日本画科 2014

垣内 瑛 さん

垣内 瑛 さん

埼玉
県立伊奈学園総合高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科日本画専攻

「モチーフの声」
 目の前のモチーフは、ただそこに「描け」と存在していた。上手に描くことができない僕は、周りに救いを求め、真似をして、描き方をわかったつもりになって、でも出来なくて。そして絵の中でしょぼくれた彼らが、ただこっちを見るのだ。
「ごめんなさい」自分の絵に謝る僕を「違う違う、こっち」と先生が向け直す。そこにはモチーフがあった。美しい花も、おいしそうな果物も、へんてこな野菜も、重厚な石膏像も、いろんなものが、「俺を見ろ、描いてくれ」と言わんばかりに堂々とした姿でそこにあった。
その感動をやっと拙いながらも表現できたと思ったのが、最後の二次試験の着彩だ。心なしか「ありがとう」と言われた気がした。絵の中の彼らもどこか誇らしく見えた。
 三年間、たくさんの人に迷惑をかけました。信じて支えてくれた家族、競い合い、笑い合った友達。合格に導いてくださった先生。そしてモチーフ達に
「ありがとうございました」

菊地 貴子 さん

菊地 貴子 さん

東京
私立関東国際高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科日本画専攻
東北芸術工科大学 美術科日本画コース

「自分を大切にする」
 わたしの中の「浪人生」のイメージは、寝る前もおしんで努力して、遊ばず、受験のためだけに生活を送るというものでした。
日本画という科の受験の性質上、そういう気持ちは絶対にもっていなければいけないと思っていますが、三浪目で落ちた時に、私が失敗したのは「浪人生」というイメージに囚われすぎて、自分を見失なっていたからだと気づきました。

 自分の絵も自分の絵とは思えない。思いたくない。講評で並んでる自分の絵を見て、何を見ていたらこんな絵描けるんだろう?何を描いてるんだろう?と思うくらいには気が変になっていたので、すいどーばたに来てからの一年は、普通の22歳らしく楽しく過ごすことにしました。
自分のペースを大事にするようになってからは、だいぶ気が楽になったし、体調も崩すことも無くなりました。
試験では久しぶりに、自分の目でみた世界を、今自分が描いてるんだと一筆一筆に実感できたことが本当に嬉しかったです。いつもより弱い仕上がりになってしまったようには思いますが、最後まで強い気持ちを持って描けた、胸をはってこれが私の絵です!と言える二枚でした。

 大学生になる前に、絵を描く人として、人として、当たり前のことに気づけて良かったです。
先生方、本当にお世話になりました。ありがとうございました。

金丸 理恵 さん

金丸 理恵 さん

山梨
私立駿台甲府高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科日本画専攻

「つらさ、楽しさ」
 山梨からひとり上京して、はじまったどばたでの浪人生活。100人の同級生と芸大合格を目指して石膏デッサンと静物着彩に明け暮れる日々は、とても特殊で、楽しかったし、つらかった。
あのP20の小さなパネルの中で、いろんなドラマがあった。コンクールの結果で一喜一憂して、いろんな描き方を試しては、なかなか上手く行かなくて、作品を前に先生と話しあって、たくさん泣いた。私はメンタルが弱く、特に一浪で一次に落ちたときは、受かることなんて一生ないと思えずいぶん落ちこんだ。
二浪になってもいろいろ問題点はあったけれど、それでも一年かけてたくさんのことを考え、自分なりの魅力のある絵がかけるようになった気がした。
ふたたび迎えた試験本番は一次も二次も全力疾走で、何度も何度もパニックになりそうな頭をしずめて目の前のモチーフと向き合った。
結局私は受かることができたけれど、全てを終えてむしろ、合格は本当に一筋縄ではいかないことなのだと痛感した。先の見えない毎日はずっと嫌だったけれど、どばたという空間は、とても好きだった。もう通う事がないと思うととてもさみしい。
投資してくれた家族、毎日話したどばたの友達、たくさん心配をかけた担任の先生、応援してくれた地元のみんなも、ありがとう。
これからもずっと絵を描いていきたい。

堀口 晴名 さん

堀口 晴名 さん

東京
私立女子美術大学付属高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科日本画専攻

「石の上にも三年」
一浪、二浪と一次試験は通過。毎回二次でだめなのだから、今年は着彩をがんばればいいと思っていました。
しかし、最後の科内コンクールは苦手なパジャントの二列目。鈍い絵になってしまい、とても悪い順位でした。
私は「今年も一次は大丈夫だろう」という甘い考えを持っていたことに気付きました。
今年で最後にするという決意とコンクールでの悔しさをバネに残りの一ヶ月半描きました。
いつも失敗を恐れてあと一歩の描き込みができなかった着彩も描けるようになりました。
本番では他人の絵が上手く思えて動揺しましたが、自分を信じて描きました。
大事なのは他人に負けない事ではなく、自分に負けない事だと思いました。

どばたは、自分と他者とを客観的に見ることが出来る空間でした。
ユーモアのある友人達、困った時に助けてくれた教務さん、親身になってくれた先生方、
支えてくれた家族の存在がなければ辛かった浪人生活を乗り切れなかったと思います。本当にありがとうございました。

佐藤 佑 さん

佐藤 佑 さん

岩手
県立不来方高等学校 卒

合格大学:
東京芸術大学 絵画科日本画専攻

初めてどばたに通ったのは高校3年の夏、広い教室で多くの人が絵を描く様子を見てわくわくしたのを覚えています。
結局僕は2浪し、3回の受験を経験しました。
ただがむしゃらに見て描いた現役、なんとか1次を突破するも、経験不足からくる不安に押しつぶされて2次で失敗。
今年こそはと見よう見まねに自分で考えた描き方をして自信過剰に臨むも、空回りして1次で落ちた1浪。
2浪の時は先生に言われた全体感を意識し、自然に時間内に仕上げることを考えました。
しかし本番は現役と同じくがむしゃらに描いたように思います。

2浪してわかったことはやはりデッサンなのだということです。
最後にどばたという評価して、教えてもらえる環境が有り、そこに通えたことを感謝します。本当にありがとうございました。