【映像科】 日本のアニメーション監督〜『映像研には手を出すな!』から

投稿日: カテゴリー: 映像

映像科です。

 

ここのところの新型コロナウイルスの影響で本日予定していた映像科の体験授業「映像鑑賞 – アニメーション」は中止となってしまいました。残念です。

外出を控え自宅で多くの時間を過ごしている方もたくさんおられるのではないでしょうか。YoutubeやNetflix、Amazonプライムなど映像を観て時間を潰している、あるいはドラマや映画にすっかりはまってしまった、という人もいるかもしれませんね。

 

そこで今回は開催するはずだった映像科の鑑賞授業の一部を、リンクと解説を交えてブログに書こうと思います。

今NHKで放映しているアニメ『映像研には手を出すな!』。この作品を中心に日本のアニメーションについての触りを書いていきます。原作は「月刊!スピリッツ」で連載中の大童澄瞳による漫画です。FODで配信されています。

 

 

 

芝浜高校に通う女子高生3人組がアニメの中でアニメを作る、いわゆる「メタ・アニメ」の設定なっています。物語や世界観の設定と演出に長けた浅草みどり、アニメーターを志すカリスマ読者モデルの水崎ツバメ、アニメには疎いがプロデューサーとしての能力を発揮する金森さやかが物語の主人公です。高校生の日常の中で、浅草みどりの妄想がVRやARのように現実にオーバーラップする映像は圧巻です。

 

 

作ることへの情熱や好きなことに対するエネルギーが爽快なアニメです。また個人的に興味深いのが金森さやかの存在です。ただ作品を作って終わりではなく、どう見せるのか、どのように注目を集め収益を上げていくのか、という金森のプロデューサー的視点が描かれるのですが、それはアニメにとどまらず美術の世界でこれから作品を発表していくみなさんにとっても有益なものと思います。

 

アニメの監督は湯浅政明で、映画『きみと、波に乗れたら』『夜明け告げるルーのうた』(←特におすすめ)『マインド・ゲーム』、TV『ピンポン』『四畳半神話大系』などの監督です。FlashというAdobeのアプリケーションを使用した「フラッシュアニメーション」と呼ばれる手法を採用し、独特な線と色彩、動きを描きます。その手法は『映像研には手を出すな』の世界観とも非常にマッチしています。

 

 

作中で日本のアニメーション作品のオマージュが散見されるのも特徴です。そこからいくつかの作品に触れていきましょう。

 

まずは冒頭で浅草みどりがアニメーションの世界を目指すきっかけとなるのが『未来少年コナン』です。これは1971~72年に放映された全26話のTVシリーズで、全話の演出を手がけた宮崎駿の実質監督デビュー作と言われる作品。

 

 

その後の『風の谷のナウシカ』や『天空の城ラピュタ』の原型が見られますね。

 

次に大友克洋の『AKIRA』。これはほんのワンシーンですが、『AKIRA』の主人公・金田がバイクにブレーキをかける際に車輪から火花が飛び散るという演出が金森さやかの自転車のシーンで用いられています。このシーンが他にも様々なアニメでオマージュされています。(ラストが映像研)

 

 

『AKIRA』は1988年の映画で、原作は全6巻の漫画です。大判でかっこいい装丁です。映画『AKIRA』は当時の優れたアニメーターを各スタジオから集め、日本のアニメーションの力を結集して作られました。欧米から「ジャパニメーション」と呼ばれる潮流を作り出した作品のひとつです。当時はまだ漫画の延長線として捉えられていたアニメを、実写映画のようなカメラアングル・カメラワークと、緻密な描写に基づいたリアルな作画で描き、その後の流れを作り出しました。

 

 

舞台がオリンピック開催を翌年に控えた2019年の東京である点も注目を集めました。大友克洋はアニメーションに関しては寡作といえますが、現在新作を制作中のようです。楽しみです

 

 

次に押井守監督の『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』。第11話で映像研の部室を警備部が襲撃しますがその時の台詞回しや立ち回りがオマージュになっています。

 

引用:https://media.comicspace.jp/archives/5399

 

『攻殻機動隊』は士郎正宗の漫画が原作で、『攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL』は1995年の作品です。早くからネットやサイバースペース、AIやロボティクスに着目して作られた作品で、あらゆることが機械化する世界で人間であることとは何なのかという問いが主題に据えられています。

 

 

今作も『AKIRA』と同様「ジャパニメーション」の代表作とされました。続編も多数作られ、ハリウッドでリメイクもされています。押井監督は他に続編となる『イノセンス』や『機動警察パトレイバー』などを監督していますが、過去の偉人の言葉を引用した台詞回しやアニメーションにおける長回し(絵が動かない)など独特な演出方法が特徴的です。

 

 

世界的に評価が高い日本のアニメ。その礎を築いた作品を踏まえて作られている『映像研には手を出すな!』は次回の放映が最終回ですが、原作は連載中なので、ぜひ漫画でも読んでみてください。ドラマや実写映画にもなりますね。またここで紹介した他の映画もネットやレンタルで観てほしいです。体験授業ではさらに海外のアニメーションもいろいろと紹介する予定でしたが、そちらは授業で触れていきます!

 

さて、どばた映像科ですが春季講習会は開催との運びとなりました!アトリエには消毒スプレー完備でお待ちしています。今年度受験を控えるみなさん、アニメが好きな方もそうでない方も、ぜひ共に学びましょう!

 

詳細は↓から。

春季講習会 映像科

 

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2020年3月22日(日)〔映像