芸大、美大進学に関してよく聞かれる事をまとめました。
芸大・美大とは
芸大・美大に対して浮世離れした特殊な世界とイメージされる方も多いと思います。しかし大学で学んだ専門分野の知識や技術を生かし、社会の中で自己実現をなし得る優秀な人材を育むという意味において、芸大・美大が他の分野と変わる事は全くありません。
むしろグローバル化が進む現代社会において求められる高い専門性や独創的な創造力を培う環境として芸大・美大ほど適した環境はないとも言えます。
芸大・美大卒業の就職希望者の80%以上が希望職に就職し、様々な分野で活躍しています。
どんな事を学ぶ
各科の専門実技科目と教養科目を学びます。
専門実技科目では、ファインアートやデザインなど各科各専攻により大きく異なります。科ごとに必要なスキルを4年間のカリキュラムの中で学び、卒業制作で成果を発表します。
教養科目では、一般教養の他、美術史やデザイン史、美術解剖学など専門的な科目も学ぶことができます。
また、資格としては、教職を取得することができる他に、美大ならではの学芸員の資格や二級建築士受験資格を取得することができます。また、文化財保存修復に進むための技術を学ぶこともできます。
予備校での学習
予備校で学ぶことは,入試だけでなく、大学入学後、大学卒業後の活動を支える大事な基礎力となります。しっかりとした基礎力を身につけてから大学に進学することで、大学での4年間をより充実したものにしてくれます。難関大学では、レベルの高い基礎力を身につけた学生が集まるので、大学での制作も必然的に質の高いものになります。当然卒業後の制作内容や就職にも大きな影響が出てきます。
進学することを急ぐより、納得いく基礎力を身につけて、自信を持って進学することが、将来を大きく左右するので、焦らずにじっくり力をつけていきましょう。
中学生
日曜日に通い、美術系高校進学希望者は受験に必要な技術を学びます。美術系高校に進学しない生徒は基礎力を身につけ将来の大学受験の準備や希望の進学に備えます。
高校1年、2年生
基礎科に通いながら,各講習会で,基本的な技術を学びます。
高校3年生
月曜日から土曜日までの6日間、受験科に通いながら各講習会で,受験に必要な技術を学びます。
高卒生・高卒同等資格者(見込みも含む)
月曜日から土曜日までの6日間、受験科昼間部に通いながら各講習会で,受験に必要な技術を学びます。
才能や経験
才能についてよく聞かれますが、芸大・美大受験、また将来の仕事について考えた時に、いわゆる“天才”であることは求められていません。アートやデザインも社会の一部であり、コミュニケーションの手段です。才能よりもむしろ知識や技術など研究を重ねることが必要です。予備校でのカリキュラムをしっかりとこなすことで受験を突破する力が身に付きます。経験においても音楽の世界のように幼い頃から学んでいなければならない世界とは違い、高校生になってから学ぶことで充分対応出来ます。難関大学の入試は、個人で合格レベルに達するのは事実上困難と言えます。同じ目標をもった仲間といっしょに過ごすことや入試課題を専門的に勉強ができる予備校での対策が必須といえます。
入試について
専攻により内容は異なりますが、基本的にそれぞれの専攻に応じた実技課題と学科試験が出題され、その合計点で合否が決まります。一般的には,実技試験の配点が高いのが特長です。
実技課題はデッサンが出題されることが多く、それにプラスして専攻に必要な絵画や立体、色彩などの実技が課せられることが多いです。
学科については大学独自の試験(一般入試)の他、大学入試センター試験を利用できる大学もあります。
AO入試や推薦入試も含めると入試は複雑化していて、志望大学・志望専攻によりそれぞれ異なる場合があり、さらに年々変化していきますので、その内容の全体を把握するには専門的な知識が必要になるほどです。
美大の授業料
年間に必要な学費としては、入学時に必要な入学金・授業料、実習費、施設費、材料費等(各大学によってことなります。)の合計となります。
一般的には私立大学は国公立大の二倍程度の学費となります。
奨学金や国の教育ローンなどを利用するケースもありますので、必要に応じてお調べください。
各大学の学費は各大学のホームページ上に記載されています。
例:
東京芸大の学費(http://www.geidai.ac.jp/life/tuition_fee/ )
愛知県立芸大の学費(https://www.aichi-fam-u.ac.jp/campuslife/campuslife01/campuslife-01-02.html)
武蔵野美大の学費(http://www.musabi.ac.jp/prospective/tuition/fee/ )
多摩美大の学費(http://www.tamabi.ac.jp/admission/expense/fad.htm )
卒業後
芸大、美大の卒業生もかなりの割合で就職しています。
デザイン科はもちろんですが、絵画や彫刻などのファインアート系の学生も就職希望者の約8割程は希望職に就職しています。
具体的には、小中高専門学校大学などの教育機関、建築、広告関連や製造業のデザイン部門、イラストレーターや絵本作家、IT、アパレル、出版、またゲーム、3Dなどの映像関連も多くなっています。また,フィギュア造形師、漫画家になる方もいます。
他には大学院へ進学する方、作品の制作を中心にした作家活動をする方がいます。
学生時代から、何もないところから考え、工夫し、新しい視点を模索することを身につけるので、昨今では一般企業の一般職などもそういった人材を求めてきています。
また、大学卒業後の作家活動や、希望した分野への就職を考えると、レベルの高い大学に進学したほうがより可能性が広がります。特にデザイン業界では大学での格差が顕著に現れていて、就職に大きな影響があります。
例
:武蔵野美大の就職先(http://www.musabi.ac.jp/career/alumni/data/)