デザイン・工芸科 2010年

高岡 尚加 さん

高岡 尚加 さん

北海道
釧路江南高校 卒

合格大学:
東京芸術大学 工芸科

 私が初めてどばたに行ったのは高2の冬季講習会でした。それまでは北海道の、工芸科がたった2人しかいない小さな予備校で絵を描いていたので、その時初めてたくさんの人の中で描くという経験をしました。 周りを見ると浪人生が途方もなく上手く見えて、自分がすごくちっぽけに思え、落ち込んだのを覚えています。
そして私の浪人が決まり、いざどばた生となった時、あんなに上手い人達がたくさん受験する中で、はたして私はいつになったら受かるのか、なんだか気が遠くなりました。
しかし同時に、自分はもう周りが上手いからといって甘えていられる立場ではないと思うようにもなりました。はっきりと目に見える形で出てくる自分への評価や、周りとの比較に対して、以前とは比べものにならないくらい「悔しさ」を感じていることに気がつきました。そしてその「悔しさ」こそが私の原動力になっていったのだと思います。
でも、悔しさで目の前がいっぱいになって、自分は何をしたいのか、どんなものが好きでどんな絵を描きたいのかが分からなくなった時は、自分を少し甘やかしてもいいのだということも、この1年で学びました。好きなことをしたり、遊んでみたり、そして何より予備校での友達と話をしたりなど。自分を追い込むだけではなくて、適度に力を抜いてまた明日頑張れる力をつけることもとても大切なのだと感じました。
私にとってのこの1年間は絶対に必要な1年間だったと思います。自分自身のために頑張れたこの経験は、きっとこの先私の糧になってくれることでしょう。しかし何よりも自分は本当にものを作ることが好きなのだと実感することができたのが一番の収穫なのかもしれません。

宮田 真帆 さん

宮田 真帆 さん

東京都
私立錦城高校 卒

合格大学:
東京芸術大学 工芸科
多摩美術大学 工芸学科
武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科

 浪人している時、私が心がけていたことは試行錯誤することでした。周りの人と同じようにただ頑張るのでは前に進めないと思いました。
何をしたら良いのか、どう頑張ればいいのか考えて実践しながら1年を過ごすようにしました。良くしようと思っても、逆にうまくいかなくなってしまった時もありました。上手くいかなかったなぁ、と自分でもわかる作品ができた時は見るのも恥ずかしかったけれど、作品に正面から向き合って反省しないと次に進めないことを学びました。自分でどうしたらよくなるか考えてから、先生の意見を聞くと、自分の視点と客観的な見え方の違いもだんだんわかるようになりました。
作品をつくりながら、予備校で学ぶことは受験に使うだけのものではなく、その先に応用していけるものでなければならないということです。常に先を見ながら制作できれば楽しいと思います。

田中 彩華 さん

田中 彩華 さん

東京都
私立日本女子大学附属高等学校 卒 現役

合格大学:
多摩美術大学 グラフィックデザイン科
多摩美術大学 生産デザイン科プロダクト専攻

「どばたでのかけがえの無い時間」
 私がすいどーばたに入学したのは、高校1年生の10月でした。
その時は、まだ好き勝手に作品を描いていました。けれど、高校2年生になり、基礎科に入ってからは、互いに切磋琢磨できる友人たちに出会い、今まで味わうことのなかった緊張感の中で、1作品1作品を大切に仕上げていく楽しさを学びました。この時の作品たちが、おそらく今の私をここまで支えてくれ、そしてこれからも支え続けてくれるのだと思います。
そして、いよいよ高校3年生になって、夜間部に入学しました。初めこそ、「受験!」という雰囲気に馴染めず、基礎科に戻りたいと思ったことは何度もありました。けれど、課題をこなすうちにそれではいけないということに気付いたのです。夜間部として過ごす、この1年間は、もう2度と味わうことのできない大切な期間なのだから、辛いと思うより、精一杯楽しんでやろう…そう思えるようになったのです。それからは、1課題ごとに様々な発見、成長があり、次はどんな課題をやれるのか、待ち遠しいとさえ思えるようになりました。
ここまで成長することができたのも、すいどーばたの先生方、そして教務の皆さん、何より共に時間を過ごしたクラスの皆、支えてくれた家族のおかげです。 私はあまり感情を表に出せないため、色々と抱え込んでしまうことが多かったのですが、そんな時仲間や先生が心配してかけてくれた言葉に、何度も激励されました。
すいどーばたで過ごした2年と少しの時間は、本当にかけがえのないものでした。大学に行ってもここで学んだことを大切にしながら、日々を過ごしていきたいと思います。
最後になりましたが、多摩美の新入生代表になれたことは、一生の思い出です。そして、すいどーばた、大好きです!

