日本画科 2021

中田 開大さん

東京
青山学院

合格大学:
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻
多摩美術大学 絵画科 日本画専攻

正解は自分で創る

自分は高1の最後から合格までのおよそ5年間ずっとどばたでお世話になりました。
浪人2年目までコツコツ真面目に周りに追いつこう、抜かしてやろう、という気持ちを持って先生の思う理想を言われたアドバイスと共に勝手に考えながら全力で取り組んでいました。コンクールの順位も少しずつ少しずつ着実に上がり、二浪で受かるかなと思い受けた試験。一次落ちでした。なぜ落ちたのかどうすればよかったのか正直よく分からなくなりました。そして、その気持ちのまま三浪が始まります。親からはなんでもいいから私大を受けろと言われ仕方なく多摩美の一般も受けることになります。自分も落ちようがなんだろうがメンタル的にも限界を感じていたので最後の浪人になりました。やはりコンクールの順位は上がってくるのですが同時に不安しか生まれませんでした。どうしたものかと思っているうちに私大対策の期間に入ってしまい藝大の課題を一旦置き、普段やったことないようなことを沢山しました。今思うと藝大とは違い、「リアルに」だけではなく自由な要素が多く悩みましたがいい刺激になったなと思います。そして、無事多摩美に受かることができました。それと同時に上手くなろうの気持ちとほかにこうしたい、こんな感じになってほしいという完成のイメージが湧くようになりました。そこからは、不安や心配は消えませんでしたがより好きなように描こうと意識して今まで言われるがままになってた描き方などを戻し描きたいものになるように努力し本命の藝大にも受かることができました。絵画的な日本画とは少し違うけれど受験画も自分の描きたいものを見られているのかなと思いました。それらに気づかせてくれた方々に本当に感謝です。

羽生 小桃さん

鹿児島
県立松陽高等学校

合格大学:
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻

芸大受験は産まれた時から始まってんだよ!

私は現役の芸大受験と同時に故郷鹿児島から上京をし、浪人生活が始まりました。どばたでの授業は自分にとって新しい発見ばかりで、いかに地方へ受験絵画の情報が伝わっていないのかを痛感し、感動と同時にかなりショックを受けた記憶があります。
受験勉強に関しては正直楽しいことの方が多かったです。3年間で学べたことはあまりに膨大でここには書ききれません。特に石膏デッサンに関しては石膏デッサンを描く意義や、受験で使われる意味を無視するような感情がうまれました。
なにより辛かったのは生活です。アルバイトでの人間関係、親戚とのいざこざ、減っていく貯金。しかし、苦しいながらも支援してくれた親や友人、そして予備校には頭が上がりません。労働が嫌いな自分が1番悪いのは重々承知ですが、将来への金銭的不安と、多方面への罪悪感。そこに限界を感じ、三浪での芸大受験を最後にしようと決めました。
今年受かったらそのまま進学、落ちたら就活してバリバリ働こう!と、色々な問題が大概金があれば解決することだったので、どちらにせよポジディブな進路です。なので、今年は自分の満足のいく絵を、出題者が出してよかったと思える絵を描こうと挑みました。幸いなことに一次二次共に綺麗なモチーフで、特に二次試験は芸大の広く真っ白な教室だからこそ引き立つ美しさがあり、最後にこの試験を受けられて嬉しく思いました。
無事合格できましたが、試験よりも入学金を銀行員のお姉さんに渡す瞬間の方が手が震えていたと思います。

