基礎科 吉田 朗ゼミ

こんばんは 基礎科です。

基礎科担当の指導スタッフは、各個人でも制作や作家活動を行っています。
そんなスタッフの自己紹介・制作紹介を兼ねたミニゼミを時折開催しています。

第1回目は、彫刻・デッサン担当の吉田朗先生によるゼミを行いました!

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吉田 朗先生は現代美術の作家でもあります。
今年4月には、六本木のHideharu Fukasaku Galleryで個展が開催されました。

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 主にFRP(ガラス繊維強化プラスチック)を素材とした立体にエアブラシで繊細なペイントを施した作品を制作。また、香港最大の鉄道会社MTRの City One(第一城)駅に作品が常設展示されている他、日本一の宝くじ売り場、西銀座チャンスセンターの招き猫「宝猫」の制作など公共アートの分野でも活躍されています。

そんな吉田先生が初めて美術をはじめた頃のデッサン画像からゼミは始まりました。

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彫刻科を選ぶきっかけとなったのは、コンスタンティン・ブランクーシの
彫刻作品との出会いだったそうです。
ブランクーシは20世紀を代表する抽象彫刻の巨匠です。
下の作品は有名なシリーズ「空間の鳥」。

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同じくコンスタンティン・ブランクーシ「魚」

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浪人しデッサンもうまくなりました。
さすが彫刻科らしい力強くて量感溢れるカッコイイデッサンですね!

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そして多摩美術大学彫刻科に進学し、でも当時ヤサグレていた?(笑)
吉田青年がアルバイトで原型制作を担当したフィギアの話や

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影響を受けた、世界の現代美術作家の紹介に話は移っていきます。。

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イギリスのダミアン・ハーストやドイツのハンス・ハーケなど
世界のアートシーンを牽引している現代美術家の話になりました。
美大受験からは遠い存在かもしれませんが、美術を目指す人はぜひ知っておきたい作家です。

吉田 朗先生も大学在学中から現代美術の世界で活動を始められ、2000年には、
テレビ東京「たけしの誰でもピカソ5美大対抗アートバトル」にて多摩美代表で出場。
ソーセージやベーコンなど食べられる食品を素材にした奇抜な立体作品で優勝されています!

以下は大学を卒業した後の作品です。


「そらむし」/ ”soramushi”, 2007


ボトムレスオマル」/ ” Bottomless Omaru”, 2008
なんとこれは「おまる」なアート作品!

「犬張り子 アトミッククラウド」/ ”Inu Hariko Atomic Cloud”, 2011

 「 犬張り子 錦帯橋に鷲」/ ”Inu Hariko kintaikyou bridge and eagle”, 2006、
旧日本銀行広島支店、広島

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香港最大の鉄道会社「MTR」の City One(第一城)駅に設置されている作品。
この作品は図面から制作工程までを紹介してくれました。


作品制作だけではなく設置方法まで、なかなか大変だったそうですが、
駅にこんな可愛い犬張り子がいたら楽しくなってしまいますね!

すいどーばた美術学院での受験時代の石膏デッサンから始まり、
その後、大学でそのデッサン力を生かしながら、いろいろな展開をして、
世界のアートに繋がっていく。。という夢のある大変楽しい話。
短い時間でしたが吉田 朗先生の作品世界、現代美術の世界を垣間みることができました。

これからも基礎科では、このようなミニゼミを企画していく予定です。
お楽しみに!

2016年6月15日(水)〔基礎科