猿山 美幸 さん

猿山 美幸 さん

大阪府
金光八尾高等学校 卒

合格大学:
武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科

「どばた生活は心の財産」
 金沢美術工芸大視覚デザインと多摩美大グラフィックデザイン、去年私はこの2つを受けて見事に落ちた。
地元の小さな研究所にいた私は、夏季講習ですいどーばたに通うことになり、初めて自分の実力を思い知らされた。「こんな絵で合格するはずが無い!」ある意味、カルチャーショックだった。同い年の浪人生はもちろん、現役生も抜群にうまい。特に色彩に関しては明らかに知識不足を痛感した。地元では東京の美大を受けるのは私だけ、書き上げの時間も無制限、合評も無し。完全に井の中の蛙・・・このままでは受かるはずが無い。焦った私は、このまま受験までどばたで勉強することにし、先生に近くて良いアパートも紹介していただいた。
どばたで学んだことは数多くあるが、その一つに多くの作品と並べて客観的に自分の作品を見れる点がある。講評によって多方面から作品を見ることが出来、また先生の評を聞くことで見る目を養えた。また、同じ浪人生同士で「つらいのは自分だけじゃない」とお互い励ましあうことができ、先生方も感情の浮き沈みの激しい私の話をしっかりと受け止めてくださり安定した気持ちで受験を迎えることが出来た。今年、「やるだけやった」私はどばたで半年間学んだ今の自分の出来ること全てを、受験にぶつけたつもりだ。結果は武蔵野美大視覚伝達デザインに合格することが出来、ようやく自分の夢に一歩近づけた気がする。
経験からアドバイスできることとして、1つ目に、センターが終わってからは学科に時間を割くことが難しいので、センターまでに予定を立てて毎日コツコツと努力すべきだということ。2つ目は、東京という刺激の多い土地で暮らすのだから誘惑は多いが、私はどばたには休まず通い、通学中は絵のことしか考えなかった。3つ目に、一人暮らしは最初は不安で不便なことも多々あるが、内省を促し、一人で冷静に物事を考えられる。
落ちたときは、どうしようもない喪失感と不安と焦りで真っ暗闇の中に手探りでいるような状態だったが、どばたという一筋の灯りを頼りに、厳しくも優しい先生方やライバルであり仲間でもある良い友と共に歩んでこれて本当によかったと感謝している。