今本 章さん

東京
都立総合芸術高等学校

合格大学:
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻

僕の体験記

 何故だか試験当日は上手く描けるだろうと過信して努力を怠っていた現役の1年間。落ちたときの後悔といったらなかったです。そんな僕に期待を寄せてくれていた先生達や家族の言葉に胸を打たれ猛省する中、僕の浪人生活は始まりました。
 年度はじめのオンライン授業ではなかなか調子が出ませんでしたが、アトリエでの授業が始まってからはできるだけ高い集中力で、できるだけ本番を意識するようにしました。現役の頃、入試直前講座で飛躍的に上達したのですが、その要因が本番を意識し出したことだと確信していたからです。浪人してから、安定感が増したり毎課題新しい発見があったりしたのは、こういった意識があったからだと思います。自画像や河合塾のコンクールの順位が良かったこともモチベーションに繋がりました。それでもやる気が出ない時は先生に絵をみてもらったり、散歩に出かけたりして気持ちを切り替えるようにしていました。絵から離れる時間を多くとるほど形の狂いに気づきやすく、結果的に早く描けることに気が付けたのでそれはそれで良かったです。
 また、他の受験生との差を埋めるにはなるべく無駄を省くべきだと思い、家にいる間も絵を描くようにしました。これは別にデッサンや着彩をしていたわけではありませんが、効果があったように思います。
 試験当日はいつも通り描くことを意識しました。1次も2次もまずは鉛筆を削るところから始めて、序盤はゆっくりと丁寧に描き出し、途中何度もトイレに行って目を慣らすようにしました。いつも通りを意識し過ぎて普段よりも多く席を立ったせいで、最終盤は切羽詰まって半狂乱になりかけましたが、かろうじて描ききることができました。すいどーばたでも、ギリギリで描き終えたことが何度かあったのでその経験が生きたんだと思います。
 いつも優しい先生方に囲まれて、幸せな1年間でした。ありがとうございました。
 (ちなみに、いつもの制作環境に近づける為に、時計はリビングから壁掛けの大きいのを持って行ったのですが、かなり便利だったのでおすすめです。)

永井 結菜さん

東京
都立府中西高等学校

合格大学:
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻

自分を信じる!

この1年間密度の高い時間を過ごせたと思います。人数の多いすいどーばたは私にとって良い環境でした。先生方の言葉から学ぶ部分もらありましたが、何より沢山の生徒同士の絵を見比べられたのが個人的にいい刺激になったと思います。
自分は3浪で合格したの
ですが、2浪の時まで先生方から講評中に言われた言葉がなかなか飲み込めず苦労していました。自分なりにやってるつもりなのに、毎回同じことを言われやっぱり私は絵を描く才能がないのか、と悩み自信を無くすこと多かったです。
でもある時に人の言葉に拘束力は無いし自分の好きな絵を描けばいいと言う事に気が付きました。自分が"これ"と思った事を信じて描けるようになりました。そこからは絵を描くのが楽しくなったし、結果も出るようになりました。ただ良い結果が出てもそこで安心せず、どこをどうすればもっと良くなるかひたすら考えました。最後の方は本当に誤差みたいな調整です。
先生方ももちろん支えてくれますが、そこに甘えすぎず、自分の足でしっかり立つ事が重要だと思います。
そうこう言いましたが、自分の絵にここまで向き合えたのもすいどーばたの先生方や環境のおかげです。感謝の気持ちでいっぱいです。
ありがとうございました。

中原 玲奈さん

東京
東京学芸大学附属高等学校

合格大学:
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻
多摩美術大学美術学部絵画学科日本画専攻
武蔵野美術大学造形学部日本画学科

自分とうまく向き合う

私はどばたに2浪目からお世話になりました。はじめは人の多さにびっくりしました。これだけ沢山の人が同じ大学を受験するのかと思うと、自分なんて…と思うこともありました。でも、自分の中でやるべきことを毎日定めて周りに振り回されないようにしようと思うと自然と肩の力が抜けました。周りを気にする余裕があるならまず自分の絵を良くすることを第一に考えようと思ったからです。コンクールで順位が悪くても、まぁ本番じゃないし、順位ごときで人は死にはしないし、自分の悪いところを再確認できて良かったなぁくらいにしか思わないようにして、モチベーションを下げないことを意識しました。私は大体自分でいい感じだと思って描いていると最終的に良くなくなるので、そこで踏みとどまって、先生ならなんて指摘するかなぁと考えていました。うぬぼれと反省をくりかえして1年間描いたと思います。今まで以上に自分を知れた浪人生活でした。
本番はあまり頭で考えすぎず、心を落ち着けて丁寧に積み重ねていくことと、モチーフ1つ1つに思い入れを持って、描きたいと思って描くことが大切だと思いました。そして、それが見た人に伝われば、心配することは無いと思います。傲慢になりすぎず、でも自分の絵に自信をもって描くことは難しいけれど大切なことだと学びました。
最後の一年をどばたで過ごせて良かったと思います。支えてくださった先生方や友人、親には感謝しかありません。ありがとうございました。

