや、と思います。
こんな自分を応援してくれた人たち、懸命に指導してくれた先生には感謝しかありません。ありがとうございました。

渡部 真梨菜 さん

福島
県立福島西高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「受験を振り返り」

勉強も運動も中の下、だけど絵なら…と思い美術系の高校に進学しました。
講習会でどばたの先生が度々学校へ来て下さり、芸大受験の世界へ引き込まれていき…芸大一本で挑んだ現役は一次落ちでした。
なぜ他の大学も受けなかったのかという後悔と同時に、一年間受験美術の本場で学べると思うとわくわくしている自分もいました。

 どばたはコンクールが多く、うまくいくときもいかないときも次へつなげる意識を持って描き続けられました。
出来の良い絵は少なかったけれど、先生のお力添えもあり、自分のテーマを見つけたりと最後までいい方向に動いた気がします。
入試の絵もとびきり良いのが描けたというより、自分がやってきたことを一つ形にしたという感じだと思います。

 この一年、辛かったのは住み込みで働いたことぐらいで…総じて楽しい浪人生活でした。
お世話になった先生方、居候させてくれた親戚の皆様、両親に、感謝しかありません。本当にありがとうございました。

奥村 研太郎 さん

東京
都立芝高等学校 現役

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「微妙であったかいもの」

夜間部1学期、2学期。
先生に様々な写真家の作品を見せてもらって、ただの風景がこんなにカッコよくなるんだと感心した。スマホで身の回りのものを撮りまくった。
本が好きな先生と小説のススメあいをして今まであんまり読まなかった種類の小説を読んでみたりした。
わかるわかるってなる他人との関係の感じ、それまで気にしていなかった感情、など気づくことが沢山あったしそれを伝えたら真摯に返してくれる先生がいたことが本当に幸運だなと思う。

冬季では、コンクールで評価されず絶望して泣いた。
入直でも、もうなんでもいいから受かりたいと言わんばかりに、過去の合格作品やコンクール上位の作品の構図や絵の具の使い方をパクり、手当たり次第にやっていた。
「受かる絵」は入直時期には絵がまとまり始めてるはずだと思ってそうしてみたり。
「受かる絵」は何か物凄い感じ、漠然としてるけどなにかすごいことをやってるのではと思ってまたパクりたくなったり。
でも頭のどっかでずっと思ってた。俺はなんてくだらないことをしてんだろうと。よしんば、万一、受かったとしても、この思考回路の俺では100%大学でやっていけないだろうなと。

先生達のアドバイスなどで、段々、ほんとに時間をかけて少しずつ絵に対する姿勢が変わっていった。
急に上手くなったわけじゃないし、突然頭が冴えたわけじゃない。
微細な部分の木炭ののせ方だったりちょっとしたアイディアを割と形に出来たこと、ちょっと視点を変えてみるだけで意外とかっこいい絵ができるんだと気づくこと、そんな微妙であったかい実感が僕を支えてくれた。
小学生の頃から、なんでタマネギやら薄汚れた木箱やら一見してくそつまらないものを好んで描いたのか。ただ単に、細かく描けるモチーフだったからとも言える。でも今なら、それらは一貫して微妙であったかい細部をもっていたからだ、と言葉にできる。

そんな風に感じ始めてからは前よりずっと描いたものがそのまま形になっていった。
勿論、その時から本番まで順風満帆に波に乗ったとかいうわけではなく直前まで意味不明だったりメチャクチャな絵は描いていたが。
でもそれはそれで大切に描くことができた。

色んな絵画や写真を見たこと、小説を読んだこと、音楽を聴いて歌詞について考えたこと、先生と話し合ったこと、どばた構内を歩き回ったこと、いやになると屋上に行ったこと。一つ一つが凄い価値になるのではなく、時間をかけて僕の体の中で微妙であったかいものになっていって、本番の時でも、その時一番見たい絶景を描くのに、少しずつ協力してくれたように感じる。元気玉みたいな感じで。

基礎科での一年、夜間部の一年に、一点の無駄も無かったなと思う。描いた時どんなに嫌だった絵でも全部が微妙に絡まり合って僕を形づくってきてくれたし、これからも僕の出発点は他でもない自分なのだと思わせてくれる。

長くてすみません。最後に。
これまで僕に関わってくれた先生、家族、友人、教務の人、皆んなに心から感謝します。本当に恵まれていることを実感します。
僕は足りないところは沢山あるけど、これからも今までのように這いずり回りながら頑張ればなんとかなる気がします。ネガティブ度-1になりました!
本当にありがとうございました。

多鹿佐菜 さん

奈良
県立高円高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「受験期間」

私は人より不器用で描ける絵の幅も少なかった為、出来る事の精一杯でどうすれば良い作品が描けるか意識して制作していました。
がむしゃらに頑張ってどうにかなる絵ではなかったし、考えながら描く力もなかったので先生の指導やアドバイスがあったおかげで少しずつ纏まっていきました。

また、心身共に不安定で絵の浮き沈みも激しかったので、しんどい時は休んで描いたら失敗していても必ず完成させると決めていました。

精神面が特に弱くて、一人ではどうにもならないと思い 周りの先生や友達に頼りきりでした。何度も何度も励まして貰ったし、迷惑もかけていたと思います。
試験会場で絵を描いたのは確かに自分自身ですが、すぐにへこたれていた私を描けるように支え続けてくれたのは間違いなく先生方や友達です。

予備校としても、自分の美術を考える所としても、大切な場所になりました。
どばたで出会えた先生や友達と過ごした時間があったから今笑えているんだと思います。

ありきたりな言葉ですが、本当にありがとうございました。

神垣凪沙 さん

広島
市立基町高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科 油画専攻

「この一年を振り返って」

入試前の最後のコンクール。結果はゼロ票でした。
このままでは落ちてしまうかもしれないという焦りや不安で、入試までの残り少ない制作枚数を無駄にしてしまうこともありました。
そんな時、先生からのご指導やクラスの仲間からのアドバイスや励ましのおかげで、自分の表現したいものはなんなのか、それを真っ直ぐに伝えるにはどうすれば良いのかなどをはっきりと意識することができました。
この一年、多くのことを学ぶなかで改めて私は色んな人に支えられているんだなと実感しました。
辛いことも苦しいことも沢山ありましたが、ここまでやってこられたのはどばたの先生方や仲間、そして家族の支えがあったからだと思います。
短い浪人生活でしたが、今までの人生の中で一番濃く、充実した、貴重な一年になりました。本当にありがとうございました。