今福 弘樹 さん

今福 弘樹 さん

東京
城西大学付属城西高等学校 現役

合格大学:
多摩美術大学 生活デザイン学科 プロダクトデザイン専攻

「楽しむ」
 自分には真面目に向かい合って長続きしたものが今までにありませんでした。学校での部活動もサボったあげく退部し、また入っては止めての繰り返し。他にもいろいろなことに手を出し、中途半端なままでやめてきました。そんな中で絵を描くということだけは、小さい頃から離れたことがありませんでした。それは自分が真剣に向き合ったことがないからだと思っていました。だからこそ、「絵を描く」ということが受験になり、今後しっかりと向き合わなくてはいけなくなることでまた逃げてしまうような気がして不安だったのを覚えています。
実際のところ、すいどーばたに通い始めて夏が明けるまでは、楽しんでいろいろなものを描いていたように思います。しかし受験というものを意識するようになってからは絵を描くことが分からなくなっていき、冬に入ってからはさらに悪化し、正直絵を描くのが苦痛でした。
でも何故か止めなかった。今までは嫌だと思ったら確実に逃げていたようなことだったのに、毎日納得しないまま絵を描き続けた。しかし年が明けてからはなぜか上達したわけでもないのに絵が楽しくなっていったのが不思議です。試験当日もすごく楽しかったのを覚えています。
受験が終わってから気づいたことは、難しいだろうけど大切なのは好きなことなんだから受験も「楽しむ」ことだったのかもしれないということです。
この文章を書いていて改めて、自分の絵がわからなくなっても通い続けたのはやっぱり楽しんでいたのではないかということに気づきました。たくさんのことを教えてくれて支えてくれた先生方や、色々わがままを言って困らせた教務さん達に助けてもらったこと。なんだかんだいって一緒にがんばった友達。そういったものが全部楽しかったから自分は逃げないで頑張れたのかもしれません。
すいどーばたに通った1年間、たくさんのことが学べました。ありがとうございました。

畠山 桐佳 さん

畠山 桐佳 さん

東京
都立目黒高校 現役

合格大学:
武蔵野美術大学 空間演出デザイン学科
多摩美術大学 環境デザイン学科
東京造形大学 室内建築専攻
東京造形大学 インダストリアルデザイン専攻

 私がすいどーばたで学んだことは、「自分で考えること」です。
単純なことに思えるかもしれないけど、はじめは自分の作品や技術に自信が無く、私にはできないと何も考えることなく諦めていたところがありました。そんな時も先生は書き方や作り方を教えることより、自分の作品を見つめ直すきっかけを与えてくれました。
どうしてそうしたのか、どうしてできないのか、そんな疑問を自分で考え、自分で改善していくことが一番の自信に繋がったと思います。そして先生に言われたからやるというよりも、自分がこうしたいからやるという気持ちが大切だと気づくことができ、自分の作品を作ることがました。試行錯誤を重ね、やってみるとできるようになることも多くなり、自分で諦めてしまうとできる可能性も無くなってしまうことを実感しました。私がこう考えることができたのも、先生方が私の可能性を信じてくれていることがわかり、私も自分のことを信じることができたからだと思います。
そしてどんな時も型にはまらず、自分の好きなことをしていいと言い続けてくれた先生方の言葉でつくることの楽しみを知ることができ、受験の日が近づいても焦ることなく、自分の好きなことや好きなものを日常生活の中でもいつも考え、作品づくりに生かすことができたと思います。たくさんの先生方、夜間部のみんなに感謝の気持ちでいっぱいです。

堀口 恵美 さん

堀口 恵美 さん

埼玉
県立秩父高等学校 卒

合格大学:
多摩美術大学 グラフィックデザイン学科
武蔵野美術大学 工芸工業デザイン学科

「未来の自分を信じる」
 私の家は、雉や狸が畑にすみかを作るほどの田舎町。そんな場所から毎日東京へ通うなんて想像するだけで不安でした。
しかし、意外にも東京での日々は魔法のようにあっという間でした。それは、私がどばた生活に夢中になっていたからです。絵を描くのが楽しくて、先生や仲間、どばたの人達と話すのが好きでした。どばたの環境は、今まで知らなかったことへの発見に溢れていて、個性的な人達との話が刺激を与えてくれる場所だったのです。
浪人初めの頃は、絵に自信がなくて、そこそこできると思っていた学科でさえ成績開示で自信を喪失していました。一体私はどうすればいいのか。気持ちばかりが焦って合格できるのだろうかという疑問がいつも頭をかけめぐっていました。そんな時、先生の話の中に前へ向かうきっかけがあったのです。そして、先のことを心配しすぎている自分に気づいたのです。
当たり前だけど、毎日を大切にたくさん感じて、考えて、気づく、勉強も地道にやり続ける。時間はある。合格のためではないのだ。私は絵が上手くなりたい。そして上手くなっていくんだ。そうしたら必ず結果もついて来る。だから、未来の自分を信じて今を頑張ろうと決意したのです。上手くいかなかった作品はどうしたら良かったのか、友人の作品や参考作品がどうして魅力的なのか考えて感じる。講評でメモした言葉を振り返って目を通す。そこで閃いた新しい発見は、次の作品に繋がるヒントになり私を成長させました。
浪人生活で得た、たくさんの発見は私の力となり、かけがえのない宝物です。それも、浪人を許してくれた両親、私を導いてくれた先生方、素敵な仲間、そしてすいどーばたとの出会いがあったからです。本当にありがとうございました。