伊藤 真奈華さん

東京
都立総合芸術高校

合格大学:
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻

自信の在り方

一浪で一次に落ちた事のショックがかなり強く、毎日泣いてばかりの自分を自分で救わなければと思い私は約5〜6年ずっとお世話になっていた予備校から心機一転、予備校をすいどーばたに変えることにしました。
あまりに自信が無かった私は、自分なりのこだわりや絵に意志を詰め込む事が出来ませんでした。"予備校から教わってたら誰でも描けそうな絵"という、つまらない絵を描いていたのです。
一番最初に言われたのが「単純にもっと描けばいいんじゃない?」という、凄くシンプルな一言でした。そこからとにかく果敢に描くという事を意識していきました。そしたら今まで見えていたようで無視をし続けていたモチーフの魅力や感動を一つ一つすくい上げる事が出来たのです。そのシンプルな一言で見る世界が劇的に変わったように思えます。
一次は何とか突破しそして二次試験。予備校に帰ってから描いた再現で非常に致命的なミスを犯していた事が判明し、私は軽くパニックになりました。色んな先生方の言葉を頭に残しつつ泣きそうになりながら迎えた試験2日目、新鮮な目でモチーフと絵を見た時に自分の中でがんじがらめになっていた言葉や今まで教わってきた事が自分の絵を良くする為の"素材"として変わり「自分が納得出来る美しい絵を素直に描き上げよう」と思えるようになり、"自分自身が描いた絵"を完成させる事が出来ました。
私はずっと自分に自信が無く、合格した今でも自信があるかと聞かれれば正直わからないです。ですが一番大切なのは自信の有無では無く、自信が無いなりに自分で考えて工夫しそして最後まで諦めずにやり切るという事に気づくことが出来ました。今まで関わってきて下さった全ての先生方、楽しいひと時を共有してくれた友達、ずっと応援してくれた家族、そして金銭面で援助してくれながらも私が合格した瞬間に立ち会えず最期を迎えてしまった祖母には感謝してもし尽くせません。本当にありがとうございました。

金井 みゆさん

神奈川
神奈川県立茅ヶ崎北陵高等学校

合格大学:
東京藝術大学美術学部絵画科日本画専攻

自分のペースで

私は4回藝大に落ちました。私は欲張りで上手くやろうと思いすぎてしまいます。そしてそのプレッシャーに負けてしまうからです。
3浪で一度藝大を諦めて別の大学に進学しましたが、一度でいいから試験で自分が納得した絵を藝大に置いて帰って来たい、そうしないとこれまで頑張ってきた自分自身が救われないと思いました。
今回の受験は、自分にとって最後の受験だったので絶対に後悔が残るものにしたくありませんでした。たとえ他人の評価で落とされたとしても、自分を許せるようないい絵を描くことだけを考えました。試験本番も、自分の感覚がこれでいいというまで何度も何度も絵から離れては直しを繰り返しました。それでも一瞬でも完璧だと思ってはいけないし、驕りがある間はいい絵にはならないことを知っていたので、最後まで誠実に描く事を心がけました。
今年は3浪の時にお世話になっていたすいどーばたで2週間の対策をして受験に臨みました。短い時間だったので深く物事を考えすぎて悲観的になることなく、集中力を保つことが出来ました。今の自分にはそれが良かったのだと思います。何より絵を描くことが楽しいという新鮮な気持ちを持ったまま受験を迎えることが出来ました。
信頼できるすいどーばたの先生方の言葉は、私にとって強い支えになりました。すいどーばたには感謝の気持ちでいっぱいです。