彫刻科 2011

諸岡 亜侑未 さん

諸岡 亜侑未 さん

大阪
市立工芸高校 卒

合格大学:
東京芸術大学 彫刻科

 

「自分」
 背中を丸めてトボトボ歩きながら発表を見に行き、やはり同じ姿勢でトボトボと上野を去った現役の3月。私は浪人することになりました。どばたにやってきて、それはそれはいろんな人がいました。たくさんの人がいたというより、色んな人がいました。特に入試直前の人の多さといったら…アトリエぎゅうぎゅうです。でも、それだけいろんな人がいたからこそ、いろんなものが発見できました。アトリエぎゅうぎゅう、中味もぎゅうぎゅうの1年でした。
受験は一見、周りとの戦いのように見えますが、結局は自分との戦いです。自分と向き合うこと。でも、矛盾しているように聞こえるかもしれませんが、自分と向き合うことというのは、自分1人ではできないことなのです。いろんな人がいて、やっと自分が客観的に見えてくる。いろんな人のなかの1人である自分。
デッサンについて、粘土について、作品について、彫刻について、受験について、全然関係ない、音楽について、本について、もっとくだらないことについて、いろんな話を、いろんな人としました。お互いの作品を、ほめることもあれば、けなすことも多くありました。それぞれの視点、それぞれの考え方、それぞれの価値観を持って、そして、みんな正直でした。お世辞も嘘もなくて、ただみんないつも本気の本音でぶつかっていました。講師も、学生も。
色んな人を知ることで、自分が見えてくる。人数の多いどばただからこそ、見えてくるものが多いと思います。
そんな中で、入直に入ると、毎日の課題が「受験」としてではなく「作品」として捉えられるようになって、「作品を作っているんだ」という意識が強くなり、制作が楽しくなり、塑造の質も上がっていきました。
そして今年の3月。1年前の背中を丸めて上野を歩いていた私はどこへやら、まだ結果もわからないのに私は胸を張って歩いていました。受かるという自信があった訳じゃない、やりきった、という自信があったのです。作品と向き合うこと、それはつまり自分と向き合うこと。
本音でぶつかり合うこと。きっと大学に行ってその先もずっとずっと大切なこと。それを教えてくれたのは、どばたのたくさんの講師と、同じ学年のみんな、教務の方々、私を取り巻く全ての人達です。本当にありがとうございました。

ホノラ ルイジ さん

ホノラ ルイジ さん

フランス

合格大学:
武蔵野美術大学 彫刻学科
多摩美術大学 彫刻学科

 

「フランス野郎!」
 私はコンピュターグラフィックス(CG)を勉強して、その分野から来ました。
元々美術にも興味を持っていて、技術的CGに近い伝統の芸術は彫刻であるので、彫刻を学んでみたいと思えてきました。それで美術専門学の彫刻学科に入って、1年間彫刻の基本を学びました。美大に進学したいことを決めて、すいどーばたを通うようになったのは去年の夏後でした。比較的に短い期間を通いましたが、学んだことがとても多かったです。
大人数、レベルが高いクラスの授業は、自分の意識を強めて、集中力を高めたと思います。初めて日本の予備校のシステムを経験した私には、非常に良い勉強になりました。今まで自分のペースでものを学んだが、わりと早く予備校になれました。その理由はクラスの雰囲気が集中しやすくて先生の丁寧で解りやすいアドバイスであると思います。5人の先生のそれぞれの意見と教え方がとても良い授業でした。
最初はデッサンより彫刻を多めに勉強したいと思っていましたが、どうしてデッサン力が大事なのか初めて理解ができたかもしれません。ものの見え方はデッサンをたくさん描くと変わってきてものの「立体」が見えるようになりました。
そして上手な人の作品を見たり、講評を聞いたりするのも勉強になりました。日本語はまだ上手じゃないだけど、日本人の学生と同じレベルを目指し、だんだん自分の上達を見ることは力になったと思います。彫刻の面白さをさらに解ってきて、彫刻をこれから深く勉強したい気持ちが強くなりました。だから大学入る前にとてもいい準備が出来たと思います。
友達もできて、とても楽しい時間を過ごしました。予備校で出会った友達のこれからの作品を楽しみにしています!みんな頑張って下さい!

榎田 進之 さん

榎田 進之 さん

東京
広尾学園高等学校 現役

合格大学:
東京芸術大学 彫刻学科
多摩美術大学 彫刻学科

 

「出会い」
 ボクの体験記は芸大の1次合格発表の日からはじまります。その日ほど芸大に合格したいと思った日はないし、今まで芸大を目指してきたくせに、その日ほど芸大の厳しさを知った日はないからです。1次発表の当日、ボクは少しドキドキはしていたもののわりと楽な気持ちでその日を向かえていました。芸大の勝負は2次、1次は突破して当たり前と思っていたからです。甘く考えていたわけではありません。すいどーばた美術学院に通い、参考作品もたくさん見て、これが芸大に受かるデッサンなんだと理解してたつもりでした。その上で、1次試験前のすいどーばたのデッサンは現役、浪人ともにいままで見たことのないような素晴らしいものが並び、あまりの迫力にボクは本気でこれはほとんど全員1次合格しても全然おかしくない、自分も絶対その中にいなくてはと思いました。
あっという間に1次が終わり発表の日、予備校の仲間たち数人と発表を見に行きました。その中で1次合格はボクだけでした。えっなぜ?みんなあんなに頑張ってたのに、すごい上手いのに、仲間たちは自分のくやしい気持ちをおさえボクに頑張れと言ってくれました。芸大の厳しさが改めてボクに重くのしかかります。みんな粘土もとても上手いのに、当然2次試験で競いあうことになると思っていたし、誰が芸大に入ってもおかしくないと思っていたのに、こんなにも厳しいなんて、ずうずうしかったかもしれませんが、みんなのくやしい思いの分もボクが合格してはらすしかないと本気で思いました。
2次試験当日、手が出たらあの人、首像はあの人、構成はあの人、と仲間を一人一人思い浮かべます。予備校の先生、高校の先生、学校のみんな、家族を思い浮かべます。そうして挑んだ2次試験は今までとはくらべものにならない作品をボクに残さしてくれました。この結果に導いてくれたすべての出会いに深く感謝します。ありがとうございました。

