日本画科 2024

※準備中です

A.Hさん

合格大学:東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻

出身校:女子学院高等学校

『現実逃避』

私は受験において、最後まで可もなく不可もなくみたいな絵を描き続けていたと思います。安定は長所だと思いつつ、限界まで努力できているという自信もなければ大きな進化もない日々にこれでいいのかと不安になることが多々ありました。
今思えば、予備校で絵を描くことは主体性を持つための訓練のようでした。出来なさそうなことを避けてある程度で手を打とうとする癖は絵を描く上では大きな弊害であり、挑戦する勇気と元気を持つことが私にとって課題だったと感じています。途中まではセオリー通り上手くいっても完成につながらないことがよくあったのは、リスクを恐れて試行錯誤を避けていたことや、完成のイメージがないまま形ばかりの仕事をしていたせいでした。というよりそもそも上手い絵というふわふわした言葉にとらわれていたので完成図を現実的にイメージすることが困難で、なんとなくうまくいってほしいなと思考放棄していたところは大いにあると思います。今でもまだできないものはできないというか、漠然とした「完璧」を目指して尻込みする癖は治っていないような気がしますが、こと受験本番に関しては気負って考えるより見たままを描くだけでいいと早い段階で思えた事が良かったのかなと思っています。
私は美術への純粋な憧れからではなく、自分ができることを探して藝大受験に流れついたようなもので、合格した時、ついに瀬戸際まで来てしまったと思いました。しかし、努力できるものがある事はとても嬉しい事だと、この受験を通して体感したのもまた事実です。希望を持って学んでいこうと思います。
この生活を支えてくれた家族や、身にならない話を聞いてくださった先生方、一緒にいてくれた友人達には感謝しかないです。ありがとうございました。これからも頑張ります。