吉村 柚美 さん

吉村 柚美 さん

埼玉
県立所沢高等学校 卒

合格大学:
武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科
武蔵野美術大学 基礎デザイン学科
東京造形大学 グラフィックデザイン学科

「すいどーばたで学べること」
 高2の2学期の終わりに、初めてどばたに来た時、私は美術部に入っていたこともなく、デッサンの鉛筆を握ったこともありませんでした。最初は何も分からないで、ただただ目の前のモチーフに食らいつく日々でしたが、こだわりを持って無我夢中になって描いたデッサンが、講評会の時に上段に上がった時、本当に嬉しくて、もっともっと上手くなりたいと思いました。
それから有名大学に受かって行った数多くのどばたの先輩達の作品を見て、私も早くこんな綺麗な作品を作れるようになりたい。自分の思い描く世界を、もっともっと画面に表現できるようになりたい。ただその一心で、2年間突っ走ってきました。
明確な意志を持って自分も努力してきましたが、この2年間で与えてもらったたくさんの良い経験や、互いに高め合ってきた多くの友達や先輩方、自分達の為に必死になってくれた先生方の言葉が、1つでも欠けていたら、私はこの結果を出せなかったと思います。
とても良い大学に受け入れてもらえたので、またすいどーばたに入った頃のような、強い意志を持って、やりたいことをやりきろうと思います。そして、自分の原点が、このすいどーばたで学んだ事であると、胸を張って言えるような大きな人間になりたいと思います。
すいどーばたで出会う事のできた多くの友人達、先輩、先生、教務さん皆に本当に感謝しています。2年間ありがとうございました。

新田 理恵 さん

新田 理恵 さん

神奈川
私立桐蔭学園高等学校 卒

合格大学:
多摩美術大学 グラフィックデザイン学科
多摩美術大学 情報デザイン学科
武蔵野美術大学 視覚伝達デザイン学科
武蔵野美術大学 基礎デザイン学科

「楽しいと思うことをとことんやり尽くす」
 これが、私の絵を描く上でのモットーでした。「基礎コース」ではやりたいことをやり尽くすという、ある意味でワガママな絵を描き続けていました。でも、すごく楽しかった。ところが、夜間部になって事態は急変。描きたい絵に、受験の絵を上手くリンクさせることができず、「受験の絵」という枠を、どうしても越えることができなくなってしまったのです。描くこと自体は楽しいけれど、課題を楽しむことができなくなっていました。
浪人生になり、気持ちを変えようと思っても、なかなか昔のように絵を描くことを「楽しむ」ことが分からなくなってしまいました。悩んだ結果、まず始めたのは、「受験に対する固定概念を取り除く」こと。
先生に、「新田は新しいことをしようとしないよね」と言われたことから気付かされました。勇気を出して、絵のスタイルをがらりと変えてみることにしました。発想も、課題ごとに1から取り組むことにしました。色んな写真を見たり、興味のなかった作風の作品も積極的に見に行ったりしました。そうしている内に、課題を楽しむということが徐々にわかってきました。まずは、自分が課題を楽しもうとすること。そして次に、その楽しさを人に伝えるためにどのようにしたらいいかを考える。そして、課題を出した人の意図を考える。当たり前のようで、とても難しい。でも、その難しさが楽しい。
気がつくと、描きたい絵に、受験の絵をリンクさせ、楽しんでいる自分がいました。
受験は正直辛いです。受かる保証はないし、試験と相性がいいかもわからない。けれども、「楽しむ」というスタンスを持とうとし続けたからこそ、乗り越えられたのだ、と思います。地道な努力と、楽しむ気持ちと、自分を信じることを教えてくれたどばたに感謝です!