基礎科 油画コース 2学期最後の専門課題

こんにちは!基礎科油画コースです。

油画コース二学期最後の専門課題が行われました。

モチーフはこんな感じ。大型であることに加え、数も多く、とても要素が多いので、どこに注目してどう切り取るかがとても重要になりますね!

みんな独自の視点を持って自分なりのストーリーを組み立ててくれていて、それを聞くのがとても楽しかったです!

良い作品が多く出ました!そのうちの一部を紹介します。

「透ける」モチーフの様子を油絵具の透ける特性によって上手く再現したのに加えて、モチーフ台やカラスも一部分透けていて、幻影のようになっています!特にカラスは最小限の手数で特徴を捉えており、小さいにも関わらず、情報量が多くなっています。それに加えて、透けて曖昧な部分はとても想像をさせるため、すばらしい強度を持っています!透けるレイヤー構造は絵全体を複雑に見せてくれています。特に主役に被せていることがそれを強調している気がします。

色使いは個性的であり、鮮やかな色と鈍い色のバランスが取れています。床の反射した色なども綺麗です。

たくさんの工夫が見える素晴らしい作品です!

 

パズルのピースが散りばめられたような作品ですね!垣間見えるものや曖昧なもの、隠されているものが多く描かれていること。キジの頭などのものを大胆に切っていること。場がどんっと大きく真ん中にあること。これらによって、この状況や外の世界をとても想像させられて、ずっと見ていたい作品です!

青の布と黄色の布の間や青い布上の黒い部分、床の反射にはとてもこだわりが見えます。

興味の対象がよく見え、見どころのある作品となっています!

 

独自の空間構成とともに、右側のドレスを着た人はとても目を惹きます!個々の動きの成分が集合して、一つの大きな流れを持った構造物ができている様子がとても強い印象を与えてきます! 光の演出はとてもドラマチックです。 色々な筆致が見られ、その全てが生々しています。使う色幅が狭いスタイルの中で、微妙な色の使い分けが素晴らしく、特に色布周りはとても繊細に仕上がっています!

とても目を惹く作品です!

 

見れば見るほど混乱してくるようなイリュージョンの多い作品ですね!不思議な空間構成がとても面白く、どこからが平面でどこからが立体か、どちらが前でどちらが後ろかなどが、色々なトリックによって混乱してきます!平面における非常に物質的な線がそれを加速させます。

渋めの色と鮮やかな差し色、青々しい空の色が互いに映えて素晴らしく美しい画面になっています!掠れたダイナミックな筆致や線と、抵抗感のある空の厚塗りの対比は豊かな表情を出しています!

 

色面分割による構成がとても目を惹く作品です!そこにおいてとても疎密があり、強弱があるためバランスの取れた、複雑で尚且つ見やすい作品になっています。単純な図形で捉える独特な形態感は素晴らしい個性で不思議な雰囲気を放っています!透けている壁も規則的で「向かいのビル」のようにも見えてとても面白くなっています!カラス、アルミ、マネキンに写る布たちの色をよく見て追っていてとても色に対するこだわりが強く感じられます。

とても素晴らしい感性を見せてくれる作品です!!

 

 

今回もみなさんの視点や感性、そしてそれを出力する力にびっくりしました!

引き継ぎ頑張っていきましょう!!

2022年11月30日(水)〔基礎科