基礎科 最後の共通デッサン

こんばんは基礎科です。

今日は平日クラス、最後の共通デッサンでした。

 

!!ここで解説します!!
「共通デッサン」というは、油画、日本画、‥など将来の志望専攻で分かれて課題を行うのではなく、どの科に進んでも必要となるデッサンの要素を学ぶ課題です。
すいどーばたの基礎科では、この「共通デッサン」と「専門課題」と呼ばれている、キャンバスに油絵の具で描く、水粘土で塑造作品を制作する、など各科独自のマテリアルで実技をおこなう課題、それに加えて各科の視点、要求にあったモチーフをデッサンする「専門デッサン」という課題でカリキュラムを構成しています。

 

左の彼女はデザイン志望、右側の彼は油画志望です。志望科の違った二人が隣り合って描くのもすいどーばたの基礎科ならではです。

油画科では「モチーフを動機として絵画を構成する」という視点でデッサンに向かうことが多く、今回の彼のデッサンも背景を含めて描いています。そしてこのデッサンでは胸部の白をあえてにじませて柔らかい表現を狙って描いています。頭部の描写とのコントラストが面白い作品になりましたね。

一方、デザイン科ではモチーフの大きな印象を大切に客観的に石膏像というモチーフを捉えにいきます。なので基本的には背景をつけないで描くことがほとんどです。このデッサンで頭部から顔面にかけての空間性、体の厚みなど形と空間に関わる仕事に注意を払っているのが伝わりますね。

そんな狙いや視点の違いがあり、同じモチーフをとなり同士で描いてもこのように全然違った画面になるのですね〜。

でも、石膏像の形は同じものを描いているので、どちらのデッサンもプロポーションや顔面の印象など「ヘルメスらしさ」という点では共通するところがあります。

志望する科は違っても、同じアトリエで同じ時間を共有しながら、同じモチーフを描くことで、お互いに(きっと)意識しあって高め合うことができるのではないかと思います。

科や描き手による狙いや視点の違いがあっても共通するデッサンを描く上で重要な要素、この二つが感じられるようになるとデッサンという実技の奥深さが見えてくると思いますよ。

そんなことも感じられたらいいなと思い、志望が異なっていても同じアトリエで実技を学んできました。新年度、各科の夜間部に進級する現在高校2年生のみなさん、基礎科で学んだことを活かして、はばたいていってください!

来週からは今年度ラスト2週間の専門課題になります!!

2017年3月3日(金)〔基礎科