冨田 佳菜子 さん

冨田 佳菜子 さん

京都
府立宮津高校 卒

合格大学:
東京芸術大学 彫刻科

 

「一年間で得たもの」
 高校二年生の頃から彫刻というものに興味を持ち、私は何も分からないまますいどーばた美術学院へやってきました。何もかもが新鮮で、先生方から教わる技術や 知識などが流れるように脳や身体に入ってくる。講習会に行く度、そんな感覚に喜びや楽しみを覚え、気づけばあっという間に高校三年生の冬、まさに入試直前になっていました。
塑像力においては弱いところがあったものの、合格する可能性は無くもないといわれ、結果は不合格。そして私はその瞬間、「見破られた」と思いました。私は、完全な受身となって受験をしていたのです。不合格という結果を目にして、自分の描ける力だけに頼り、周りに流されてきたことに気づかされました。だから、この与えられた1年間は、自分を見直し、どうして大学へ行きたいのか、自分の気持ちを確かめ、何事も自発的な年にしようと思いました。
そうして始まった浪人生活では、生徒それぞれの個性を活かして力を伸ばしていく、という先生方の方針に存分に甘え、1枚1枚描いたり創ったりするたびに、どんなことが伝えたいのか、それはどうすれば伝わるのか・・・。
たくさんの表現に挑戦することができ、ただ実技を上手くこなすのではなく、その先の『絵』としてどのように描くか、『自分の作品』としてどのように創るのか、たくさん学ぶことができました。きっと、現役生の私がそのまま大学へ行っていたら、このように自分のしたい表現がすぐにできるようになるところまで辿り着くことはできなかったと思います。
また、定期的に実施される実技コンクールなども、そのような実技の成果を試すことのできる良い刺激になりました。 そして1浪目の冬、2度目の入試直前、私は楽しくて仕方がありませんでした。なぜなら、すいどーばたで1年間ひたすら実技に時間を費やすことによって、描きたいものを描きたいように描き創りたいものを創りたいように創れる、しっかりとした力がついていたから。受身ではなく、自分から受験に向かっていたから。私はそう思います。
そう思えるところまでこれたのは、互いに高めあえる良きライバル達、ユニークで楽しい先生方、そんな人たちがたくさんいる充実した環境のおかげです。こんな素敵な環境を共に作り上げてくれた皆さんに感謝です。本当にありがとうございました(*^^*)

大野 陽生 さん

大野 陽生 さん

埼玉
浦和実業学園 現役

合格大学:
武蔵野美術大学 彫刻学科
東京造形大学 彫刻専攻領域
日本大学芸術学部 彫刻コース

 

「恵まれた環境」
 僕がどばたに始めて訪れたのは高2の終わりに受講した春季講習会で、それからすぐ学年が上がると同時に夜間部生としてどばたに通うようになりました。
講習会は体力勝負で、集中力を持続させるのがとても難しかったですが、その分長く自分を見つめ直す事ができる期間でもありました。
ある日、僕の兄が何気なく愚痴をこぼしました。「今やってることが勉強の為の勉強になっている」それからだいぶ時間が経ち芸大1次の1週間くらい前にこの言葉を何気なく思い出したとき、はっとしました。兄の言葉が自分の中で置き換わり、「大切なことは受験の中で得た技術とか知識をどんなふうにに生かしていくかで、受験の為だけの、受験用のデッサンや塑像になったらダメなんじゃない?」と言っている様に思ったからです。
それからは受験というよりも1つの作品を作るような感覚で実技に取り組みました。私大に合格出来たのは試験当日、無意識にそれを実行していたからではないかと今では思います。芸大合格の夢は叶いませんでしたがそれ以上にどばたで得たものの素晴らしさを実感しています。
どばたの人々は友人や先輩方、先生方に関わらず、皆彫刻というもの、美術というものに対してとても純粋でまっすぐです。参考作品からもその志というか欲求の様なものがもの凄く伝わってきます。この様な恵まれた環境で人生の分岐点を迎えられたことや仲間や先生方と巡り会えたことはとても幸せなことです。一緒に実技を高めあった夜間部の皆を思うと感謝仕切れない思いがあり涙が出ます。一生忘れません。入学後は彫刻に限らず様々な分野から知識や表現を吸収して広い視野を持った人間になれるよう努力し、そして将来的には、どばたの仲間たちと共に現代美術を担っていきたいです。少しでも多くの人に感動を与えられるよう頑張ります!